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【生徒会選挙】歴代生徒会長からの挑戦状～寝子高バザール！
●火曜日、雌雄決する
南校舎、校庭を一望できる生徒玄関前。
いつもは行き過ぎるだけの生徒たちも、この朝ばかりは足を止め、腕時計を確認したり、屋上を走り回る選管たちの影を目で追ったりしている。
人だかりの中には各候補者たちの顔もあった。
それもそのはず、投票翌日の始業前、この場所で選挙の結果が発表されるのだ。
８時１５分。
屋上に一列に並ぶ選管委員たちの影。
白衣を翻して一歩進み出た坂内 梨香がマイクを手にする。校内スピーカーが一斉に唸る。
「みなさんおはよう。選挙管理委員長の坂内です。歴代生徒会長からの挑戦状へのチャレンジおよび選挙を経ていま、新たな四役が決定しました」
梨香は隣にいた倉前 七瀬にマイクを渡す。七瀬は配置についた委員たちと目配せをしあってから一礼。
結果を待つ生徒たちからの熱い拍手におっとり頷くと、七瀬は猫のように目を細めた。
「みなさん大変お待たせしました。まずは会計の発表です」
旅鴉 月詠が手筈通り留め具を外すと、真っ白な垂れ幕が屋上から勢いよく下りる。
会計 ２年４組 早坂 恩
会計 １年４組 エヴァ・ブランシェ
「私……？」
恩は息を呑んだ。心臓が跳ねるのを胸に手を当てて抑える。こんな驚きは身体に悪い。けど、……嬉しい。
遠くで見守る先生方の中に、担任のウォルター先生の金髪を見つけた恩は、彼がどう思っただろうと考えた。
（普通の人生をしっかりと歩みたい……でもそれって平凡って意味じゃないのよねぇ）
生徒会の一員となる。それも恩にとって素敵な青春の一頁となるだろう。
一方のエヴァは平静を装いつつも胸中は熱く、見えないように小さくガッツポーズをした。
「いつか大人になったとき『あの高校は最高だった』って言えるように、楽しくやっていこうじゃない！」
巫部 紫苑が当選した二人に温かい拍手を送る。
「落選しましたか……でも、とても楽しい選挙でしたね。当選した方はおめでとうございます」
いつもに増して寝不足気味な日暮 ねむるは「仕方ないかな」と頭を掻き、選挙戦に出馬したのも日頃の悪戯の一環と豪語してやまない骨削 瓢は「どう転ぼうがただの悪戯さぁ」とチェシャ猫みたいなニヤニヤ笑いを浮かべている。
会計の二人に惜しみない拍手が送られる中、マイクはマリベル・ロイスの手に渡される。
「はいっ、会計さん頑張ってな。では続いて、書記さんの発表や！」
マリベルが片手をあげると、奈良橋 博美が新たな垂れ幕を下ろす。
書記 ２年６組 呉井 陽太
書記 ２年３組 八重崎 五郎八
「お？」
名前を見た陽太は一瞬キョトンとしたが、すぐに微笑み「頑張ります」とお辞儀をした。
八五郎もまた深々と一礼して感謝の意を示した後、傍にいた財前 華蓮をちらりと見遣る。華蓮は熱心に拍手をして「八重崎さんが当選するのは当然ですわ！」と高笑いをしているが、じつのところこのルームメイトの結果のほうが八五郎にとっては気がかりなのだ。
白手袋の鈴野 加代は当選したふたりを生真面目な敬礼で讃え、ウサギの縫いぐるみのもふもふを抱いた飛吹 勘助も素直に拍手で祝福する。邪衣 士は愛用の熊の毛皮を深く被っていて、その真っ黒な瞳はやや残念がっているようにも見えたが、猫鳴館仲間たちに背中を叩かれ健闘を讃えられると、
「まあこれで猫鳴館のほうに集中できる。みんな猫鳴館もよろしくな！ とくに住んでるやつ！」
としっかりアピールする余裕を見せた。
