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昼下がりの猫まみれ
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「……ふぅ、えらい目にあったさね」
呟いて、そういえばと気付く。中に入ると猫は大人しく店外へと引く。不思議なもんだねと大きな眼を瞬いて、
「こんにちはぁ、回覧板さね」
カウンター内の女将に向け、旧市街商店街でお好み焼き屋『うさぎ屋』を営む満月はよく通る明るい声を張る。
「はーい、いつもありがとうねぇ」
「すまないねぇ、お客さんもいるのに」
カウンターの端の席に着く楕円眼鏡の壮年の客を目に留め、満月は根っから明るい笑顔を見せた。
「どうも」
「はいよ、今日は。外はえらい騒ぎだねぇ」
「はぁ、いったい何なのでしょう」
温和な笑みを見せる壮年の客の前、女将が置いたお絞りとお通しの小鉢を何気なく見て、
「ん?」
満月は首を傾げる。
「女将さん、お客さんはお一人じゃないのかい?」
「え? あらやだ、ごめんなさいね」
二人分のお冷を並べようとしていた手を止め、女将も首を傾げる。
「いえ、構いませんよ」
若干戸惑いながら、
久須部 紀伸
は鷹揚に微笑む。最初は手違いかとも思ったが、
(いや、もしかしたら)
ふと。隣の席に誰かが本当に居るような気がした。店先で集って来る猫たちから助けてくれた、見えない誰か。
「すみません、冷と焼き鳥と、……それから、つくねをお願いします」
いつもはあまり注文しないつくねを頼み、女将がうっかり空の席に置いたお絞りと小鉢を眺める。
「ごめんね、良かったらこっちのも召し上がってね」
「ありがとうございます」
見えない誰かの分のお絞りとお冷を下げ、女将がカウンター奥に引っ込む。
「満月ちゃん、今日の回覧板は何かしら」
「町内会秋祭りの出店に関する注意書きなんさね」
ここに置いとくよ、とカウンターの端に回覧板を立てかける。『ハナ』とは昔からのご近所づきあい、勝手はよく知っている。
「例によって例のごとく、消防署からの注意事項も入ってるヤツなんだわ」
「あらあら、毎年ご苦労さまねぇ」
「後で目を通して欲しいさね」
はいはい、とカウンター奥から女将が出て来る。紀伸の前に冷酒の硝子徳利と猪口を並べ、つくね串と焼き鳥を手に焼き台の前に立つ。
「満月ちゃんは今年はどうするの?」
「あたしゃいつもの通り、御輿担いで大騒ぎする方さぁ」
「満月ちゃんが担ぐと皆張り切るのよねぇ、今年も頑張ってね」
満月の毎年恒例の御輿スタイルを知る女将は華やいだ声をあげる。
換気扇が勢いよく回り始めるも、店内には香ばしく焼けていく肉の匂いが立ち込める。
「あら、でもお店は?」
「店は愚弟と姪っ子に任せるさね」
焼き鳥のにおいに鼻をひくつかせながら、満月は悪びれもなくあっけらかん、女将の心配をけらけら笑い飛ばす。
「二人共もう高校生だっけ、大きくなったわよねぇ」
「そろそろ彼女とか作りゃいいのにねぇ、あの愚弟」
弟を世間話のネタにして、それもやっぱり一緒くたに笑い飛ばし、満月は格子戸の外へと視線を投げる。
焼き鳥の煙につられるのか、店先に集う猫たちの興奮した声がにゃあにゃあみゃあみゃあ、高くなっている。
「ところで、……なんだいあの騒ぎは?」
「さあねぇ、私にも何がなにやら」
焼き台の前で女将が首を傾げて返事をするや否や、満月は躊躇いなく格子戸を引き開ける。ひょいと手を伸ばし、店先の店員のごつい肩を掴んで素早く店内に引き摺り込む。
「ああっ、猫がっ」
「猫が、じゃないさね、全く」
半身が店内に入った途端、集っていた猫たちに脱兎の勢いで逃げ去られ、未練がましく追おうとした店員は満月に背中をはたかれた。
「すんません満月さん」
満月のやんちゃだった過去を知る店員はその場にでかい体で正座する。
「で、何事だい?」
「それが僕にも何がなにやら。気付けば店先だけが猫まみれで」
「はぁ、……何だか近頃は、珍妙な事件が増えてきたようさねぇ」
満月は溜息を吐く。
寝子島、というだけあって、この島には猫が多い。その島の商店街で商売をしていて、多少の猫に驚きはしないけれど、
「……こりゃあ多すぎないかい?」
猫の毛まみれの店員を腕組して見下ろす。
「誰かがマタタビぶちまけた、」
猫に睨まれた鼠状態の店員は必死の形相で首を横に振る。
「……訳でもなさそうだねぇ」
店員を無罪放免、外に放り出して、満月は頬を引っ掻く。
「はい、お待たせしました」
「ありがとうございます」
満月と店員のやり取りを眺めながら酒を舐めていた紀伸の前、焼き立ての鳥とつくねが届いた。女将に会釈して、紀伸はつくねの皿をそっと隣の席に置く。
「どうぞ」
小さく、囁く。
(さきほどは貴方が助けてくれたのでしょう)
眼鏡の奥の瞳を淡く和ませる。
(そのお礼です)
心に呟いて、思わず笑み零れた唇に猪口を当てて誤魔化す。
(……なんて。流石にオカルト脳すぎますかねぇ)
元々の目的だった酒と焼き鳥をじっくり堪能しながら、傍らの誰かから視線を逸らす。きっと通りすがりに助けてくれたのだろう見えない誰か、こちらがじっと見つめていては食べられるものも食べられまい。
幽霊少女を呼び出したのが己のろっこんだとは気付きもせず、紀伸は焼き鳥を口にする。つくねは後で頂こう。
(残っていればね)
「夕飯のおかずに二パック、お願いね」
至極旨そうに焼き鳥を齧る紀伸を視界の端に、満月はカウンターに身を乗り出すようにして女将に焼き鳥を頼む。
「後で取りに来るさね」
「ありがとうねぇ」
「じゃ、ごゆっくり」
手酌のお客にも愛想よく手を振り、格子戸に手を掛ける。曇り硝子の向こうにうっすら透ける無数の猫を眺め、
「ま、まあ、さっきネコの毛付いちまったしね」
言い訳じみてぽつり、呟く。
(腹を減らした寝子高生が店に来る前に、帰って着替えりゃ良いんだしね……)
「これは、必要悪さね、必要悪……」
お題目を唱えるかのようにブツクサ言う満月の背に、女将がトドメを刺す。
「満月ちゃん、実は猫大好きだものねぇ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月29日
参加申し込みの期限
2015年05月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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