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昼下がりの猫まみれ
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顎に小さな頭と三角耳を擦り付けて喉を鳴らす黒猫を抱え直し、寝癖のついた茶色の頭にしがみつく茶虎猫を片手で抱え、
ピーター・ビアズリー
はその場にしゃがみこむ。足元に胴体を押し付ける八割れ額の白黒猫の背を優しく撫でる。
「いやあ困ったねえ」
言葉ほどには困っていないのんきな口調で呟き、もっと撫でろと寄ってくる八割れ猫の顎の下を撫でる。
「不思議なこともあるもんだねえ」
頭と肩にくっついて離れない猫たちも順繰りに撫でてやりながら、急に好かれた理由をちょっと考えてみる。
散歩のお供は古いフィルム式のカメラと小銭の入った財布くらいなもの。猫が好むものを持っているわけでもない。昼に魚を食べたわけでもない。
「うぅおおぉお!」
店員がすがりつく猫を引き剥がそうとしてはその愛くるしさに負けて再び抱きしめている。
「せっかく楽しそうにしてるんだからしばらくはこのままでもいいかもねえ」
余所へやるのも可哀想だし、と笑うピーターに、店員は案外嬉しそうな顔で大きく頷く。
「そういえば、」
もう一匹、転がるように足元へ駆け寄ってきた猫に手を伸ばしながら、ピーターはふと思い出して瞬く。
「うちに迷い込んできた野良猫にかみさんが説教していたら、うちの犬がちょっとやきもち焼いちゃったみたいでねえ、」
それで、と続けようとした言葉が、路地の向こうから近づく軽やかな足音に途切れた。
「ねぇねぇ待って待って、写真撮らせてー?」
昼下がりの眩しい青空の光を頭のてっぺんで結い纏めた黒髪に揺らし、レトロな二眼レフカメラを両手でしっかりと抱えた幼い少女がひとり、懸命に駆けて来る。
「あ、あさひ君」
猫まみれのピーターが少女の名を呟く。随分と年は離れているけれど、写真家のピーターと写真好きの
椎名 あさひ
は、カメラ仲間でもあり友達でもある。
二眼レフを大事に抱えているということは、今日も今日で写真撮影に精を出して居たのだろう。ピーターは目尻に優しい笑い皺を寄せる。
少女を先導するように走っていた猫が、急制動を掛けて立ち止まる。ちらりと首を傾げ、店先に集まった十数匹は下らない猫群を眺める。
足を止める猫のすぐ後ろ、あさひもまた足を止める。猫の写真を撮ろうと路地裏や垣根の下を見て回って町を駆け回り、視界の端をスルリ掠めた猫の尻尾を追いかけて来たら、
(ネコさんの集会なのかなぁ?)
路地の奥のお店の前に、猫、猫、猫。
「見ーつけた」
秘密の宝物の在り処を見つけて、榛色の大きな瞳がきらきら輝く。
宝の地図を書き取るように、そうっと静かにカメラを構える。
長閑な午後の陽射しを浴びてご機嫌に集う猫たちの邪魔をしないように、でも可愛く写るように、シャッターを切る。
「あっ、そっちの子もかわいいねぇ」
店の前、何かに集る格好の何匹もの猫を見つけ、あさひは嬉々としてカメラを構える。
(ゆきだるまみたい)
互いに互いを抱っこして集まっているようにも見える猫たちに向け、距離や角度を変えて幾度もシャッターを切る。
(ネコさんだからねこだるまだねぇ)
思いついた素敵な言葉ににこにこする。もう少し撮らせてもらおう、と半ばスキップでねこだるまに近づこうとして、気がついた。猫だけでねこだるまになっているのかと思っていたけれど、違う。何匹もの猫たちにほとんど隠れて、人の姿がある。猫たちの間から覗く、ちょっぴりくたびれた背広と寝癖気味の茶色の髪に、見覚えがある。
ゆっくりと近寄って、よくよく目を凝らして、
「あれぇ?」
あさひは思わず声をあげる。ねこだるまの真ん中に、大きなお友達のピーターおじさん。
「なにしてるのー?」
「猫たちに好かれてしまってねぇ」
のんびりと笑う猫まみれの友達へ無防備に近づくあさひに向け、店の軒先や屋根にたむろっていた猫たちが一斉に駆け寄る。
「わぁ!」
大きな眼をくるりと丸めるあさひの足の片方ずつ、黒猫と白猫がしがみ付く。見事な疾走に次ぐ跳躍を見せた三毛猫があさひの胸に抱きつく。背中の重みに振り向けば、背中にも一匹、猫ががっしりしがみついている。
「ネコさんたち、どうしちゃったのー」
店先だけでなく、路地のどこからかも集まって来た猫たちがあさひの足に尻尾を絡みつかせる。ピーターの膝に頭を摺り寄せる。ビールや焼き鳥の食品サンプルの並ぶ古びたショーケースの前にしゃがみこむ白銀の髪の少女の前で香箱を組む。
「あれぇ、ゼロちゃんだー」
「あさひさんなのですー」
猫たちのふんわりやわらかい毛で剥き出しの膝や腕をくすぐられてくすくす笑いながら、あさひはいつの間にかそこに居た、いつの間にか同級生だった
