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秋の夜に、廃墟にて
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【4】
そのころ。
征一郎、武諭、ロベルトの三人は、回転木馬に向かっていた。
野外音楽堂で、もらった地図を見ながらあれこれ、相談した結果だった。
ちなみに、征一郎は音楽堂の地下のピアノに興味を示し、ロベルトはミラーメイズに行きたいと言い、武諭は「騎士といえば馬だから」という理由で、回転木馬に行きたがった。
地図を見れば、回転木馬は音楽堂とミラーメイズの間にある。それならばと、彼らは回転木馬→ミラーメイズ→音楽堂に戻って地下へ、というルートで園内を回ることにしたのだった。
「寂れているとはいえ、遊具はまんま残ってるんだな」
月明かりの中、見えて来た木馬たちを見やって、征一郎が呟く。彼は廃墟というより、遊園地自体が珍しいのか、ここに来る間もあたりをキョロキョロと見回し、観覧車やジェットコースターを面白そうに眺めていた。
(お坊ちゃんだし、厳しい親だとしたら、連れて行ってもらったりとかがなかったのかな?)
それに気づいて、ロベルトは考える。そして、なんとなく好奇心で問うた。
「僕は、小さいころけっこう連れて行ってもらってたんだけど……みんなは、遊園地の経験あるかい?」
「俺は、親に何度か連れて行ってもらったぞ」
うなずいたのは、武諭だ。その時のことを思い出したのか、空をふり仰いで呟く。
「ジェットコースターもいいな。生きていると実感できる」
「大げさな奴だな。……自分は、こういう所で遊んだ経験は、ほとんどねぇ」
対して征一郎は、肩をすくめて言った。
「別に悲観はしてねぇが、当時は……」
事情を話しかけて、彼は小さく舌打ちする。
「辛気臭ぇ話はやめだ。いいから行くぜ。時間がなくなる」
彼に促され、武諭とロベルトも足を早めた。
そうしてたどり着いた回転木馬だが。
「騎士と馬が合わさり、最強に見える!」
動かない木馬の背にまたがり、武諭が声を張り上げた。
ドン・キホーテが風車に巨人を見たがごとく、彼はこの永久停止した木馬に諸行無常を見出し、今、遊び心を探求しているのだった。
「さあ撮れ、神嶋。俺の写真は九枚でいい」
馬にムチを当てる仕草をしながら、彼は征一郎に声をかける。
「わかったわかった」
適当に返事して持参したカメラを構えながら、征一郎は思わずぼやいた。
「ったく、何がそんなに楽しいんだか……」
「なんか、高そうなカメラだ……!」
彼のカメラに、声を上げたのはロベルトだ。
「たいしていいもんじゃねえって」
返して征一郎は、言われたとおり、木馬の上ではしゃいでいろいろなポーズを取る武諭を、全部違ったポーズで九枚撮影した。しかも、そのうちの八枚はわざとブレさせて撮った。
そのまま撮ったのでは面白くないし、どうやら幽霊の類が怖いらしい――真央にインタビューされた時、それらしいことを言っていた――武諭を驚かせてやれといった悪戯心もあったからだ。
「内藤かっけー!」
ロベルトが、武諭に声援を送る。
征一郎が写真を撮り終え、カメラを下ろした時、ふいに声がかけられた。
「暗い中で、あんまりはしゃぐと危ないですよ」
驚いて、征一郎とロベルトがふり返った先には、大型のLEDランタンを掲げた
久須部 紀伸
が立っていた。小脇には、スケッチブックと小さなカバンを抱え、灰色のコートを着ている。
彼は知り合いの寝子高生からこの撮影会のことを聞き、参加を決めた。
この遊園地跡には、何度か来たことがあるものの、夜に訪れたことはなく、いい機会だと考えたのだ。
もっとも、今夜の彼はカメラ撮影ではなく、スケッチをしている。
さっきまで、ランタンの明かりに浮かび上がる、観覧車のゴンドラ内部をスケッチしていたのだが、それが終わって、回転木馬へとやって来て三人に遭遇したというわけだ。
「足元には気ィつけてるから、問題ねぇだろ」
