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昼下がりの猫まみれ
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店から出て格子戸を閉めた次の瞬間、店の戸を半ば塞ぐビールケースの上から、ここぞとばかりに猫が飛びついて来た。
「よしよし、さっきは悪かったねぇ」
動じずがっしり、肩と背中で受け止める。叱る代わりに胸に抱きしめる。
みゃう、と足元で聞こえた小さな声に視線落とせば、足首にしがみつく生後数ヶ月ばかりのちびにゃんこ。
小さな両前肢を足首に回し、細い爪さえ立てて必死に縋り付いてくる茶虎の子猫に、満月の大きな瞳がもうどうしようもなく優しく和む。
「はいよ、おいで」
両手に納まるほどに小さな猫をそっと抱き上げる。ふわふわの毛に隠れたあまりに薄い肉にちらりと眉を寄せ、懸命に鳴く鼻先に頬を寄せる。
大きい猫も良い。小さい猫も心臓鷲掴みにされるくらいに可愛い。つまりはどちらも、
「……はぁ、癒されるねぇ」
(役得役得)
ここに来てから何度目とも知れぬ吐息を零す。
「にゃにゃー、にゃんにゃーなのです」
「おっと」
焼き鳥やビールの食品サンプルの収められた硝子ケースの傍から聞こえた少女のあどけない声に、満月は丸くした目を向ける。店に入る前から居たのか、それともその後に現れてそこに座ったのか、土埃ひとつついていない純白のワンピースを纏った長い銀髪の少女がひとり、猫たちを相手に至極真面目に話しかけている。
「にゃー、なのです」
「……にゃー、さね」
あまりに当たり前のように猫と話す純白の少女の様子につられ、満月も思わず抱き上げた猫に話しかける。返事のかわりにざらざらの舌で頬を舐められ、堪らず笑う。
視界を広げれば、店先には先程よりも人が増えている。
猫にまみれすぎて最早猫だるまな女子高生や女子小学生、小学生の友人らしい壮年男性、猫だらけの店先の外れ辺りでうろうろする生真面目そうな女子高生、路地の向こう側から落ち葉の詰まったビニール袋とデジカメを片手ずつにのんびりと歩いて来る眼鏡の男子高生、
「っと、危ない!」
男子高生が何気なくカメラを構えた隙を狙い、頭上の特等席獲得のために塀の上で飛び込みの姿勢を取る黒猫の姿に、満月は声を発する。
「……?」
カメラを構えたまま顔を上げる
神代 千早
の視界いっぱい、猫の腹が写る。逆光を受け、身を捻る格好で降って来る猫に向け、咄嗟にシャッターを切る。カメラを守るべく両手を引いて、
「……ぐっ」
猫の腹をどさり、顔で受け止めた。衝撃に変な声が出た。堪らず地面に尻をつく。カメラを守ったために手をつくことも出来ず、仰向けに引っ繰り返る。
視界を塞ぐふわふわの毛に包まれた温かいものの首根っこを片手で無造作に掴んで顔からひっぺがす。歪んだ眼鏡の位置を直しつつ、起き上がって座り込む。
にゃあ。片手で掴んだ黒猫が甘えた声で鳴いた。首根っこを掴まれ宙ぶらりんの格好のまま、何故だかとてもとても嬉しそうにぐるぐる喉を鳴らしている。
あぐらの膝に黒猫を下ろしたところで、黒猫の両の前肢だけが白いことに気付いた。真っ黒の毛皮の中でそこだけ履いた白い靴下に妙に目を惹かれ、何となくデジカメのシャッターを切る。
「大丈夫かい?」
あぐらをかいた足の中でぐるり丸くなり、喉を鳴らす音がぐるぐる、からより激しいぐーぐー、に変わった靴下猫を仕方なく抱え上げたところで、居酒屋の店先でたくさんの猫と戯れる女性から声を掛けられた。
