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本日は、海中遊泳日和
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【群れ】
大天使 天吏
にとっては、目覚めたら海の中……なんていうこの現象、それ自体は、さほどの問題ではありません。どうせ神魂か、あるいは誰かのろっこんか何かのせいで、またあのいけすかない猫へ手下のように従う人間たちが、わいわいと騒ぎ立てるだけ。天吏自身にとっては、その程度のものです。
ただ、彼女が心配しているのは、寝子島に暮らす鳥たちのこと。
(……溺れてないかな。魚に食べられたり、してないかな……)
自宅を出て頭上を見上げれば、そこは今や、鳥たちが羽ばたくための空では無く。深く真っ青な、広大な海。島はもちろんのこと、多くの鳥たちが棲んでいるはずの九夜山でさえ、そのふもとあたりまでがとっぷりと海水に浸っているのです。
大型の魚に捕食されたり、あるいは巣に残った卵を狙われる……という可能性だって、十分に考えられました。
「……行かなきゃ」
はっきりと口に出すと、こぽん、と飛び出た泡の塊。天吏はそれを追うようにして、家を飛び出し、泳ぎ始めました。
地上の住処を失った鳥たちはきっと、海面から飛び出した山の上へ追いやられ、嘆いているのでしょう。
目指すは九夜山。天吏には通い慣れた道程を、今日は少しばかり急ぎながら、そして街並みを眼下に見据えながら、飛ぶように泳いで山へと向かいます。
九夜山のふもとをぐるり、広がる白いリングのようなものが、どうやら海鳥か何かの群れであるということを、遠目に眺める
志波 武道
も、気付いていました。
「やー、神秘的ダネェ……」
ぼんやり。ゆったり。あたたかい海水に身を委ねて、山や、真下に横たわる街並みを眺めては、まったりと。
青く静かな海を漂う武道の表情は和やかで、落ち着いて見えました。
ずっとこうして、海中をたゆたっていたい。あたたかくて優しい水に抱かれて、このままずっと。
(そう……このまま、ずっと。何もかも、終わってしまうまで。身を、委ねて……)
思考が暗く深いところにまで、落ち込みそうになった、その瞬間。
「ッ痛ぅ……」
ずきん。左の二の腕へ走る、唐突な鈍い痛み。袖をまくってみれば、腕をぐるりと一周する、赤黒い痣がありました。
先日見た悪夢を境にして浮き出てきた、奇妙な痕。武道が何かしら悩んだり、後悔の念に捉われたりした時、それはずきりと痛み、苛みました。
まるでそれが、背負った罪の証であることを、彼へと突きつけるかのように。
「……っとぉ、ダメダメ! ボーッとしてたら、メッ!」
ぶるぶるぶる、と頭を数回振って、気持ちを切り替えます。一人でこんな風に黙りこくっていると、嫌でも気分が落ち込んで、途端に腕の痣が痛み始めるのです。
「ヨーッシ! いっちょ、山のほうまで登ってみるとスルカナー☆」
気付けば、海面がうっすらと赤く色づいて、どうやらそろそろ日暮れ時のようです。ふと夕陽でも見てみるかと、武道は九夜山へ向かって泳ぎ始めました。
今日は水着こそ着ていないものの、水泳は大の得意である彼のこと。すいすいと華麗な泳ぎは、まるでイルカのよう。
(……ん? あれ……真央ちゃんか?)
遠くを泳ぐ、顔見知りの姿。けれど少しばかり、何だか違って見えたのは……いつも底抜けに明るくて楽しい彼女が、今日はどこか、落ち込んでいるように思えたから。
後木 真央
のこと、もちろんこんな妙な神魂現象に見舞われた日には、はしゃいで楽しんで思い切り遊ぶ! といった感じなのです。
「うわぁ、見るのだがおー極彩色なお魚なのだ熱帯魚なのだ!」
にゃにゃにゃがおー! と召喚した三毛猫を、真央はぼすんと頭の上に乗せて、一緒に遊覧中。
サンゴ礁に息づくカラフルな生き物たち、そんなものを見かけては、
「がおーはドレが食べたいのだ、あっ! あっちの赤いのが美味しそうなのだ、でもこういう魚は味が薄いってどこかで聞いたのだやっぱり観賞用なのだ~?」
海底に佇むサンゴにぺたぺたと触れては、
「これって生息場所が違うと思うのだ、寝子島がサンゴ礁になっちゃうなんてやっぱり神魂なのだビックリすごいのだ~」
なんて、頭の上の三毛猫がおーへ、逐一賑やかに素直な感想を述べておりました。
あちこち見て回り、沈んだ九夜山の側まで、ぷかぷかとやってきたところで。
「あったかくて綺麗で、きっと沖縄とか南国の海ってこんな感じなのだ、気持ち良くて楽しくて……」
そんな真央の言葉に、ふわぁ、とつまらなさそうに、がおーがあくびをしたところで。
いとも簡単に、すとんと。
気持ちが暗い穴の中へと、落ち込みました。
「……誰もいないのだ。がおーと、二人っきりなのだ」
