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寝子島高校
笑顔になるまで
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夜露に濡れた海の砂を素足に踏む。
夜明けが近い、だからこそ一番暗い空には満天の星。星月を映して、静かにたゆたう凪の海。
背後に広がる防風林の木々のにおいと、目前に広がる海のにおいを胸に満たす。身体に新しい朝の風を通す。
遥かに遠い水平線を深い海の色した瞳に捉え、
黒依 アリーセ
は右耳の横に結うた黒髪を凛と伸ばした背中に流す。震える黒い睫毛を伏せる。胸に手を当て、心の奥に声を探す。
いつか見た、血色の夢を思い出す。物心ついた頃には傍らに居て、今も一緒に居るはずだった親友を想う。
深く深く、心の深海に沈んでしまったあの日の約束を改めて掬い上げるため、両手に包んで胸に抱くため、あの日に至るまで深く沈みこんだ闇の海ごと、心に蘇らせる。
「都内の美術科がある学校へ行くの」
綺麗な夕日が沈んで行く島が見える公園のベンチで、前触れもなく彼女からそう告げられた。
人見知りだったアリーセの手を引くようにして、色々な世界を見せてくれた彼女。
怖がりで引っ込み思案だったアリーセの傍らに寄り添って立ってくれた。時には背中を押してくれた。
目を背けず真直ぐに前を見据えることを教えてくれた。
立ち向かう事を教えてくれた。
彼女に貰ったものは数え切れなくて、けれど、
(私はどれだけ彼女に何かを返す事が出来たのだろう)
その時はそう思った。きっと少しも返せていないのだろうと。だから彼女は私から離れて行くのだろうと。
彼女と離れる事なんて想像もしていなかった。
ずっと一緒だと信じていた。当然のように同じ高校に通うつもりでいた。
「どうして」
最初は声にもならなかった。だって初夏のにおいのする夕日のベンチで、同じ高校に行く話をしていたのに。
――絵も歌も、教えてもらえる学校が寝子島にあるね
――電車で通えるね
そう言い合って、茜色の夕日の下、顔を見合わせて笑ったのに。
綺麗な夕日が沈んでいくあの島に、二人で通えると思っていた。
そう思い込んでいたのは自分だけだったのだと知らされて、
「どうして?」
消え入りそうな声で問うしか出来なかった。それなのにどうして、
「歌ではアリーセに、敵わないから」
(どうして笑顔で、答えるの?)
奈落に突き落とされる思いが、した。
彼女と別れたその日の夜から、経験したことのない不安に襲われた。
不安に押し包まれるまま、光求めて伸ばす自分の手さえ見えぬ闇の中をただただ沈んで行く、そんな夢を一晩のうちに繰り返し見た。
滑る闇を指先にどれだけ掻いても、力の限り手を伸ばしても、身体はただただ沈む。闇に呑まれてしまいそうになって、押し潰されそうになって、声が上がる。目が覚める。
そんな夢を見たと話せば明るく笑い飛ばしてくれる彼女は、けれど別離を告げたその翌日から学校を休んだ。いつもなら何気なく出来るメールも、いくつもの文面を作っては消し、結局は送信出来ずに画面を消した。
怖かった。強く結べていると信じていた彼女との絆が、本当は絶たれていると知ってしまったから。彼女から再び拒絶の言葉を聞くことが何よりも怖かった。
そうなってしまえば、きっともう闇から脱け出せなくなる。
彼女と数日会えない今でさえ、
(今でさえ――)
幾度も幾度も、夢で闇に沈み続けている。
奈落の底の底、声も忘れて光を求め続けて、……闇の底から助け出してくれたのは、その底で見つけた光は、
「アリーセが出す、最初のアルバム。ジャケットは、私の絵を使ってね」
久し振りに学校に来た彼女の笑顔だった。やっぱり彼女だった。
「約束したでしょう?」
不思議そうに瞬く彼女の顔を見つめて、数瞬の間、戸惑う。唇を開いて、けれど言葉は何も発せられなかった。
「いつか一緒にアルバムを出そうって」
彼女の、親友の言葉が胸を満たす闇さえ祓う。
「……覚えて、いたの?」
確か小学生の時に交わした、幼い約束。
涙が、溢れて流れた。
あの時笑顔を覆い尽くして流れた涙の暖かさが、今も胸にある。
あの時、またしても彼女がくれた大切な目標は、今も己の心の芯。
胸を明るく満たす暖かさを抱いて、アリーセは金色に明けてゆく空に向け、その歌声を響かせる。
あの時、闇の果てに光を見つけて手を伸ばした喜びを伸びやかな詩に代えて、彼女は歌う。いつか、親友との約束を果たすために。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月04日
参加申し込みの期限
2015年04月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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