「大丈夫です、ありがとうございます」
襲い掛かる猫に警句を発してくれた女性に向けて軽く会釈し、千早は髪ゴムで簡単にまとめた肩までの黒髪を払う。眼鏡の奥の茶の目を不審げに細める。
最近はまっている紙すきに漉き込むための紅葉を集めるついで、自己表現のための素材集めに心惹かれたものを写真に切り取りつつ散歩していて迷い込んだ路地裏に、猫、猫、猫と、猫と、それから人。
(なんだろうなぁ、……コレ)
赤提灯の掛けられた古びた居酒屋の軒先を中心に、大量の猫たちが集まってきている。猫に引き寄せられるように、何人もの人も集まり、集まった人を猫たちが囲い、集り、凄まじい勢いで懐き倒している。
猫と人の饗宴の輪から少し離れた場所に、ぽつり、栗色の髪の女子高生。数式を計算するような難しい顔で、猫たちの輪から近づいては離れ、離れては近づきしている。
彼女が居酒屋に近づけば猫たちが群がり、遠退けばまるで火に触れたように猫たちが走り去る。店の中に入ろうと格子戸を引いた途端にも、猫たちは今の今まで抱きついていた彼女から離れて逃げた。
(……お店の中でも、お店の外から離れすぎてもダメ……と)
店内で酒を愉しむ紳士と焼き鳥を焼く女将に丁寧に礼をして、
維都月 茉菜
は静かに戸を閉める。
「茉菜ちゃん今日はなのだー」
「今日は、真央ちゃん」
全身を猫に奉げる
後木 真央
に挨拶だけして、茉菜は猫たちが人に懐く不思議現象の範囲の確認を終える。猫まみれで幸せそうな人々の邪魔にならないよう、猫まみれ現象の効果範囲ぎりぎり隅っこの電信柱の影に正座する。
(ここの猫は懐いてくれる……)
本当は真央のように猫たちと戯れてみたかったけれど、茉菜にはその方法が判らない。それに今は、それよりも――
うかうかと寄って来た最初の猫一匹と、茉菜は思いっきり、真直ぐしっかりがっしり、視線を合わせる。
「あのね、うちのノインが私に寄って来なくなっちゃったんだよ……」
俯きがちに猫と向き合い、日本語で訥々と話し始める。
勿論、通じると思ってはいない。いないけれど、それでも折角のこの機会を逃したくはなかった。愛猫と同じ種の生き物に思い切り触れてみたかった。愛猫ではないけれど、懐く様子を間近に見たかった。撫で回して愛で倒したかった。
茉菜の正座の膝に前肢を掛けようとしたまま動きを止め、黒猫は茉菜と合った視線を逸らそうとする。
「やっぱり愛情溢れすぎて、思わずベアハッグ状態にしちゃったのが良くなかったのかな……」
目を逸らそうとする猫の頬を両手で挟み、茉菜はその湖水色の瞳を覗き込む。
「ねぇ、どう思うかな?」
訥々と、鬱々と、語り掛ける。こうやってね、と猫を羽交い絞めにする。キュッと絞めようとする。
「やっぱり、洗う時に洗濯機で洗おうとしたのが良くなかったのかな……」
ふらふらと近寄って来て膝に頭を擦り付ける三毛猫の首根っこを掴んで持ち上げる。
「ねぇ、どう思うかな?」
猫二匹をベアハッグ状態で抱きしめ、真摯極まりない様子で相談する。
「やっぱり、あんまり可愛すぎて禿げそうなほど撫でちゃったのが良くなかったのかな……」
歓声あげて突進してきた猫を両手に掴んだ猫たちで受け止め、今度は三匹の頭をごしごしと撫で始める。
「ねぇ、どう思う?」
にゃあにゃあみゃあみゃあ、猫たちは各々好き勝手に鳴き、茉菜の膝に縋る。背中をよじ登る。頭に陣取る。
「うぅノインどうして懐いてくれないのかなぁ……」
