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ぽっかり浮かぶ月見蕎麦なのさ
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「えーと、誰か降ろしてくださーい」
「助けてくらるとうれしいですー」
という
屋敷野 梢
と
綾辻 綾花
の要請に従い、落神神社の屋根から二人が救出されるまでには、さほどの時間はかからなかった。
「……っと、なんでぇ。何だかよくわかんねぇウチに終わっちまったなぁ」
新江 天懸
は呟いた。憑依していた金色の光もいつの間にかいなくなっている。恐らく、寝子島に来ていた金銀の光達はみんな、ミコたちと共に帰っていったのだろう。
とりあえず事の顛末を見届けた
桜庭 円
は飼い猫のにゃーくんを抱き上げ、その場を後にした。
「うん。みんな無事でよかった。あの光も害のある存在じゃなかったみたいだし……帰って、教えてあげよう」
懐から携帯電話を取り出し、メールを打つ。幾度かこの事件に共に関わった友達は、まだ起きているだろう。
「よぅ坊主、来てたのか」
現場に遅れて駆けつけた天利 二十が天懸に話しかける。
「来てたのかはねぇだろ。さっきからいたぜ」
「っと、そりゃ失礼」
軽く肩をすくめる天利に、天懸は軽く手帳の端に走り書きしたメモを手渡した。
「? なんだこりゃ?」
「あぁ、何だか街中走りまわされたんでな。猫とか隠れやすそうな場所、メモっといたぜ。どうせ猫探しぐれぇしか仕事ねぇんだろ?」
「大きなお世話だ……しかしアレだな、坊主」
意外に素直にそのメモを受け取った天利。天懸は接ぐ言葉を待った。
「なんつーか、意外と面倒見がいいな……ぶっきらぼうに見えるがアレか。身内にはやさしいタイプか」
「……いや、そういうワケじゃねぇし。そもそもアンタ身内じゃねぇし」
「しかもツンデレか」
「うるせぇ! いらねぇなら返せよ!」
「いや、いる」
軽口を叩きながらも、天利はメモを懐に仕舞ってしまった。
「ちっ、じゃあな!」
くるりと背中を向けた天懸に、天利は背中から声をかける。
「なぁ坊主」
「何だよ!」
「助かるよ、サンキューな」
「……ち」
☆
「まぁ何となくわかったような気もしましたが、具体的にいうと、どういうことだったんですかねー?」
屋敷野 梢
は蕎麦屋の椅子に腰掛けた天利に疑問をぶつけた。
「いや、俺にもわからねぇよ。俺は俺の仕事をしただけ……と言いたいところだが、今回はそうも言えねぇかな」
「ふーん、そうなんですかー。まぁ私も今回はそれほど貢献できませんでしたしー。今度奢ってもらうことにしましょう」
場所は『蕎麦屋すすきの』。一通り事件が終わった後、数人が移動して蕎麦を食べに来たのだ。
天利の視線の先には
綾辻 綾花
と
結緑 一色
がいる。綾花に仕事の依頼を受けた天利だったが、依頼人ではない
エリーゼ・ハルトマン
を助けたり、そのために綾花とはぐれたりしていた。十分に仕事を果たしたとは言いがたい。
「でも天利さん、そんな気にしないでいいんですよ? はっきりとした事件性のある出来事ではありませんでしたし……、ミコが満足して帰ってくれたのなら、私は満足です」
綾花が仕事の報酬として天利に蕎麦を提供しようとしたのだが、天利はそれを頑なに断っていた。
「そうだぜアマリのおじさん。普段ロクなもの食ってないんだろ? どうせなら貰っときなよ」
一色も綾花に言葉を添えるが、天利はあくまで拒否の姿勢だ。
「うるせぇ。損得の問題じゃねぇのだ、放っといてくれ」
その天利の横で、当のエリーゼはちょこんと座って注文した蕎麦をすすっている。
「……すみませんおじ様、私のせいで」
言葉とは裏腹に、エリーゼの表情は明るい。
「……すまなそうな表情じゃねぇな」
天利の茶々も気にすることなく、エリーゼは微笑んだ。
「えへへ……だっておじ様が、エリーって呼んでくださったんですもの。これで晴れて助手として認められたということですわね!」
「いや勝手に決めんな。それとこれとは話が別だ……嬢ちゃん」
「えーーーっ!? また戻ってしまいましたわーーーっ!?」
エリーゼと天利のやりとりは際限なく続いていく。
「やぁ、奇遇だね」
御剣 刀
は蕎麦屋に入ってきた
逆巻 天野
に声をかけた。
「ん。まぁ、奇遇というわけではないんだけどね」
天野は刀に導かれるままに、蕎麦屋の奥へと通る。席には
新井 すばる
や
如月 庚
、
八神 修
と
深縹 露草
もいた。知っている顔もあれば知らない顔もある、天野はとりあえず話しかけてきた刀に応対した。
「何だか世間が騒がしかったみたいだからね、少し様子を見に来たんだ。色々あったみたいじゃないか?」
懐に入れた二十日鼠のネズを撫でながら、ちらりと視線を横にずらすと、天利の姿が視界に入る。天利自身も多少騒ぎに関わったせいで、刀や庚が今回の事件について何か知っていることや、その関係者がこの蕎麦屋に集まっていることを知っているわけだが、それをあえて言う必要はあるまい。
その視線に気付いた庚が、口を開いた。
「ああ、あの人は天利 二十……旧市街に住む、えーと、私立探偵か。胡散臭い風貌だが、怪しい人じゃない」
「ああ……あの人が、噂の。何だか面白いことを言う人だと聞いている。まぁ、今度ゆっくり茶でも飲んでみたいものだ」
その様子を見て、修が興味深いという顔をした。
「へぇ……?」
「何だい? シュウ」
天野がちょっと噂になった程度の人間に興味を示すのは珍しい。そう言いたげな修に視線を移すと、修は軽く肩をすくめて口の端をあげた。
「いや、別に?」
