怪人セブンの暗躍｜リアクション

怪人セブンの暗躍

【19：00　スッテラ・デッラ・コリーナ内貸切レストラン】

　これはどういうことなんだろうか。
　集められた英雄たちは同じことを思い、当惑していた。
　今回のお詫びをしたい、という泉月花の提案で召集された英雄たち。
　図書館で情報統制をしていた情報班や九夜山で活動していた者たちなども一同に顔を揃えた。
（月居と李は、菜々緒を自宅へ送り届けるため欠席しているのでここにはいない。壺職人たちは完全シャットアウトで参加できなかった。御剣も連絡が取れないので不在だ）
　だが、そこには泉月花と魅紗歌の姿がなく、代わりに日登美が先に飯を食らっていた。
「いっちーとみーちゃん、打ち合わせが押してるんだってさー、先に食べてって伝言預かってるよーん」
　下品に音を立てながら貪るその姿は、泉月花よりも暴食っぽい。
「とりあえず席に着いたら？」
　日登美の言葉に促されて、英雄たちは着席することに。
「……あなたが『色欲』ですか？」
　黒依アリーセが尋ねる。
「んー、いかにもタコにもー？　ボクちゃんが『色欲』の大罪持ちの伊平日登美でぇーっす！」
　日登美は自分の背中の刺繍『どすけべ野郎★一番星』を誇らしげに見せ付けるのだった。
「……なんか、イメージが違うなぁ」
　日暮は運ばれてきた前菜に手を付けながら日登美を睨み付けた。
「ねーねー、せっかくボクちゃん初対面なんだから自己紹介してよ！　合縁奇縁っていうし！」
「冗談はそのキャラだけにしてくれ……」
　如月はイライラしながら食事を口に運んでいく。
　とは言うものの、英雄たちは泉月花に用事があるものがほとんど。
　会話のないまま敵対相手と食事をするのも苦痛である。
　なし崩し的に全員の自己紹介が始まったのだった。