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【人と鳥花と】
不思議と穏やかな気分に、
大天使 天吏
は少しばかり、首を傾げます。
いつものように野鳥たちの観察に出かけたら、公園にひしめくように詰め掛けた人々の、ざわめく喧騒。いつもなら、そんなものを見るなり踵を返し、心内で何かしら毒づきながら、早々に立ち去ってしまうところなのですけれど……それでも天吏が足を止めたのは、そこに人間ばかりでなく、色彩豊かな植物たちを見つけたからでした。
(……花、か)
そういったものは、嫌いでは無いのです。
何とはなしに気が向いて、天吏は雑踏の中へと踏み込みます。
公園に立つ木々の枝葉からは、彼女の愛する鳥たちの息吹も感じられます。時折、ぴいと鳴く声が頭上から届けば、人の波にこうして身を浸しているこの違和感も、いくらか薄れるようです。
(あ、この花……)
ふと目に付いたのは、白い花弁に光の微粒子を閉じ込めたような、繊細に輝くダイヤモンドリリー。天吏は以前にもこの花を、どこかで見た覚えがありました。
記憶をたどり、やがて思い出と共に、ある光景を脳裏へと思い浮かべます。
そう。それは、父の顔。
ほのかな香りを確かめようと、鼻を寄せた父の横顔の隣にこの花があったことを、天吏は思い出しました。植物学者である父と一緒に、いつだったか、どこかで一緒に花を見た……そんな、古い記憶を。
少しばかり眺めたら、すぐにも公園を出るつもりでいた天吏でしたけれど。
(……もう少し、眺めていこう……)
父の思い出が、彼女をそんな気分にさせたようでした。
「ジョウビタキさんは、どれが気になりますか? ええ、そうですね。やっぱり、コスモスが目を引きますね……」
色とりどりのコスモスたちを目にして尋ねると、鳥さんは、ぴ! と同意のひと鳴き。
素敵なろっこんを使って、可愛らしい小鳥さんたちと、楽しくおしゃべりをしながら……なんていうのは、
御巫 時子
のとっておき、お気に入りの時の過ごし方です。
白地に菊と蜻蛉柄の着物、黒髪には桃色の花飾りが良く映えます。和装を纏い、鳥たちを伴って園内を歩く時子の姿は、とても絵になっておりました。
つつん、と首筋に触れた小さなくちばしの感触に、
「どうしました、エゾビタキさん……? あら、サンザシですね……」
ちょうど今時期に成熟期を迎える、可愛らしい赤い実をつけた花。まるで日本家屋のような時子の自室の床の間で、落ち着いた色の花器にでも生けたなら、きっと季節の風情をしっとりと感じさせてくれることでしょう。
渡り鳥である二羽の鳥さんたちは、あちこちで色々なものを見てきたという見識の深さを、惜しげもなく披露してくれます。鳥には詳しい時子ですけれど、こと花や木、植物たちについては、彼らのほうがよほど詳しかったりするほどです。
季節にふさわしい花などを店先に見つけるたびに、鳥たちは張り切って、時子へ教えてくれるのでした。
「ふふ……ありがとうございます、可愛い先生さんたち」
鳥さんたちのオススメを参考に、時子は床の間へ飾るサンザシの花と、星ヶ丘寮の庭へ植えるのに、赤、白、ピンクのコスモス。それにリンドウとなでしこの苗も加えて、購入しました。彩りを増した庭を想像すると、今から何だかわくわくとして、胸が踊るようです。
荷物が多くなってしまったので、お店の人に寮への配送をお願いしてから、ふうと一息。両肩からそれぞれに、心配して覗き込んだ鳥たちへ、
「ええ、そうですね。少し疲れてしまいました。休んでいきましょうか……」
ぱたぱたと羽を打ち、飛び上がって先を行く鳥さんたちに導かれるように、公園の端に据えられているベンチへ……と。
「あら……?」
ベンチには、先客がおりました。
時子と、そして楽しげに鳴いて彼女を誘う小鳥たちへ向けられる、どこか羨望のような眼差し。
「……御巫、さん……?」
「またお会いしましたね、天吏さん。お隣、よろしいですか……?」
時子はふわりと微笑んで、鳥好きな先輩の隣へと腰掛けました。
「花は、嫌いでは無いの。だって蜜食動物が生きていくためには、必要なものだから」
「そうですね……ハチドリさんやミツスイさんなどには特に、大切なものですものね……」
こくり、とうなずいた天吏の肩には、ジョウビタキさん。彼女もまた鳥を愛する人間であると知り、時子の肩からちょっぴり、出張中です。
それにしても、と時子は思います。
今日の天吏は、何だか穏やか。いつものように左目を眼帯で覆いながら、右目の輝きはいつもより優しげで、柔らかく見えました。
「日本には、密だけを食べる鳥さんは、あまりいませんね……?」
「ええ。メジロやヒヨドリが、良く花の蜜を好んで吸うけれど。密食の鳥は、温帯域に属する日本の気候上、生息していない種がほとんど」
そして今日の天吏は、良くしゃべります。普段はそもそも、誰かとコミュニケーションを取ろうという意思も希薄だったりする彼女ですけれど……肩に乗った小鳥さんの小さな身体へ、そっと静かに手を添えて。
「日本でもたまに、ハチドリのようにホバリング飛翔を行いながら蜜を吸う小鳥を見かけた、なんていう報告が寄せられることがあるけど、そのほとんどが見間違い。あれはスズメガの成虫で……」
天吏はそんな風に、少々一方的にではありながらも、時子へ語り続けます。
彼女の話はやっぱり、鳥たちについてのことばかり。時子にとってももちろん、大いに興味がありました。時折、自分の右肩に乗ったエゾビタキさん、そして天吏の左肩のジョウビタキさんへそっと笑いかけながら、時子はしばし耳を傾け、聞き入りました。
そろそろ帰るわ、と立ち上がった天吏へ、時子はこんなことを尋ねました。
「天吏さんは、お花は買っていかれないんですか……?」
「……私が、花の命を買うなんて」
ぱたぱたと肩を飛び立ち、時子の元へと戻った小鳥の姿に、ちょっぴり、ほんの少しだけ。寂しげな表情を見せてから。
天吏はひとり、立ち去って行きました。
彼女の背中を見送りながら、思います。天吏の感性は彼女独自のもので、独特です。人がそこに触れた時、どうしてもなかなか、彼女を理解するには至りません……けれど時子には、何となく分かるような気もします。
同じ、鳥を愛する二人だからでしょうか? 天吏の孤高が、時子には少しばかり、理解できるようにも思えるのです。
ベンチへ腰掛けたまま、しばらく、花たちや人々の流れを眺めて。木々の上でささやく、鳥たちの声に耳を傾けてから。
「さ、私たちもそろそろ、行きましょうか。ふふ……帰ったらヨタカさんにも、たくさんお花が増えたこと、教えてあげなくちゃいけませんね」
今日も庭の木で、うつらうつらと寝ぼけているのでしょう、鳥さんのことを思い浮かべて。
時子は、二羽の小鳥たちと一緒に楽しくお話しながら、寮へと帰って行きました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月15日
参加申し込みの期限
2015年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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