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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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さぁ、メンタルトレーニング合宿だ！ in 錬心寺
そしてもう１人。拓郎の左隣にいた志田 朝陽もまた眠気をがんばって堪えていた。
「あぁ、座禅を組んで、目を閉じて精神統一すればいいのか……」
集中力を上げる事だと意識した彼は「上等だぜ！ やってやる！」と意気込んで赴いた。無心になる事に関してはらっかみおろし第一区間でも体験している。
――そう思っていた時期が、彼にもあった。
だが、現実は甘くない。現に彼はうとうとしていた。勿論警策でスパーンッ、と叩かれる。合掌し、礼を述べて一礼の後、朝陽はコレではいけない、と気合を入れなおした。ところが時間帯はちょうど小腹がすく時間である。脳裏に浮かんだのは美味しそうな料理の数々だ。
（麦飯、ミートスパゲティ、冷やし中華に南蛮漬け……ガーリックトースト、トムヤムクン、カツサンドに生姜焼き……）
次から次に出てくる料理の数々に思わずよだれが出てしまう。
（あぁ、もう食べられねぇよ……）
気付いたとき、静天が近づいていた。慌てて我に返った朝陽は目を覚まし、どうにか打たれずに済んだようだ。しかし、線香が燃え尽きるまでに何度かこういった事をやったようだ。
少し離れた所では、勇生が緊張していた。素顔を晒しているというだけでどきどきしてしまい、徐々に姿勢が悪くなってしまう。肩をぽんぽん、と叩かれて気付き、再び子切れよい音がする。礼を述べて合掌し、頭を下げながら「このままではいけない。心を静めなくては」と自分を引き締める。ちょっと怖いかもしれない自分の顔。でもそれは……。
（なんでもないんだ）
呼吸を整えて、再び心の中で呟く。
（僕の顔なんて誰も気にしない。そう、なんでもないんだ……）
勇生は心から背筋を正し、己と向き合いながらも自然に溶け込む努力を始めた。
同じように緊張していた十文字 若菜も落ち着こうとおもっても落ち着けず、肩を叩かれてしまう。
「痛っ？！ ……ありがとう、ございます」
思わず呻いてから合掌し、一礼。これで若菜は少し落ち着くことが出来た。最初のうちは「これが噂の……！」と妙にテンションが高まってしまっていたようだ。
（し、集中しろってことだよね？ うん、雑念は今はいらないよね）
１つ、深呼吸。身体の力を抜き、姿勢を正して座禅に挑む。心の中がなかなかからっぽにならなかったけれど、少しずつではあるが呼吸が整ってきた。
（考える事も悩みもたくさんある。でも今は、それは考えない）
ただ無心に、心穏やかに静かに、集中して挑む若菜であった。
勇生の右隣では、少年剣士とも言える御剣 刀が静かに座禅を組んでいた。彼は己の中に埋没し集中する事で己を制御しようとしていた。
（抑えるだけじゃ駄目だ。時には爆発させて、己の力として使えるようにならないと……）
目指すは全てを制御し、己の力に変える極限の集中状態である。スポーツなどでも特定の集中状態に入る事で非常に動きが良くなる、という話を刀は聞いていた。
（あの状態に任意で入れるようになりたいな）
刀は、『揺らがない心』という物はあらゆる場面で努力してきた結果を出すために必要な物、と捉えている。彼は特に剣術に力を入れており、些細なミスが死を招くという想定で普段から鍛錬をしている。そして、そのミスを犯さないためにどう動くか、普段から考え実践しているのだが、完璧には難しいらしい。
警策で肩を叩かれ、合掌して一礼すると、刀は再び姿勢を正して呼吸を整えた。
と、ここで思い出していただきたい。プリティヴィはインド人であり、なんでも座禅は得意のようだった。そして彼女は、『偉い人は人々の期待に応えるべきだ』と親から教えられ、それがどうしてそうなったかは解らないが、『日本人のインド人に対する期待』にこたえようとする傾向にある。故に立ち居地は常に右だったりする。
（やはり、寺院には静寂が似合う）
なんて思いながらうっかりヨガの難しいポーズをとってしまうプリティヴィ。しかも自然に、である。それを見ていた静天は暫くの間うんうんと肯いていたがにっこり笑って警策を握り締めた。
（身体が柔らかいですねぇ。しかもバランスも良いんですけど座禅中ですよ）
――スパーンッ！
小声で「ヨガでいうスカーサナでお願いします」と突っ込みを喰らったプリティヴィだった。
※スカーナサ：サンスクリット名。日本語で「安楽座のポーズ」であり、胡坐をかいた状態。