マイクは今度は榛宮 智の手に渡った。気の弱いところがある智は緊張で泣きそうだったが、隣にいた綾辻 綾花に小声で「頑張って」と励まされると、勇気を出して声を張った。
「書記さん、これからよろしくお願いします！ つ、続いては、混戦だった副会長の発表です！」
タイミングよく綾花が新たな垂れ幕を下ろした。
副会長 １年５組 八神 修
副会長 １年１組 屋敷野 梢
「皆、ありがとう。それにエアコンも無事設置されそうでよかった」
エアコンの設置に並みならぬ情熱を注いできた修は、一緒に戦ってくれた陣営のみんなと握手で喜び合う。
そして梢はといえば、
「え、えー！ ウソー、ないですよね！」
と目をまん丸くしていたが、すぐに人垣を割って修が握手を求めてきた。
「これから宜しく」
「は、はい。こちらこそヨロシクですよ」
修の手を握り返すと梢もようやく実感が沸いて来た。
「みなさんにも感謝です！ ありがとうございました！ よろしくお願いしまーす！」
「頑張れ、期待している」
「僕らも困ったことがあればいつでも力になるよ」
紳士な先輩であるシグレ・ナイトウォーカーとロベルト・エメリヤノフが梢に声を掛けてくる。
天満 七星も祝福の拍手。詠坂 紫蓮が落選したことを残念がりつつも、
「まあ、そんな事もあるよね。でもバザー楽しかったでしょ？」
と微笑むと、それを見た八十八旗 信彦はおもむろにレディな紫蓮と七星の手を握った。
「紫蓮ちゃんも七星ちゃんも頑張ったよ！ もちろん俺もね！」
残念だったけど、せめてエレナちゃんが当選できれば！ と信彦は会長の発表に一縷の望みを託す。
マイクは猫島 寝太郎の手に渡っていた。
「静粛に、静粛にー！ いよいよ会長の発表だよぉ！」
南校舎、校庭を一望できる生徒玄関前。
いつもは行き過ぎるだけの生徒たちも、この朝ばかりは足を止め、腕時計を確認したり、屋上を走り回る選管たちの影を目で追ったりしている。
人だかりの中には各候補者たちの顔もあった。
それもそのはず、投票翌日の始業前、この場所で選挙の結果が発表されるのだ。
８時１５分。
屋上に一列に並ぶ選管委員たちの影。
白衣を翻して一歩進み出た坂内 梨香がマイクを手にする。校内スピーカーが一斉に唸る。
「みなさんおはよう。選挙管理委員長の坂内です。歴代生徒会長からの挑戦状へのチャレンジおよび選挙を経ていま、新たな四役が決定しました」
梨香は隣にいた倉前 七瀬にマイクを渡す。七瀬は配置についた委員たちと目配せをしあってから一礼。
結果を待つ生徒たちからの熱い拍手におっとり頷くと、七瀬は猫のように目を細めた。
「みなさん大変お待たせしました。まずは会計の発表です」
旅鴉 月詠が手筈通り留め具を外すと、真っ白な垂れ幕が屋上から勢いよく下りる。
会計 ２年４組 早坂 恩
会計 １年４組 エヴァ・ブランシェ
「私……？」
恩は息を呑んだ。心臓が跳ねるのを胸に手を当てて抑える。こんな驚きは身体に悪い。けど、……嬉しい。
遠くで見守る先生方の中に、担任のウォルター先生の金髪を見つけた恩は、彼がどう思っただろうと考えた。
（普通の人生をしっかりと歩みたい……でもそれって平凡って意味じゃないのよねぇ）
生徒会の一員となる。それも恩にとって素敵な青春の一頁となるだろう。
一方のエヴァは平静を装いつつも胸中は熱く、見えないように小さくガッツポーズをした。
「いつか大人になったとき『あの高校は最高だった』って言えるように、楽しくやっていこうじゃない！」
巫部 紫苑が当選した二人に温かい拍手を送る。
「落選しましたか……でも、とても楽しい選挙でしたね。当選した方はおめでとうございます」