猫が三匹乗っかって猫タワーになった背中を丸め、猫が陣取った頭を俯かせ、それでも気にせず、茉菜は目の前に前肢揃えて座る子猫と対峙する。どこまでも真摯に、どこまでも大真面目に、訥々と、鬱々と、言葉の通じぬ猫に相談を持ちかける。
「お嬢さん」
間近に転がってピンクの腹を見せる子猫が、ふと幼い少年の声で喋った。
思ってもいなかった猫からの返事にぎくり、目を丸める茉菜の背後、くすくすと誰かが笑う。振り返れば、銀の髪した少年。
「ごめん、お姉さんじゃないんだ」
空色の眼を悪戯っぽく細め、
佐藤 プリンス 雄太
は茉菜の隣に膝を曲げてしゃがみこむ。猫に大真面目に話しかける様子を見られ、ぎこちなく笑む茉菜に人懐っこい笑顔を見せる。
「俺、猫と話せるんだよ」
得意げに言う雄太の膝に、数匹の子猫が駆け寄る。小柄な少年の体に懸命によじ登ろうとする一匹を両手で抱え上げ、
「お嬢さん」
屈託のない声で話しかける。
話しかけた子猫から、みゃあ、と返事があれば、雄太のろっこん『猫との会話』は発動する。
「返事したね」
「でしょ!」
黒い瞳を驚きに丸める茶髪のお姉さんに向け、雄太は輝かんばかりの笑顔を返す。
幼い雄太には打算があった。この不思議現象を解決すれば、もしかしたら、
(女の子にもてるんじゃないかな?)
お姉さんにも褒めてもらえるかもしれない。
(褒めてもらえたらうれしいな)
野望を胸に、雄太は抱き上げた子猫に話しかける。
「なんでこんなことをしているの?」
事件解決のためには、まず聞き込み。
「お嬢さんも、良ければ聞かせて?」
膝に前肢を置く別の子猫にも言葉を掛ける。ここにだけ猫たちが集まるには、猫たちなりの何か理由があるはず。その理由のヒントだけでも聞き出せはしないだろうか。
にゃあ、と猫たちが鳴く。
『好き好きだいすきー』
『いいにおいー』
『みんなみんないいにおい、好き好き』
それぞれがそれぞれに、雄太にだけ判る言葉を雄太に届ける。
「いいにおい……?」
『君も!』
『こっちの君も!』
酒に酔ったような上機嫌さで、猫たちが雄太に抱きつく。傍らの茉菜に抱きつく。声を揃えて笑う。
『いいにおいー!』
猫たちの言葉に、雄太は自分の服の袖を匂ってみる。感じるのは、母親が好んで使っている柔軟剤の微かな匂いばかり。けれどこの匂いを猫たちが好むとは思えない。
「いいにおいがするんだって」
どさくさに紛れて隣のお姉さんの栗色の髪に触れる。シャンプーのいい匂いを胸に満たす。でもこの匂いも、猫たちの好みとは思えない。
茉菜の前、子猫がおそろしく愛らしい仕草で欠伸をする。青空色の瞳を瞬かせ、鉤尻尾を一振りして立ち上がる。茉菜の正座の膝に前肢を掛けて伸びをする。
「……っ!」
膝に掛かる可愛い前肢の感触に、意志の強そうな夜色の瞳が歪む。頬にぎゅっと力が篭もる。しばらく堪えに堪えて、結局堪え切れず、タガが外れたように一気に立ち上がる。体に縋り付いていた猫たちを弾き飛ばし、
「全ては! 全てはお父様が悪いんだよ!」
鬱度リミッターの振り切れた茉菜は絶叫する。
「人から洗おうとしたノインを取り上げて! 何よりノインが懐いてる!」
全ての猫が嫌がりそうな、今までの多数悪行素行をかなぐり捨て、地団駄を踏まんばかりに喚き散らす足元、そんなことはいいから構えと猫たちが寄り付く。肉球パンチを浴びせる。全身で跳躍して細い腰にしがみつく。
「納得がいかないよ! あの……っ『ドロボウ猫!!』」
再び猫タワーになりつつも、鬱憤頂点な茉菜は大切な飼い猫の愛を奪った父親を罵り、
