- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
Search for lost books
猫鳴館、逆巻 天野の部屋。
天野がノックされたドアを開けるとそこには『図書委員手伝い』の名札をつけた屍 骸が立っていた。
「よう。本の回収に来た」
と、骸。
「僕は返却期限を守っているはずだけど？」
天野は首を傾げる。
「あー……それな」
骸はめんどくさそうに言う。
担当した図書委員の字が汚すぎて期限の読み違えが発生していたとのこと。
「それは図書委員会のミスじゃない？」
当然のように言う天野。
「そうだけどよぉ。一応、手続きしに来てくれねぇと俺も困るから頼むわ」
両手を合わせて頼む込む骸。不健康な肌の人間が手を合わせるとなんだか不吉な様相に見えなくもない。
「仕方ない」
天野は肩を竦めると図書室へ延長手続きに向かうのだった。
旧市街のとあるお好み焼き屋。看板には『うさぎ屋』とある。
「おーばーうーえー！」
学校から走ってきたであろう、大田原 いいなは息を切らしながら引き戸を開け放つ。
そこには『うさぎ屋』の主人であり、いいなの叔母である『宇佐美満月』がいた。
「何よー？」
と、満月はいいなの雰囲気など意に介さず返事をする。
「何故にこの表に叔母上の名前が載っておるのじゃ！」
パンパンと、未返却リストの叔母の名前のところを指で叩く。
「枕の高さを調整するのに使っていたら、返し忘れちゃった。てへ♪」
全く悪びれもせずに満月はいいなに舌を出す。
そんな叔母の様子にいいなはがっくりと肩を落とす。
「儂にもこの血が流れておるというのか……。して、その本は今どこにあるのじゃ？」
と、いいな。
「あー、えっとねー。古本屋に売っちゃったかも？」
満月はやはりお気楽にそんなことを言ってのけた。
「おーばーうーえー！」
いいなの悲鳴のような叫びが店内に響いたのは無理もない。
「どこの本屋じゃー！？」
叔母の肩を掴んで古本屋の場所を聞き出した後、いいなはその本屋へ向けて走り出した。
応援団室。
「ふ、俺の策にかかればこんなもんだぜ」
不破 灸はママチャリで１時間ほどの寝子島サイクリングを楽しんだ後、応援団室へと舞い戻っていた。
図書室へ向かったはずの絢霧 満の帰りを待つ。
委員会からの追っ手である桜崎 巴を撒いた灸は応援団室の椅子にもたれ掛かるようにして油断していた。
「あとは無事に満君が返してくれれば完璧だな」
そんなことを言いつつ机に脚を乗せて、だらけた態勢になる。
コンコン。
控えめに扉がノックされる。
「満君か？」
と、灸は立ち上がると扉を開く。
「残念、あたしだぜ！」
そこには巴が立っていた。手にはバットを持っている。
「げぇ！？」
油断しきっていた灸は行動が遅れる。一方の巴は、灸の肩を掴み、逆側の足を払う。
柔道技の体落としのような動きで灸は床に組み伏せられる。
彼の頭側の床にバットがドンと突き立てられる。
「さて、本を返してもらおうか？」
巴は灸が持っている本を奪い取る。
「あん？」
その本には図書室のラベルが貼られていなかった。
「実はだな……それ、フェイクなんだ」
言いづらそうに灸が説明をする。
図書室から回収の人間が来たら、灸は囮として逃げ回り、その間に協力者である満が目的の本を返却する、と。
「なるほど、なるほど」
巴の表情が怒りを通り越して呆れと笑みが浮かぶ。
「だから、その……スミマセン」
彼女から溢れる危険な気配を感じ取った灸が謝罪する。
カラン。
と、巴はバットを手から放して提案する。
「あたしの右手と左手、どっちがいいか選びな」
「じゃあ、右で殴ってくれ」
殴られる覚悟を決める灸。
「お前に選ぶ権利があるわけないだろ？」
と、両手を構える巴。
「両方かよ！」
灸は叫ぶ。
「二度手間受けたからに決まってんだろうが！」
容赦なく巴はマウントポジションから拳を振り下ろした。
「へぶぅ！？」
「帰ってきたんよー」
灸が殴られると同時に満はあくびをしながら戻ってくる。
「本は返してくれたのかい？」
と、灸を殴りながら巴は満に訊ねる。
「ママキューの言ってた本とは違ったけどばっちり返してきたんよー。ママキューあれ、ママキューの趣味なんよ？」
灸に追い討ちをかけるような言葉を満は返す。
「へぇ、どんな本だったんだい？」
巴は満の言葉に興味を持つ。
「おぶ、満君見たのか！ げぶっ！？」
殴られながら灸は悲痛な声を上げる。
「返すときに本取り出さなきゃならないんよ。当たり前なんよ。ママキュー、『愛のポエム集』なんて少女趣味なんよ」
と、満は説明する。
巴に殴られることよりも痛い思いをする灸であった。
天野がノックされたドアを開けるとそこには『図書委員手伝い』の名札をつけた屍 骸が立っていた。