ゼロ・シーアールシー
に手を振る。
「えっ、あれ?」
「あれぇ?」
少女の存在を突然に知覚した大人達が素っ頓狂な声を上げるも、ゼロは陽の色を浴びて銀に煌めく瞳をゆっくりと瞬かせるばかり。
白磁の頬に銀色睫毛の影が落ちる。膝の下までもある緩やかに波打つ銀色の長い髪が純白のワンピースに纏わりつく。
いつの間にかそこに居た純白の少女は、小さく首を傾げて目前の猫を瞳に捉える。桜色に淡く色づいた唇で、
「うみゅー、うにゃー、なのです」
至極大真面目に猫に挨拶する。
「にゃー、うにゅー、なのです」
青空の光を浴びて眩しく白い少女からの丁寧なご挨拶に、香箱を組んでいた猫が重々しく立ち上がる。耳の先から尻尾の先まで、ぐぅっと大きく伸びをする。片方の後ろ足の爪先まで交互に上げて伸ばし、前肢をきちんと揃えてゼロと向き合う。澄んだ青い瞳でゼロを見つめて後、座り込んだゼロの純白のスカートにひょいと肉球の前肢を乗せる。体を伸び上がらせ、ゼロの鼻先に冷たい鼻先をちょんと当てて、ご挨拶。
それを合図にしたかのように、屋根の上から、路地の影から、猫たちが続々とゼロの前に集う。ぴんと立ったご機嫌尻尾の林に囲まれ、ゼロは順繰りに猫たちを撫でる。もふもふのふわふわに囲まれ、ざらりとした桃色の舌で手や頬を舐められ、あまりのふわもこパラダイスにゼロはもっふもふのふわっふわな笑みを浮かべる。
「ぽかぽかお日さまのにおいがするねぇ」
片手に一匹ずつの猫を抱え、あさひも笑う。お日さまのにおいのする猫たちは、みんなみんな、あったかくて気持ちがいい。
「あさひ、なんだかネコさんにモテモテだねぇ」
ふんわり柔らかな猫毛に首や頬をくすぐられて堪らずくすくす声を零すあさひの足元、撫でろ撫でろと猫たちが集まる。
いつもはこんなにくっついてきてはくれない猫たちが懸命にしがみついてくるのは不思議だったけれど、それでもやっぱり嬉しさが勝った。
(かわいいなぁ)
「あんまりいっぺんに来ちゃうとあぶないよー?」
くっつき虫になっちゃった猫たちに揃って膝や腰に縋られ、その重みに小さなあさひは押し倒される。
「ありゃりゃ」
ぺたり、しりもちをついてしまう。
「大丈夫かい?」
自分と同じにすっかりねこだるまになってしまったあさひに、ピーターはちょっと慌てて声を掛ける。小さな友達の姿はすっかり猫たちの中に隠れてしまった。
「だいじょうぶー」
大きな友達に心配されて、あさひはおっとりと笑う。しりもちをついてびっくりはしたけれど、座ってしまえばもう大丈夫。転ぶ心配をせずに猫とくっついていられる。
「この猫たちはあさひ君のことも好きみたいだねえ」
「ピーターおじさんもネコさんにモテモテだねぇ」
猫まみれの少女と小父さんはのどかな笑みを交わす。
「にゃーにゃーうみゅー、なのです」
秋空の下、世にも幸せな居酒屋の店先、純白のワンピースでぺったり座り込み、ゼロはうつらうつらとまどろむ表情で周りの猫に語り掛ける。
「うみゃうみゃみゅー、うにゃー、」
抱き上げた灰白猫の胸毛に顔を埋め、大真面目に世間話をする。
「みみにゃーなのですー、」
人間の言葉に直せばそれは例えば、
『ゼロはちょっぴり前にもこんな風に、ふわもこさんにいっぱいもふもふされたのです』
なのかも知れず、また例えば、
『七兆年ほどうとうとしていた前のことなのです。あれ? それとも七不可説不可説転年くらい前だったのです?』
なのかも知れなかった。
「うみゃみゃうみゃみゃ」
けれど、七兆年前だろうが七不可説不可説転年前だろうが、そんな大して変わりはない。それより何より、
「にゃーにゃーなのですー」
きょとんとする灰白猫のぷにぷにの肉球で頬をぺたぺた触られて、ゼロは今にもことんと寝てしまいそうな幸せな笑顔になる。
何度してももふもふは正義。それだけは絶対に変わらない。
純白ワンピースの膝に黒猫が畏まった顔で近づき、前肢でもにもにとゼロの膝を揉むだけ揉んで顎を乗せる。野良猫の矜持を忘れた穏かな顔でまどろみ、ついでに幼女の膝枕で腹をさらす。
「みゅーみゅーみみにゃー、うにゃみゃーにゅー、なのです」
柔らかな猫の腹を小さな手でそうっと撫でて、ゼロは猫の顔で呟く。
今日はお天気も良くて絶好のふわもこ日和なのです、と。
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月29日
参加申し込みの期限
2015年05月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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