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【憧憬】
うとうと。こくり、と首が落ちそうになったところで、きいと車輪の鳴る音。列車が止まるのを感じて、
城山 水樹
はゆっくりと目を開きました。
(……てんけん……?)
周囲の乗客のひとりが、愚痴めいた口調でそうつぶやいたのを耳にして、寝ぼけマナコをこしこしとこすりながら、外を眺めます。
雑誌の読者モデルとして活躍中の水樹。東京のスタジオに出向いて、二日間に渡るなかなかにハードな撮影スケジュールをこなした彼女は、疲労感と充実感、解放感がないまぜになって……シートに腰掛けた途端に襲ってきた、強烈な睡魔への抵抗もむなしく、すっかり寝入ってしまっておりました。おかげでどうやら、窓の外の風景を見るに、
(あ……乗り過ごしちゃった?)
電車が止まっているのは、シーサイドタウンの端っこあたり。下りるはずの寝子島駅は、とうに通り過ぎてしまったようです。
ただ、ここでがっくりと肩を落としてしまわないのが、水樹です。
(ま、いっか! 家まで、ウォーキングしながら帰ればいいわ)
なんて思ってしまえる、このタフさ、前向きさ! そんなところもまた、水樹の強さであり、健康的な彼女の魅力のひとつでもあるのでしょう。そりゃあ雑誌の読者たちだって、夢中になってしまおうというものなのです。
おまけに。暇つぶしにでも、と取り出したスマホでねこったーなど開きかけたところで、目に付きましたのは、ひとりのおばあさんの姿。手すりにつかまり立ったまま、ふう、はあ、と息をついたり、額に吹き出た汗を拭ったり、辛そうです。
水樹は、一秒だって迷いませんでした。
「おばあさん。よろしかったら、こちらにどうぞ!」
「あら……ありがとう、嬉しいわぁ。膝が悪くてね、辛かったのよ」
おばあさんのしわしわの手を優しく引いて、席へと座らせてあげると、水樹はにっこり! モデル活動でも大活躍のスマイルをキメれば、周囲の空気だって、ばっちり和やかです。
身体の疲れもなんのその、ますます充実した気分の水樹。おばあさんに笑顔で手を振ってから、扉の側に立って手すりを握ると、窓の外を眺めます。
その日の夕焼けは、見たことも無いほどに綺麗な、一面のオレンジ色。
(うわぁ……すごいわね)
思わず見入ってしまうような、美しい風景。
ふと。その中に、水樹は懐かしいものを見つけて……何とはなしに、きゅっ、と胸を締められるような感覚を覚えて。
(……懐かしい、なぁ……)
オレンジに染まるあの寝子島小学校の校舎を、こんな風に眺めるのは、いつぶりのことでしょうか?
自分がそこへ通っていた頃、もうずいぶんと昔のことなのに、ちっとも変わらないあの校舎を。
(そう、全然変わらない……変わったのはきっと、私のほう)
瞬く間に蘇ってくる、小学生時代の思い出。あの頃の自分と今の自分は、確かに良くも悪くも、随分と違っているように思えます。まぶしく輝かしい、少女時代の思い出……。
けれど。
前向きでタフで、何だって楽しんでしまえる、快活なこの性格。
今をときめく読者モデル。雑誌のページをめくればにっこりと、花咲くような笑顔!
それに……ふと見れば、あのおばあさんだってにこにこと、穏やかな笑みを浮かべているのです。
(……うん。そうよね)
例え、自分が変わってしまったとしても。きっとそれは、悪い変化ばかりでは無いのでしょう。今の水樹だって、こんなにも魅力的なのですから!
ふと水樹は、スマホを窓の外へと掲げて、ぱしゃり。寝子島小学校の校舎を、写真に撮りました。
変わり行く自分と、あの頃の自分。その間を繋ぐ、素敵な思い出の証人として。ずっと変わらずそこに在ってほしいと、そんな風に、心の中に願いながら。
(母校……ってやつなのかしらね?)
