さぁ、メンタルトレーニング合宿だ！　in　錬心寺｜リアクション

さぁ、メンタルトレーニング合宿だ！　in　錬心寺

「終わった人はこっちや、こっち」
　汗を拭っていると牛瀬巧が手を振って呼んでいた。風当たりのいい廊下では、既に終わった者やまゆがスポーツドリンクを飲んで身体を休めている。そこへ向かうと、中野空也からふわふわのタオルを渡された。
「はい、お疲れ様です。これで修業体験はすべて終了ですね。２日間を通していかがでしたか？」
　お礼を言ってタオルを受け取りつつ、碧南は清々しい笑顔でこう言った。
「なんだか、すっきり出来た気がします！」
　何気なく近くに居た修とそれとなく護摩焚きの感想を話し、何を願ったのかという話にいたる。
「私は熱くて、実は何も考えてなかったんだよね……。八神君は？」
「俺？　無病息災、かな」
「へぇ、勉強の事とか恋愛の事とかって人は多そうだとは思ったけど意外かも」
　碧南のそんな言葉に、修は不思議そうな顔になる。しばし考え、彼は笑ってこう言った。
「学業は、自分の努力次第でどうにかなるだろうし。恋愛は……それこそ、神様に頼っちゃダメなんじゃないかな？」
「そういうものかな？」
　修の言葉に、碧南が首をかしげる。
「俺にとって、『神』は人の力だけではどうにもならない分野の担当なんだ」
　修はそういいながら遠い空を見上げ、内心でぽつり、と呟いた。
（本当には信じて居ない。けど、超常の存在は有ってもいいとは思うんだ）
　暫く遠くを見ていた２人だが、集合がかかる。２人は肯き合うと仲間の下に向かった。

　そんなこんなで、一泊二日の修業体験は幕を閉じる。生徒たちはお礼をいい、皆バスが迎えに来ている場所まで歩いて向かう事になった。
　清清しい空気の中、桃川圭花はどこかすっきりとした顔で道を歩く。
（座禅して、説法を聞いて、写経して、護摩を焚いて……。色々やったけれども、結局、踏ん切りつかなかった。でもそれって）
　口元に不敵な笑みが浮かぶ。

　――私にとって、とても大切な想い。
　　　ちょっとやそっとじゃ手放したくない想いって事よね？

「じゃ、いっか。……それで」
　背筋が伸び、風を切る。ふわりと靡く髪もそのままに、顔を上げる。颯爽と行く圭花に笑いかける者がいた。いつのまにか傍らに来ていた八十八旗信彦である。彼は赤い薔薇を取り出し、にっこりと笑いかけた。
「やっと笑ったね。ふふ、ケイカちゃんにはその笑顔が一番さ」
　そういって耳元で「ふっきれたの？」と問えば圭花は苦笑する。そして、彼にだけそっと『得た答え』を教えるのだった。
「そういう八十八旗君はどうなの？」
「俺？　うん……覚悟できた、かな」
　恋に悩み、立ち向かう。そんな生徒たちの背中を見つめ、巧は微笑ましいとった表情を浮かべる。傍らの空也は普段どおりの穏やかな笑顔で小さく肯いた。
「さぁ、いくわよっ！　今後もたまーに座禅とかしてみようかしらね」
　まゆの言葉に生徒たちは肯くやら苦笑するやらで答え、足を痺れさせた数名は修行１日目の惨事を思い出して顔を赤くするのであった。

（終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

菊華です。
みなさん、面白いアクションありがとうございました。
お陰でこのようになりました。

みんながんばりましたねっ！
住職さんも皆さんのがんばりを暖かい眼差しで見守っておりました。

という事で

称号：メンタル強化合宿修了者

こちらを皆さんに送らせていただきます！
その他、称号を送っている方も居ますのでよろしくお願いします。

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今後も錬心寺シナリオはやろうと考えております。
何が起こるかはお楽しみに？

それでは、また縁がありましたらよろしくお願いします。

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