快活で社交性も高いはずの真央が、誰に声をかけるでもなく。自分のろっこんで呼び出した三毛猫とだけ、こんな風にしゃべっているのは、何故だったでしょうか。
いいえ。話しかけても、背中を撫でても首をごろごろしてやっても、三毛猫はちっとも、反応してはくれません。
自分がはしゃいでいるように思い込もうとしながら、その実ちっとも楽しくないことは、真央も分かってはいました。
「……がおーは……」
ぱしゃり。やがて海面へ顔を出した真央は、目の前の空で揺らめく真っ赤な夕陽に、ちょっぴり目を細めて。山の斜面にひとり、ちょこんと座り込みます。
膝の上へ三毛猫を下ろし、じっとして表情の見えない顔を、覗き込んで。
「がおーは……真央ちゃんの、心の中から生まれてきたのだ? だから真央ちゃんが楽しくないと、がおーも楽しくないのだ……?」
真央は、自分でそう名付けた三毛猫が、一体どこからやってくるのかなんて、考えたこともありませんでした。
今日初めて、その考えへと思い至ったのです。三毛猫は、真央自身の内面から生まれてきたものでは無いのだろうか、と。
「だったら……真央ちゃんは、一人なのだ。がおーと一緒でも……真央ちゃんは……ひとり、で……」
ふいに、あまりにも急激に、心を占めていくのは……孤独。
「……ふ、うぇ……」
寂しくて。寂しくて。三毛猫を、ぎゅ、とすがるように抱き締めながら。
「う、う、うぇ……ううう……ふえええぇぇぇえええ」
真央は、泣きました。
ぴょこん。ぴょこん。
どれくらいそうして、一人で泣いていたでしょうか。はっとして顔を上げた真央の目の前に、ぴょこんっと海面から飛び出す、何か。
人の……頭?
ぴょこんっ!
「……武道ちゃん、センパイ? なに、してるのだ?」
「ブドータタキデッス!」
ぴょこん、ぴょこん。ぴょこん! 海面へとぷんと潜っては、あちこちから目まぐるしく飛び出してくるのは、先輩、武道の頭でした。
あっけにとられて、呆然としていた真央でしたけれど……武道はこれが、実に執拗でありまして。彼女が何らかの反応を示すまで、ぴょこ、ぴょこ、ぴょこ!
結局真央は、飛び出してくるたびにくるくると変わる彼の表情が、可笑しくて。
そして、彼の……きっと真央の落ち込む様子を、あるいは泣いているところを、見ていたのでしょう。その優しさが、あたたかくて。
「……ぷッ」
思わず吹き出して、笑ってしまいました。
濡れた目元をこしこしと拭ってから、真央はお尻をずらして彼のために場所を開けてあげながら、
「センパイも、夕陽を見に来たのだ?」
「うんうん、そんなトコ! 真央ちゃん見ッケタしネー、来てミタンダー☆」
ぺたんと隣へ座った、武道がそうであったように……真央もまた、気付きました。
いつかはこんな風になりたいと、真央が憧憬の眼差しを注いでやまない、この先輩が……今は、ほんの少しだけ。沈んで見えることに。
「……センパイ? センパイも、ちょっと、落ち込んで……」
思わず尋ねようとした、その時でした。
「うおー、真央ちゃんあれ! あれ見てアレ!」
必死に手足をかいて、海流に揺れる木々へと分け入り、青く染まった山の斜面へと足を着く頃には、息は切れ、天吏は激しく肩を上下させて。止め処なく口からあふれる泡は、かすかに色褪せた樹の葉の裏側へと留まり。
「っ……」
ぴりりとした痛みに顔をしかめて見下ろせば、飛び出した枝葉に傷付いた太ももに、じんわりと赤いものが滲んでいて。
それでも天吏は、手足を動かすのを止めることは無く。一心に、鳥たちと会うため、彼女は九夜山を登ります。
やがて……そろそろ傾きかけている、赤みがかった日の光をはらむ海面が、徐々に近づいてきたところで。
天吏は頭上に、見つけました。
「…………ああ……」
山裾で輪を成して、海面すれすれの水中を羽ばたきながら、そこに群れる小魚を獲る、彼らを。
無数の鳥たちが、たくましくもこの現象に適応し、生き抜いている……目を見張るような、神秘の光景を。
真央と武道の目の前で。水中から、しゅば! と飛び出してきたのは、鳥!
それも、一羽や二羽ではありません。海の中から一斉に飛び出して、翼を打って羽ばたいて。やがて、飛び立っていくのです……数え切れないほどの、鳥たちが!
彼らの向かう先には、赤く輝きながら水平線へ沈み行く、まぶしい夕陽。
二人は言葉も忘れて、しばしその光景に、見入りました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月24日
参加申し込みの期限
2015年03月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月03日 11時00分
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