よいしょ、と大荷物を抱えなおして。
真境名 アリサ
の目に留まったのは、窓際から小学校の校舎を撮影する、彼女の姿。
母校。故郷。そんなものを思うとき、アリサの胸もまた、ちくりと痛まないでもないもので。
女性から目を反らして、車内を見回せば目に入る、いくつもの吊り公告。時節柄、その中にはハロウィンに関するものなども、幾つかありまして。様々なお化けの格好をした子供たちの写真を眺めながら、アリサは、ふう、とため息ひとつ。
実は今、彼女の抱えた荷物の中には、まさしくハロウィン・グッズがてんこ盛りだったりします。けれどそれは、あの吊り公告のように、純真な子供たちを楽しませるためのものではありません。
彼女の勤め先にて催される、オトナのハロウィンイベント。そのために仕入れてきたのが、このグッズたち。
肌も露わ、大胆な水着を身に纏い客をもてなす、オトナのお店。いわゆるひとつの、水着ガールズバーでの接客が、アリサのお仕事なのでした。
今までに転々としてきた仕事の中でも、いくらか長続きしているのを思えば、性に合っている、という気はするのですけれど。
(あー……やっぱりこの前の、バレてたのかな……)
思い出すのは先日に、故郷の沖縄に住む彼女の母親と、久方ぶりに電話で会話した時のこと。
今の仕事について尋ねられるたび、アリサは少々、困ってしまいまして。飲食店での接客、なんて誤魔化しながらも……本当のことを告げたら、どう思うだろう。やっぱり落胆されるかな。がっかりされるかな。そう、思わないでも無いのです。
勤め先のホームページなどには、水着姿のセクシーなアリサの写真がどどんと、堂々と掲げられています。何らかの経緯で母がそれを見てしまったとしても、もちろん不思議なことではありません。直接そうとは伝えてこないものの、とっくにバレているのかもしれません。
唐突な停車に、勤め先には少し遅れる旨を既に伝えてあるものの、この後もアリサは、店へ出る予定になっています。
来店する客などは、アリサを明るく能天気な女性と、そんな風に見ているかもしれません……けれどその実、彼女は思いのほか現実にシビアで、したたかです。それだけに、母のいる故郷のあの空気と、今の自分の現実との剥離には、やっぱり思うところもあるのでした。
ふう、ため息ひとつ。
と……物思いにふけるアリサの耳へ。ふと、聞こえてくるものがありました。
すすり泣きのような、くすん、くすんと鼻を鳴らすような、そんな音。振り返ってみれば、
(あれ。どうしたんだろ、あの子?)
それは、小さな女の子でした。まだ、小学校の低学年くらいでしょうか? ぽろぽろと涙をこぼしながら、不安そうにあたりを見回してはひくひくと、震えながらに鼻を鳴らしています。どうやらあたりに親御さんなどはおらず、ひとりきりのようです。
アリサは少しばかり、ふむ。と思案した後……ふと思い立って、抱えた荷物の中に手を突っ込み、取り出しました。思えばちょうど、こんなときにピッタリのものを、偶然にも持ち合わせておりまして。
「……『ねえ、君! どうして泣いているの? ボクに話してごらんよ!』」
「ふえ?」
ぽかん、と口を開けた女の子の前で、ぴこぴこと揺れておりますのは……アリサの手にした、カボチャ頭のジャック・オー・ランタンの、お人形!
「『そんなに泣いてちゃ、可愛いお顔が台無しだよ? さ、さ! 話してごらん、ボクが力になってあげるからね!』」
「……ぷ」
ぴこぴこ、踊るようなお人形と、アリサのおどけた調子には、女の子もぷっと吹き出して、目元を拭いながらに笑みを浮かべます。
「あのね、おつかいのとちゅうで。でんしゃ、とまっちゃって……なんでかなあって。ちょっと、こわくなっちゃって」
もともと、あまり気が強い子ではないのでしょう。女の子はどうやら、ひとりきりでのおつかいの途中にぴたりと電車が止まってしまったもので、不安になってしまったようです。
「『そっかあ、でも大丈夫、安心して! 電車はすぐに動き出すし、なんたって、ボクが側にいるからね!』……それに、ほら。おねーさんだっているからね、もう怖くないでしょ?」
「う、うん……!」
「『さ、ボクとこのおねーさんに、君のお名前を教えてくれるかな? そうしたら、ボクらはもっと仲良くなれて、怖い思いなんて吹っ飛んでいっちゃうよ』」
「うん! えとね、わたしね……」
ぱあっ、と明るくなった、女の子の笑顔に。アリサはちょっぴり、ちくちくとしていた胸の中に、あたたかいものが満ちていくのを感じます。
(ふふ。あたしって案外、保母さんとかも向いてるのかも♪)
そんな風に思い、すっかり楽しくなってしまって、しきりにカボチャ頭をぴこぴこぴこ。出勤までの思わぬひと時を、女の子と、楽しく過ごしたのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月25日
参加申し込みの期限
2015年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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