「……あ」
傍らに少年が居ることを思い出した。
「ごめんね、驚かせちゃった」
「大丈夫だよ、お姉さん」
雄太は大人びた笑みを浮かべる。かわいいお姉さんのすることなら大抵のことは大丈夫。
「ここから向こうには猫さんいないんだね」
「この辺りが境目みたいだよ」
雄太と一緒に背後を振り返った茉菜が眼にしたのは、路地の向こうから、まるで生き別れの家族とやっと出会ったかのように必死に駆け寄ってくる何匹もの猫。
思わず両手を広げる茉菜の胸に、駆けてきた猫たちが飛び込む。
「楽園……ここは楽園だよっ……!」
しがみついてくる猫たちが愛猫ではない寂しさはあるけれど、ドロボウ猫(父親)に対する不満もあるけれど、今はとにかく猫の楽園を堪能するべく、茉菜は猫たちを力いっぱい抱きしめる。
「どうしてここに来たの?」
『におい! いいにおい!』
店の周辺からわらわらと集まる猫たちはしきりにそう言い、間近な人間に縋りつく。頭や体を擦りつけ、
『好き好きだいすきー!』
そればかりを繰り返す。
(この店の前にいるからこそ問題が起きるんだ)
この店の前にだけ、猫を惹き付ける匂いが漂っているのだろう。
この店の前にいる人間にだけ、猫を惹き付ける匂いが纏わりつくのだろう。
試しに猫を一匹抱きかかえ、お姉さんの言っていた『境目』から外に出る。途端、
『離して!』
今の今まで喉を鳴らして甘えて居た猫が腕の中で身を捩った。スルリと雄太の腕から脱け出し、
『馴れ馴れしくしないでよね! なんなのもう!』
鋭く吐き捨てて塀の上に飛び乗る。怒り心頭の雰囲気で塀の上を駆け去りかけて、ふと足を止める。鼻先を空へと向ける。
『でも、いいにおい』
細い塀の上でくるり、体の向きを変える。
『君、いいにおいねえ!』
ごろごろにゃーん、もう一度歓声を上げて雄太の胸に飛び込む。
胸や首にふわふわの毛の頭をこすり付けられ、雄太は空色の瞳を考え深げに細める。少なくとも、猫たちは無理矢理こんな真似をさせられているわけではなさそうだ。
(だって猫さん達がかわいいのは、自然にふるまっているからだし)
甘えてじゃれつく猫のしなやかな背中を撫でて、雄太は路地裏の店の前にだけ集まってはしゃぐたくさんの猫たちを見やる。
もしも強制的にさせられているのなら、可哀想過ぎるから、
(猫さん達と話して、事態を解決するために頑張るつもりだったけど)
『でもね、におい、ちょっとずつ少なくなってきてるのよ』
雄太の細い顎に冷たい鼻先をくっつけ、猫が秘密を囁くように教えてくれる。
「じゃあ、もうすぐみんな居なくなっちゃうのかな?」
『かもね』
楽しそうに笑う猫を雄太は抱きしめる。抱きしめさせてもらう。店の周りに不思議な力で満ちた、猫たちにしか分からない、猫たちのためだけの『いいにおい』がなくなるまで、猫たちが『いいにおい』の夢から覚めるまで、せめてのんびり一緒に過ごそう。
「にゃーんにゃにゃー、にゃんにゃーにゃーなのです」
腕に猫、膝に猫、背中にも猫をくっつけた雄太が次に見つけたのは、自分と同じように猫と話す銀髪の少女。さっき周囲を見渡したときには見なかったような気もするけれど、あんな可愛い女の子を見逃したとも思えない。
「猫さんに何て言ったの?」
「ゼロは『最近恋猫ができたのです? りあじゅうさんなのです』と言ったのです」
ビールケースや硝子ショーケースがごちゃごちゃと並ぶ店先、輝くような純白のワンピースを纏ってしゃがみこんだ銀髪の少女は冗談を言っているようには見えない面持ちで頷く。銀色の長い睫毛が影を落とす瞳は、灰色のように見えて、太陽の光を受ければ銀色にも見えた。