「よう。本の回収に来た」
と、骸。
「僕は返却期限を守っているはずだけど？」
天野は首を傾げる。
「あー……それな」
骸はめんどくさそうに言う。
担当した図書委員の字が汚すぎて期限の読み違えが発生していたとのこと。
「それは図書委員会のミスじゃない？」
当然のように言う天野。
「そうだけどよぉ。一応、手続きしに来てくれねぇと俺も困るから頼むわ」
両手を合わせて頼む込む骸。不健康な肌の人間が手を合わせるとなんだか不吉な様相に見えなくもない。
「仕方ない」
天野は肩を竦めると図書室へ延長手続きに向かうのだった。
旧市街のとあるお好み焼き屋。看板には『うさぎ屋』とある。
「おーばーうーえー！」
学校から走ってきたであろう、大田原 いいなは息を切らしながら引き戸を開け放つ。
そこには『うさぎ屋』の主人であり、いいなの叔母である『宇佐美満月』がいた。
「何よー？」
と、満月はいいなの雰囲気など意に介さず返事をする。
「何故にこの表に叔母上の名前が載っておるのじゃ！」
パンパンと、未返却リストの叔母の名前のところを指で叩く。
「枕の高さを調整するのに使っていたら、返し忘れちゃった。てへ♪」
全く悪びれもせずに満月はいいなに舌を出す。
そんな叔母の様子にいいなはがっくりと肩を落とす。
「儂にもこの血が流れておるというのか……。して、その本は今どこにあるのじゃ？」
と、いいな。
「あー、えっとねー。古本屋に売っちゃったかも？」
満月はやはりお気楽にそんなことを言ってのけた。
「おーばーうーえー！」
いいなの悲鳴のような叫びが店内に響いたのは無理もない。
「どこの本屋じゃー！？」
叔母の肩を掴んで古本屋の場所を聞き出した後、いいなはその本屋へ向けて走り出した。
応援団室。
「ふ、俺の策にかかればこんなもんだぜ」
不破 灸はママチャリで１時間ほどの寝子島サイクリングを楽しんだ後、応援団室へと舞い戻っていた。
図書室へ向かったはずの絢霧 満の帰りを待つ。
委員会からの追っ手である桜崎 巴を撒いた灸は応援団室の椅子にもたれ掛かるようにして油断していた。
「あとは無事に満君が返してくれれば完璧だな」
そんなことを言いつつ机に脚を乗せて、だらけた態勢になる。
コンコン。
控えめに扉がノックされる。
「満君か？」
と、灸は立ち上がると扉を開く。
「残念、あたしだぜ！」
そこには巴が立っていた。手にはバットを持っている。
「げぇ！？」
油断しきっていた灸は行動が遅れる。一方の巴は、灸の肩を掴み、逆側の足を払う。
柔道技の体落としのような動きで灸は床に組み伏せられる。
彼の頭側の床にバットがドンと突き立てられる。
「さて、本を返してもらおうか？」
巴は灸が持っている本を奪い取る。
「あん？」
その本には図書室のラベルが貼られていなかった。
「実はだな……それ、フェイクなんだ」
言いづらそうに灸が説明をする。
図書室から回収の人間が来たら、灸は囮として逃げ回り、その間に協力者である満が目的の本を返却する、と。
「なるほど、なるほど」
巴の表情が怒りを通り越して呆れと笑みが浮かぶ。
「だから、その……スミマセン」
彼女から溢れる危険な気配を感じ取った灸が謝罪する。
カラン。
と、巴はバットを手から放して提案する。
「あたしの右手と左手、どっちがいいか選びな」
「じゃあ、右で殴ってくれ」
殴られる覚悟を決める灸。
「お前に選ぶ権利があるわけないだろ？」
と、両手を構える巴。
「両方かよ！」
灸は叫ぶ。
「二度手間受けたからに決まってんだろうが！」
容赦なく巴はマウントポジションから拳を振り下ろした。
「へぶぅ！？」
「帰ってきたんよー」
灸が殴られると同時に満はあくびをしながら戻ってくる。
「本は返してくれたのかい？」
と、灸を殴りながら巴は満に訊ねる。
「ママキューの言ってた本とは違ったけどばっちり返してきたんよー。ママキューあれ、ママキューの趣味なんよ？」
灸に追い討ちをかけるような言葉を満は返す。
「へぇ、どんな本だったんだい？」
巴は満の言葉に興味を持つ。
「おぶ、満君見たのか！ げぶっ！？」
殴られながら灸は悲痛な声を上げる。
「返すときに本取り出さなきゃならないんよ。当たり前なんよ。ママキュー、『愛のポエム集』なんて少女趣味なんよ」
と、満は説明する。
巴に殴られることよりも痛い思いをする灸であった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2013年03月14日
- 参加申し込みの期限
-
- 2013年03月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2013年03月21日 11時00分