『蕎麦屋すすきの』の看板娘、
薄野 五月
が蕎麦を載せたお盆を持って、その横をすり抜けて刀と修の眼前に
注文の蕎麦を置く。
「はい、おまちどおさまでした。月見蕎麦と――」
月見蕎麦が刀の前に置かれる。
その後ろから、いつの間にか近くまで来ていた天利の声が響く。
「お、うまそうなモン食ってるな」
その視線は修が注文した蕎麦に注がれていた。月見蕎麦にとろろ昆布を浮かべて、満月にかかる雲を表現する――。
「ふふ、叢雲から見える月、です」
軽く天利と挨拶や自己紹介などを終えて、蕎麦を食べる一同。
「ですが、大きな怪我人や出なかったり大きな混乱が起こらずに、何よりデース」
露草が満足げに蕎麦をすすった。
「そうだね、まぁ完全に謎解きとはいかなかったけど、ね」
と言いながらも、すばるは少しだけ残念そうにしている。やはり無類の推理好きのすばるにしては、自らの推理と行動で事件を解決に導きたかったところもあるだろう。
そんなすばるに軽く提案したのは、月見蕎麦に舌鼓を打つ刀だ。
「いや、俺はこの町のフツウを守れたことで満足だ。真相の推理だったら、これからゆっくりやればいいじゃないか」
しかし、すばるはシニカルな笑顔を浮かべたまま、軽く首を横に振った。
「刀っちはそう言うけどね、解決してしまった事件に興味はないよ」
☆
「毎度ありがとうございましたー」
五月の挨拶を背中で聞きながら、天利は店を後にした。とりあえず真昼の満月は消えて危険は去った。綾花と一色を家まで送らなければならない。特に一色は小学生だ。あまり夜中まで引っ張り回すわけにはいかない。
「なんだか遅くなっちまったな、坊主」
「このくらいぜんぜん平気だよ、つかそんなこと気にすんなよ、アマリのおじさんのくせに」
軽口を叩きながらも、一色の表情はどこか沈みがちだ。
そんな一色の頭を、天利はぽんぽんと撫でる。
「……坊主こそ気にすんな、キネやウスが捕まったことは坊主のせいじゃねぇ。
それに、坊主たちが時間を稼いだから、学生さんはミコを神社まで連れて行けたんだしな。
俺として感謝してるよ。月見蕎麦はずっと昔から、俺の太陽だった。あの真昼の太陽にそれを汚されたような気分だったからな」
その横から、綾花が口を挟んだ。
「変なの。月見蕎麦なのに太陽なんですか?」
軽く笑った綾花の方も見ずに、天利は煙草に火をつける。
「ん? ああ、金がなかった頃は蕎麦といえばかけそばくらいしか食えなくてな。たまに落とした月見が当時の俺にゃあ太陽みたいに眩しく見えたもんさ」
「そういうものですか……?」
そして綾花は一色にも笑顔を向けた。
「そうですよ、私が受けた感じですと、ミコはとても満足して帰って行きました。憑依したみんなにとても感謝していましたよ」
「……」
ただの慰めともとれる二人の言葉を、それでもしっかりと聞き入れながら夜空を見上げる一色。
「んなこと……わかってるよ……ばかぁ……」
夜空には、大きな黄金の月。綾花が言うような感謝の声は聞こえない。けれど。
「また来いよ……今度は、ちゃんと遊びに」
少しだけ、今夜の月は優しい光を放っているように感じた。
☆
「やれやれ、そろそろ帰るか」
庚は他の客があらかた帰ったのを見て、席を立った。勘定を払うと、なんとなく五月と目が合う。
「毎度ありがとうございます……お疲れ様でした」
「……ああ、薄野も」
つり銭を手渡しながら、五月は微笑んだ。
「まぁ、私は何もしてませんけど。本当に、この島は不思議なことが起こりますね」
「まったくだ、おかげで退屈だけはしたことがない」
店の出口に足を向けた庚の背中に、五月の声が届く。
「でも本当に、あの銀色の光達は何をしに来ていたんでしょうね」
その言葉には答えずに、庚は店を後にした。
店を出た連中は賑やかに少し先を歩いている。
耳に残る五月の言葉を反芻すると、自然に視線が満月に向く。
「まぁ……俺たちがこうして月を見上げる気持ちと、案外同じなのかもな……」
誰にともなく呟くと、庚は足早に歩き始める。
頭上の月はいつもより大きく、じっとこの街を見つめている気がした。
眩いほどの、光を放って。
煌々と。
恋う恋うと。
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あとがき
担当マスター:
まるよし
ファンレターはマスターページから!
皆様こんばんは、まるよしです。
この度は、リアクション執筆中に大きく体調を崩してしまいました。
半年以上もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。
体調が回復傾向になり、ようやくリアクションをお返しすることができました。
いろいろ悩みながらの執筆でしたが、本当に実力不足、修行不足を痛感されられました。
今後はより安心して読めるようなストーリーを提供できるように精進いたします。
今回、個人コメントは割愛させていただきます。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありませんでした。
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担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月24日
参加申し込みの期限
2015年03月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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