ゼロ・シーアールシー
は銀色の瞳に雄太を映す。
「猫さんの言葉が分かるの?」
「それはひみつなのです」
銀の瞳を瞬かせ、夢見るように微笑むゼロに、これがミステリアスというものかと雄太は目を瞠る。外見年齢七歳の少年と八歳の少女は顔を見合わせ揃って首を傾げる。
そんなことはいいから構えと猫たちがにゃあにゃあみゃうみゃう、二人を囲んで鳴き立てる。
「……」
靴下猫を抱きかかえて立ち尽くした格好のまま、
神代 千早
は首を傾げる。観察すればするほど、目の前で繰り広げられる猫と人の景色が不思議でならず、ことり、今度は反対側に首を傾げる。
靴下猫がにゃあと鳴く。腕にかかる重さに疲れ、膝を屈めてそっと地面に猫を降ろせば、しゃがみこんだ背中にここぞとばかりに猫たちが登ってきた。
「っと」
背中に掛かる何匹分もの猫の重さに思わず地面に膝と手をつく。
「キャットタワーじゃないんだけど……」
ぼやいて視線を上げる。その眼鏡の視界いっぱいに、猫。猫にたかられ、自分と同じようにキャットタワー状態となった、人。
(やはりろっこんの影響なんだろうか?)
背中や肩にぶら下がる猫たちを振り解くに解けず、地面に尻をつく。小さく息を吐いて、鼻をずり落ちる眼鏡を押し上げて、先ほど地面に降ろした靴下猫の白靴下を履いた前肢が眼に入った。
キャットタワー千早の前にちょこんと前肢を揃えて座る靴下猫に、何となく手を伸ばす。普段道端の猫を構う時のように顎の下を指先で弄る。ぐう、と気持ちよさそうな鳴き声を耳に暫くそうしていて、
(……そうだ)
ふと思いついて、猫を構いつつもしっかりと手に掴んでいたビニール袋から紅茶色に色づいた紅葉を一枚取り出す。思いついたまま、紅葉を一枚、白い靴下を履いた黒猫の頭に乗せてみる。
黒猫の金色の瞳がきょろり、好奇心に輝いた。
そんな気がして、千早は口元を静かに笑ませる。首から提げたカメラを構え、紅葉を三角耳の頭に乗せた靴下猫の写真を一枚、パシャリ。
千早がシャッターを切り終えるのを待っていたかのように、猫は靴下の前肢で頭の紅葉を払う。ひらひらと舞い落ちる紅葉を両の前肢ではっしと掴み、地面に腹這う。かと思えば全身で後へと跳ね、風に揺れる紅葉に肉球パンチを食らわせにかかる。
「あげるよ」
紅葉と戯れる靴下猫を視界の端に、デジカメを操作し、撮影したデータを呼び出す。
紅葉を王冠のように被って笑う靴下猫の一枚に続いて、出会いがしらの靴下猫落下シーン。青空を背負い、太陽の光を集めて落ちてくる黒猫の姿が、まるで自在に空を飛んでいるかのようにも見えた。
思いがけない構図と効果で撮れた猫写真に、瞳が和む。
「……たまには、こんな猫まみれの昼さがりもいいか」
にゃあん。応じるように靴下猫が鳴く。
背中と肩に猫をくっつけ、店先にいくつも出来たキャットタワーや猫だるまの真中に陣取った
宇佐見 満月
がニカリ、悪戯っぽい笑みを千早に向ける。
「たまにゃぁネコまみれも良いもんさね」
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月29日
参加申し込みの期限
2015年05月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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