いつもに増して寝不足気味な日暮 ねむるは「仕方ないかな」と頭を掻き、選挙戦に出馬したのも日頃の悪戯の一環と豪語してやまない骨削 瓢は「どう転ぼうがただの悪戯さぁ」とチェシャ猫みたいなニヤニヤ笑いを浮かべている。
会計の二人に惜しみない拍手が送られる中、マイクはマリベル・ロイスの手に渡される。
「はいっ、会計さん頑張ってな。では続いて、書記さんの発表や！」
マリベルが片手をあげると、奈良橋 博美が新たな垂れ幕を下ろす。
書記 ２年６組 呉井 陽太
書記 ２年３組 八重崎 五郎八
「お？」
名前を見た陽太は一瞬キョトンとしたが、すぐに微笑み「頑張ります」とお辞儀をした。
八五郎もまた深々と一礼して感謝の意を示した後、傍にいた財前 華蓮をちらりと見遣る。華蓮は熱心に拍手をして「八重崎さんが当選するのは当然ですわ！」と高笑いをしているが、じつのところこのルームメイトの結果のほうが八五郎にとっては気がかりなのだ。
白手袋の鈴野 加代は当選したふたりを生真面目な敬礼で讃え、ウサギの縫いぐるみのもふもふを抱いた飛吹 勘助も素直に拍手で祝福する。邪衣 士は愛用の熊の毛皮を深く被っていて、その真っ黒な瞳はやや残念がっているようにも見えたが、猫鳴館仲間たちに背中を叩かれ健闘を讃えられると、
「まあこれで猫鳴館のほうに集中できる。みんな猫鳴館もよろしくな！ とくに住んでるやつ！」
としっかりアピールする余裕を見せた。
マイクは今度は榛宮 智の手に渡った。気の弱いところがある智は緊張で泣きそうだったが、隣にいた綾辻 綾花に小声で「頑張って」と励まされると、勇気を出して声を張った。
「書記さん、これからよろしくお願いします！ つ、続いては、混戦だった副会長の発表です！」
タイミングよく綾花が新たな垂れ幕を下ろした。
副会長 １年５組 八神 修
副会長 １年１組 屋敷野 梢
「皆、ありがとう。それにエアコンも無事設置されそうでよかった」
エアコンの設置に並みならぬ情熱を注いできた修は、一緒に戦ってくれた陣営のみんなと握手で喜び合う。
そして梢はといえば、
「え、えー！ ウソー、ないですよね！」
と目をまん丸くしていたが、すぐに人垣を割って修が握手を求めてきた。
「これから宜しく」
「は、はい。こちらこそヨロシクですよ」
修の手を握り返すと梢もようやく実感が沸いて来た。
「みなさんにも感謝です！ ありがとうございました！ よろしくお願いしまーす！」
「頑張れ、期待している」
「僕らも困ったことがあればいつでも力になるよ」
紳士な先輩であるシグレ・ナイトウォーカーとロベルト・エメリヤノフが梢に声を掛けてくる。
天満 七星も祝福の拍手。詠坂 紫蓮が落選したことを残念がりつつも、
「まあ、そんな事もあるよね。でもバザー楽しかったでしょ？」
と微笑むと、それを見た八十八旗 信彦はおもむろにレディな紫蓮と七星の手を握った。
「紫蓮ちゃんも七星ちゃんも頑張ったよ！ もちろん俺もね！」
残念だったけど、せめてエレナちゃんが当選できれば！ と信彦は会長の発表に一縷の望みを託す。
マイクは猫島 寝太郎の手に渡っていた。
「静粛に、静粛にー！ いよいよ会長の発表だよぉ！」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年04月19日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年04月26日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年04月26日 11時00分
