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秋の夜に、廃墟にて
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【エピローグ】
千聖の演奏が終わると、参加者たちはどこか夢から覚めたかのように、音楽堂を出て行く。
その中には、さゆるの姿もあった。
「今夜は、いろいろあったわね。……でも、本当にめずらしく、ぐっすりと眠れそうな気がするわ」
呟いて、そのまま彼女は遊園地跡を出て、山を降りて行く。その胸には、千聖のろっこんによって高められた生への思いが、まだくすぶっているかのようだった。
一方、根雪もまた、遊園地跡を出て行こうとしていた。
千聖と話したあとも、なんとなく廃墟内を歩き回って出会った人間相手に、千聖にしたのと同じく皮肉で高飛車な物言いであれこれ話しかけていたのだが――。
「暇つぶしとはいえ、こんな所で夜中にうろうろしているなんて、なんだかバカバカしいわよね。……ここのことは、ロマンティストたちに任せておくことにするわ。じゃあ、私は帰るわね」
そう一方的に春香にまくしたてると、彼女は踵を返したのだった。
だが、他の者たちは、それぞれに撮影やスケッチの続きをするため、元の場所へと戻って行った。
征一郎たち三人は、音楽堂の周辺を見て回ろうということになり、そのまま歩き出す。
やがて、時間は流れ――十時になった。
水樹は、音楽堂の前で今夜の成果をたしかめるべく、デジカメのモニターで、撮った写真を確認していた。
回転木馬とコーヒーカップの他に、彼女はゴーカート、ミラーハウス、地下のピアノも撮影している。
その中にはむろん、葉月とさゆるの写真もあった。
「……なんだか、負けちゃったな」
二人の写真を眺めながら、彼女はふと呟く。
二人はどちらも、異なった雰囲気を持つ美人だった。
水樹自身も、読者モデルとして活躍するほどで、美しさには自信がある。今夜も、途中で春香から写真を撮らせてほしいとカメラを向けられた。だが、二人はその彼女が嫉妬してしまうほどのものを、たしかに備えていた。嫉妬しながらも、撮影せずにはいられないものを、彼女たちは持っていたのだ。
「帰ったら、私も精進しなくちゃね」
デジカメ画像の確認を終えて、彼女は呟き、肩をすくめる。
(今日のことは、いい刺激になったわ)
音楽堂で、春香に帰る旨を告げながら、彼女はふと思うのだった。
すばると美野梨も、肩を並べて音楽堂にやって来ると、春香に帰ることを伝える。
美野梨の荷物は、すばるが持っていた。
「今日は、一緒に来られてよかったよ。楽しかった」
音楽堂を出て、廃墟の外へと向かいながら、すばるが言う。
「私の方こそ、ありがとう。……写真、きっといいのが撮れていると思うわ」
笑顔で返す美野梨に、すばるは少しだけ照れて笑った。それから、思い切って続ける。
「あ、あのさ。もしよかったら、明日も一緒にどこかへ行かない?」
「え……? あ、そうね……」
美野梨は少しとまどったあと、言った。
「なら、図書館でもいいかしら。借りてた本を返しに行くつもりにしてたのよ」
「もちろん。ドクと一緒なら、どこでもOKだよ」
笑ってうなずくすばるに、美野梨は思わず苦笑する。
「それじゃ、明日の午後にね。午前中は、今日の写真をプリントしてしまいたいから」
「ラジャー!」
おどけて敬礼してみせてから、すばるはまた笑った。そのまま二人は、肩を並べて廃墟を立ち去って行く。
計都も、春香に帰ると告げて、遊園地跡を後にした。
山を降りて行きながらふと、ミラーハウス内がけっこう広かったことを、彼は思い出す。
(そういえば、五代先輩たちは、中で呉井先輩たちには出会わなかったって言ってたし……ぼくも、声や足音は聞いたけど、出会ったのは神嶋先輩たち三人だけでしたね)
ミラーハウスを出たあと彼は、満天の星空を撮影した。
(どんなふうに撮れているか、現像するのが楽しみです)
胸に呟きつつ、彼は歩き続けていた。
一方、ずっと春香と一緒だった簾は。
「今夜は、いろいろ指導、ありがとうございまっす! ここもすげーよかったっす。写真も、一杯撮れたし」
「喜んでもらえて、よかったわ。……写真、プリントしたら見せてね。どんなふうになってるか、楽しみだし」
笑って返す春香に、簾は大きくうなずく。
「了解っす。俺も、先輩の写真、見てみたいっす」
「いいわよ。じゃ、明日にでも写真、見せ合いっこしましょ」
「は、はい!」
春香の言葉に、彼は目を輝かせてうなずいた。そして、「そんじゃ、おやすみなさいっす」と挨拶すると、遊園地跡を立ち去って行った。
月と冬華は、最後に音楽堂の前で二人で写真を撮った。
「二人で、写真を撮りませんか?」
提案したのは、冬華の方だった。