征一郎が肩をすくめて返すと、カメラをポケットにしまった。
「あなたは、写真じゃなく、絵を描いてるのかい?」
目ざとく紀伸のスケッチブックに気づいて訊いたのは、ロベルトだ。
「ええ。スケッチしています。こちらの方が、私には性に合っていますので」
うなずくと紀伸は、回転木馬の周囲をゆっくりとランタンを掲げて歩いて回り始めた。
「何やってるんだ?」
木馬から降りて近づいて来た武諭が、尋ねる。
「スケッチするのにちょうどいいアングルを、決めているんです。写真でも、アングルは大事でしょう?」
「ふうん、そういうもんか」
武諭は、今一つピンと来ない顔で呟き、ロベルトと征一郎はなんとなく顔を見合わせた。
やがて紀伸は、頭の部分の色がすっかり剥げ落ちてしまっている木馬を見つけると、その近くにランタンを置いた。スケッチブックに、カバンから取り出した鉛筆を走らせ始める。
三人はしばしそれを眺めていたが、ロベルトが仲間たちをふり返って言った。
「そろそろミラーメイズへ行かないかい?」
「そうだな」
「ああ」
征一郎と武諭がうなずく。
そのまま三人は、そこをあとにする。
そのすぐあとにやって来たのは、
城山 水樹
だった。
今夜は冷え込むかもと、冬物の衣類とコートを着て、ブーツを履いていた。手にはデジカメと懐中電灯を提げ、温かいコーヒーを入れたポットを肩からかけている。
ちなみに、彼女も知り合いの寝子高生から話を聞いての参加だ。
「こんばんわ。……撮影じゃなく、スケッチしているのね」
気づいて声をかけて来る彼女に、紀伸は苦笑してうなずく。
「ええ。……こういうのも、悪くはないでしょう?」
「そうかもね」
笑って返すと、水樹は回転木馬にカメラを向けた。
一通り写すと、「それじゃ、スケッチがんばってね」と紀伸に声をかけ、すぐ隣のコーヒーカップへと向かう。
だが、その傍で、彼女は思わず目を見張り、足を止めた。
止まったままのカップたちの一つに手をかけ、何を思うのかじっと佇んでいる
三宅 葉月
の姿に目を奪われたのだ。
冬物のコートを羽織り、スケッチブックを小脇に抱えて立つ彼女の姿は、まるで一幅の絵のようだった。
もっとも、葉月当人はそんな水樹の視線には、気づいていない。
葉月にとって、この遊園地跡はなじみのある場所だった。絵を描いたり服を作ったりしている彼女は、普段からそれが行き詰ると、ここへやって来た。
夏でもひんやりとした空気が漂っているようなこの場所で、一人佇み、とりとめのない想像に耽る。そうするうちに、心が澄んで、まるで泉に水が湧き出すように、打開策が浮かんで来るのだ。
今夜は何かに行き詰っているわけではなかったが、やはりこうして歩き回り、写真を撮ったり、スケッチブックに気に入ったものをざっくりと描きつけたりしていると、創作的閃きの片鱗が、胸の奥底から湧いて来るような、心地よさを感じずにはいられない。
今も彼女は、そんなトリップ感の中にいた。
「こんばんわ」
水樹がそれへ、声をかける。途端に葉月は現実に引き戻され、小さく失望の吐息をついた。
だが、水樹はそれには気づかず、言葉を続ける。
「写真を、撮らせてもらっていいかしら。……その、そこにそうしているあなたの姿が、あまりにもはまっているから、撮りたくなったのよ」
「……いいわよ。でも、変にポーズをつけないで、ありのままの姿で撮影してもらえるかしら」
葉月はもう一度吐息をついて、返した。
「ええ、もちろんよ」
水樹がうなずく。
「なら、どうぞ」
言って葉月は、カップの縁に手をかけ、ふいと空をふり仰いだ。
「では、遠慮なく」
水樹は言って、デジカメを構えると、シャッターを押した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月21日
参加申し込みの期限
2015年04月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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