「あぁ、座禅を組んで、目を閉じて精神統一すればいいのか……」
集中力を上げる事だと意識した彼は「上等だぜ！ やってやる！」と意気込んで赴いた。無心になる事に関してはらっかみおろし第一区間でも体験している。
――そう思っていた時期が、彼にもあった。
だが、現実は甘くない。現に彼はうとうとしていた。勿論警策でスパーンッ、と叩かれる。合掌し、礼を述べて一礼の後、朝陽はコレではいけない、と気合を入れなおした。ところが時間帯はちょうど小腹がすく時間である。脳裏に浮かんだのは美味しそうな料理の数々だ。
（麦飯、ミートスパゲティ、冷やし中華に南蛮漬け……ガーリックトースト、トムヤムクン、カツサンドに生姜焼き……）
次から次に出てくる料理の数々に思わずよだれが出てしまう。
（あぁ、もう食べられねぇよ……）
気付いたとき、静天が近づいていた。慌てて我に返った朝陽は目を覚まし、どうにか打たれずに済んだようだ。しかし、線香が燃え尽きるまでに何度かこういった事をやったようだ。
少し離れた所では、勇生が緊張していた。素顔を晒しているというだけでどきどきしてしまい、徐々に姿勢が悪くなってしまう。肩をぽんぽん、と叩かれて気付き、再び子切れよい音がする。礼を述べて合掌し、頭を下げながら「このままではいけない。心を静めなくては」と自分を引き締める。ちょっと怖いかもしれない自分の顔。でもそれは……。
（なんでもないんだ）
呼吸を整えて、再び心の中で呟く。
（僕の顔なんて誰も気にしない。そう、なんでもないんだ……）
勇生は心から背筋を正し、己と向き合いながらも自然に溶け込む努力を始めた。
同じように緊張していた十文字 若菜も落ち着こうとおもっても落ち着けず、肩を叩かれてしまう。
「痛っ？！ ……ありがとう、ございます」
思わず呻いてから合掌し、一礼。これで若菜は少し落ち着くことが出来た。最初のうちは「これが噂の……！」と妙にテンションが高まってしまっていたようだ。
（し、集中しろってことだよね？ うん、雑念は今はいらないよね）
１つ、深呼吸。身体の力を抜き、姿勢を正して座禅に挑む。心の中がなかなかからっぽにならなかったけれど、少しずつではあるが呼吸が整ってきた。
（考える事も悩みもたくさんある。でも今は、それは考えない）
ただ無心に、心穏やかに静かに、集中して挑む若菜であった。
勇生の右隣では、少年剣士とも言える御剣 刀が静かに座禅を組んでいた。彼は己の中に埋没し集中する事で己を制御しようとしていた。
（抑えるだけじゃ駄目だ。時には爆発させて、己の力として使えるようにならないと……）
目指すは全てを制御し、己の力に変える極限の集中状態である。スポーツなどでも特定の集中状態に入る事で非常に動きが良くなる、という話を刀は聞いていた。
（あの状態に任意で入れるようになりたいな）
刀は、『揺らがない心』という物はあらゆる場面で努力してきた結果を出すために必要な物、と捉えている。彼は特に剣術に力を入れており、些細なミスが死を招くという想定で普段から鍛錬をしている。そして、そのミスを犯さないためにどう動くか、普段から考え実践しているのだが、完璧には難しいらしい。
警策で肩を叩かれ、合掌して一礼すると、刀は再び姿勢を正して呼吸を整えた。
と、ここで思い出していただきたい。プリティヴィはインド人であり、なんでも座禅は得意のようだった。そして彼女は、『偉い人は人々の期待に応えるべきだ』と親から教えられ、それがどうしてそうなったかは解らないが、『日本人のインド人に対する期待』にこたえようとする傾向にある。故に立ち居地は常に右だったりする。
（やはり、寺院には静寂が似合う）
なんて思いながらうっかりヨガの難しいポーズをとってしまうプリティヴィ。しかも自然に、である。それを見ていた静天は暫くの間うんうんと肯いていたがにっこり笑って警策を握り締めた。
（身体が柔らかいですねぇ。しかもバランスも良いんですけど座禅中ですよ）
――スパーンッ！
小声で「ヨガでいうスカーサナでお願いします」と突っ込みを喰らったプリティヴィだった。
※スカーナサ：サンスクリット名。日本語で「安楽座のポーズ」であり、胡坐をかいた状態。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年04月08日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年04月15日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年04月15日 11時00分