「写真? ……ちょっと恥ずかしいけれども、せっかくだし、記念に撮っておこうか」
少しためらったものの、月もそう言ってうなずく。
そこで、冬華がデジカメで、二人並んだ姿を撮影したのだ。
春香に帰る旨を告げ、礼を言って廃墟を出て行きながら、冬華は小さく笑って月を見る。
「今夜は、楽しかったですね」
「ああ。デザイン画もいいものが、たくさんできた」
月もうなずき、手にしたノートをそっと抱きしめた。
千聖も春香に声をかけ、音楽堂から出て来たが、どことなく元気がない。というのも。
「せっかく即興で演奏ができたというのに、録音しなかったのは失敗でしたわ。……譜面に起こそうにも、途中からは夢中で、何も覚えていませんもの……」
呟いては、大きな溜息をつく。
その彼女に声をかけたのは、真央と修だった。
「ヴァイオリンの演奏なら、真央ちゃん、スマホで録音したのだ」
「俺も、タブレット端末で録音した。……演奏を聞いて、ここに来てからのものだから、途中からだがな」
二人の言葉に、千聖は目を見張る。
「ほ、本当ですの? 途中からでもかまいませんわ。そのデータをいただいてもよくて?」
尋ねる彼女に、真央と修はうなずいた。
やがて、春香も帰ってしまい、寝子島イリュージョンランド跡からはほとんどの人の気配が耐えた。
残っているのは、真央と修の二人だけだ。
彼らは星景写真を撮りながら、修が連れて来た子猫のブルーをじゃらしたり、真央が持って来たオヤツを食べたりと、退屈する暇もなかった。
時おり虫の声が聞こえて、修がその声の出先を見つけて撮影したりということもあった。
そのうち夜が更け、さすがに元気な真央も自分のテントで眠りに就く。
するとあたりは、更なる静けさに包まれた。が、修はそれを心地よく感じながら、ランタンの光の下で、持って来た医学書を紐解き始めた。それは、真央から誕生日のプレゼントとして贈られたものだ。
「……どこかで、虫の声がするのだ」
「え?」
テントから聞こえた真央の声に、修は驚いて顔を上げると、何か答えかけた。だが、その声が「……真央ちゃんが虫を苦手なのは○×*+¥……」と不明瞭に口の中に消えて行くのを聞いて、思わず苦笑する。
(うっかり、寝言に返事するところだったな)
胸に呟き、彼は再び医学書へと目を落とした。
空には星々がまたたき、夜はただ静かに過ぎて行くのだった。
+ + +
数日後。
寝子高新聞に、寝子島イリュージョンランド跡での撮影会の記事が載った。
それを読んで、少しだけ複雑な顔になったのは、計都だった。
というのも、彼がミラーメイズの中で撮った写真の中に、白い少女の影のようなものが写り込んでいたためだった。そう、征一郎たち三人を撮った、あの写真だ。
(これってやっぱり……)
『幽霊』という単語が脳裏に浮かんだものの、彼は小さくかぶりをふって、その考えを頭から追い出した。
ネットで調べてみても、あそこにそういうものが出るという噂はないようだ。
(きっと、光の加減とかのせいですよね)
そうは思ったものの、少し考え、彼はその写真をあの三人に渡すのはやめにした。
(たぶん、気にする人は気にするでしょうし……無駄に怖がらせてしまうだけかもしれませんしね。うまく撮れていなかったと言って、謝るしかないですね)
苦笑して、呟く。
ちなみに、他の写真はどれも、狙ったとおりによく撮れて、いい写真になっていた。きっと、人に見せれば、「ミラーハウスの建物の個性的な雰囲気と、あの場所の寂寥感を強く感じる」と言う者も多かったかもしれない。
その同じころ。
ゼロは、廃墟で撮った写真を眺めて肩を落としていた。
「オバケさんは、やっぱり写っていないのですー」
残念、と溜息をつく彼女は、長い銀髪にあの夜と同じ、白いワンピース姿なのだった。
ともあれ、こうして廃墟での撮影会は、無事終了したのだった――。
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あとがき
担当マスター:
織人文
ファンレターはマスターページから!
マスターの織人文です。
参加いただき、ありがとうございました。
今回は大好きな廃墟が舞台ということで、私も楽しんで書かせていただきました。
結果、こんなふうになりましたが、いかがだったでしょうか。
みなさんにも、楽しんでいただければ、幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月21日
参加申し込みの期限
2015年04月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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