【ハロウィン】劇場版　ねこじま魔法少女大戦　H”（エッヂ）｜リアクション

【ハロウィン】劇場版　ねこじま魔法少女大戦　H”（エッヂ）

　ヤ＝ガミンは町役場崩落の瞬間、キリュキュアの助けを借りてクイーンを救出していたのだ。
「１人でお菓子を食べるのは悲しいぞ、皆で食べたほうが美味しいに決まってるさ……」
　キュアコスモはクイーンを説得をしていた。
「お菓子独り占めするとか、もしかしてぼっちなのか？」
　キュアスノウの言葉に、クイーンは肩を震わせる。
「だって……人間の作ったお菓子は美味しいんですもの……！」
　涙を流しながらケーキを貪るクイーン。
「でも私は魔族ですし、人間のお菓子なんて滅多に食べられません」
「だからハロウィンに……呆れた奴だ」
　鬼畜眼鏡モードのヤ＝ガミンは、クイーンのアゴをクイッと釣り上げた。
「君はまだ、お菓子より甘いものを知らないんだな……？」
「な、なんですかそれ？　是非、私に味あわせてください！」
「言ったな？　……その言葉、後悔するなよ？」
「ちょっと！？　いきなり何を？」
　ヤ＝ガミンはクイーンをお姫様抱っこすると、耳元で何かを囁く。
　するとクイーンは顔を赤らめて目を潤ませた。
「そういうの、初めてだから……」
「そうか。じゃあたっぷり可愛がってやるよ。床に転がして鳴かせてやる」
「ゆ、床は冷たいから、せめてベッドの上で……」
「何言ってんだ？　君の体を熱くしてやるんだ。ベッドの上じゃ汗ばむぞ？」
　そう言ってヤ＝ガミンは転移魔法を使ってクイーンをどこかに連れて行ってしまった。
「お、おい、シュウ！？　……行っちまった。何をする気だ、あいつ……」
　心配するスノウ。
　だが、横に居るコスモはどぎまぎしている。
「……深雪は知らなくていいことだぞ！　２時間ぐらいしたら戻ってくると思うぞ！」
「そ、そうなのか？　まぁ、渚砂がそう言うなら……」
　純真無垢なスノウの反応を、コスモはカワイイと萌えまくっていた。

　ヤ＝ガミンはお土産に持参したケーキとともに、濃い紅茶をクイーンに入れてやることにした。
　クイーンは今、シャワーを浴びている。
　２人の決戦は終わったのだ。
　八神家奥義は門外不出の秘技。
　その描写は固く禁じられているので読者の方々にはお伝えできないのが心残りである。
「もともと、争いたかったわけじゃないんだ」
　シャワールームの壁越しに、ヤ＝ガミンはクイーンに向けて独白する。
「俺達はもっと互いに知る必要が有る。君はとても魅力的だ。俺は、君の全てが知りたい」
　シャワーの湯が滴る音のみで、クイーンの声は返ってこない。
「だから俺はめいっぱい君を愛でた。その甲高い声で反応する様はとても可愛らしかった」
「……ばか」
　恥ずかしそうにクイーンは返した。
「実際、貴女は魅力的だ」
　そう言いながら、ヤ＝ガミンがシャワー室に入り込むと、クイーンを後ろから抱きしめた。
　戸惑うクイーン。
　だが後ろから抱きつかれると、敏感肌が裏目に出て抵抗できない。
　ヤ＝ガミンはクイーンの耳元で感情を込めて囁いた。

「ごちそうさま。お菓子より、ずうっと甘かっただろ？」

「もう……やめて……。帰りたくなくなっちゃう……」
　潤んだ目でヤ＝ガミンを見つめるクイーン。
「知らなかった。お菓子を食べていれば心が満たされると持ってたけど、違ったのね」
　向き直り、２人はしかと抱き合う。
「もっと早くあなたに会っていれば……こんな馬鹿なことせずに済んだかも、ね？」
　寂しそうにクイーンが溜息を吐いた。
「この島のみんなに……ごめんねって……言っておいて？」
　クイーンはシャワー室から飛び出すと、魔法で瞬間着衣。
　部屋の窓から飛び降りると、そのまま空を舞って上昇していく。
「さようなら、イケメン君……」
　クイーンは名残惜しそうに、天へと帰っていった……。

＜ヤ＝ガミン：文字通りクイーンを『昇天』させることに成功＞

　→異変の終息を確認。世界が元に戻っていく……！

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