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【彼と花の絵】
さらさらさらと、今日も
旅鴉 月詠
は、スケッチブックへとペンを走らせます。風に揺れる花木や観葉植物、果樹になる実、並んだ盆栽。それらを植えた鉢やプランター。連なる店によって形作られる道や、頭上で枝葉を重ねる公園の木々……目の前のそんな風景を、彼女はすらすらと描き入れ、鉛筆一本にも関わらず繊細なタッチで、絶妙な濃淡を加えていきます。
この陽気に、ゆったりと公園のベンチへ腰掛けて、思うさま芸術へ勤しむ。ちょっぴり贅沢な、彼女のお気に入りの時の過ごし方です。
「……うん?」
さらり、さらり……軽快に走り回っていたペンが、ふと、ぴたりとその動きを止めました。
「はっ。ほっ」
気付けば風景の中に紛れ込み、何やらびし、びしっ! とカッコイイポーズをキメております、一人の男性の姿。
ふいに、月詠と視線が通れば……きらん! と目を輝かせ、
「はっ!」
びしぃっ! ここぞとばかり、渾身のポーズ!
「……何か御用で?」
「おっ! いやぁ、可愛い女の子が絵を描いてるんでね、いっちょ俺のハンサム顔も描いてもらおうかな! ってね」
声をかけられ、いそいそとやってきたのは、ラフな髪にエメラルドグリーンのメッシュを入れた、三十代半ばほどの精悍な男性。
飛吹 蓮太郎
でありました。
「悪ぃね、お邪魔だったかい?」
「いいえ。必要の無いものは、描かなければ良いだけですので」
「おおっと、こりゃキツイぜ! フハハハっ」
さらりと言ってのけた月詠に、蓮太郎は悪びれることもなく、フハハと豪快に笑います。
蓮太郎は、どっかと月詠の隣へ腰掛けて、園芸市に並ぶ可憐な花たちを眺めつつ、
「いやいや、秋の季節にも、こうやって綺麗な花が咲いてるもんだ! コスモスに、ゼラニウム、シクラメン……マーガレット、ガザニアに、おっ、あっちにも可愛い子発見! 初々しい女子高生に、和服美人に、薔薇を売るドレスの令嬢に……おおっ、なんてこった! メイドさんまでいるじゃねえか、ぐへへへ……」
……何だか途中から、趣旨がすり替わっているような気がしますけれど!
「ああ……どの花もなんて愛らしく、そして美しいんだろうか。もう全部お持ち帰りしたい! 持って帰って部屋に飾りゃあ、まさに両手に花! 俺による、俺の、俺の為の秘密の花園ッ! そして!」
くるうり。蓮太郎は月詠へと向き直り、きらり! ここ一番のスマイルを浮かべて、言いました。
「お嬢さん。君のこともぜひ、お持ち帰りしたいもんだ……」
「うん、ラフスケッチはこんなものかな。悪くない出来だね」
「スルー!?」
こいつはキツイぜ! と、蓮太郎はやっぱり豪快に笑うのです。
冗談はさておき。
園内を歩く月詠へ、何とはなしに付いて歩いている蓮太郎。色んな意味で花たちを愛で、無料の『ガーデニング入門セット』もきっちり確保しつつ、彼はその傍ら、睡蓮の花を探しているのだと言います。
「睡蓮ですか。この時期だと、少々難しいのでは?」
「そうなんだよ。だから、あまり期待はしてないんだけどな……もしかしたらと思ってね」
水面へ涼しげに花を浮かべる睡蓮の開花時期は、ちょうど今ごろ、10月くらいまで。園芸家ならそろそろ、諸々の手順を踏みつつ越冬の準備を考える時期で、今日の園芸市で見られるかどうかは、ちょっと微妙なタイミングです。
「まっ、見つかればそりゃあ、奇跡ってことで……君は? 何か買いに来たものでもあるのかい?」
問われて、月詠はこくりとうなずきます。
「アトリエのバルコニーに、いくつか植物を飾ろうかと。人工の蔓や花があるにはあるが、少々味気ないのでね」
月詠のアトリエには、いわゆる天空庭、ルーフバルコニーがありまして、日の光をいっぱいに浴びながらお茶を飲んだり、のんびりと創作を楽しんだり。それはもう、素敵な空間なのです。
そこへ、この園芸市で選んだ草花などを飾ったなら。
「ただ、それほど頻繁に手を入れてやれるわけではないので。あまり手間がかからない、ハーブなどの類を探しているのですよ」
「なーるほど。よし! これも何かの縁ってね、俺も探すのを手伝ってやるぜ!」
睡蓮も気になりつつ、月詠の用事にも付き合ってくれるという蓮太郎。女の子と一緒だからでしょうか? 何やら張り切っている様子の彼に、月詠は肩をすくめながらも、無碍に断ることも無いか、と素直にその好意を受けることにしました。
歩きながら、気になる店を覗き込み、
「まずは、セージ、オレガノ……ローズマリーといったところか。手がかからず、料理にも使えて一石二鳥、というわけです」
「いいねぇ、女の子の手料理! 俺もご相伴に預かりたいもんだ……おっ!」
月詠は、育てやすいハーブ類の苗をいくつか購入。また、蓮太郎の示した花たちにも目を向けて、
「こんなのぁどうだい? 君のバルコニーへ、更なる彩りと癒しをってね」
「マリーゴールドに……こちらは、パンジー・ビオラですか。ふむ、なるほど。良い選択です」
しばしそうして園内を巡りながら、月詠はお目当てのハーブに加えて、育てやすく天空庭に映えそうな花をいくつか選び、買うことにしました。
概ね欲しいもの、必要な備品の類なども揃った頃。こっそりとろっこんを使い、それらをスケッチブックの中へすぽんと納めた月詠は、ふと、蓮太郎の姿が消えていることに気付きました。
「……こいつは……!」
背後で響いた、驚きの声。
振り返れば、とある店先へと屈み込んだ、彼の姿。
その横顔は、先ほどまでの三枚目な彼とは打って変わって、静かで、真剣な眼差しを一点へと注いでいます。
「あれは……」
月詠もまた、彼と同じものへ視線を向ければ。
澄んだ水を張った鉢の中、重なり合いながら漂う緑の葉。その中に、たったひとつだけ。ぽつんと咲いて、浮かんでいる……透き通るような、儚げな花。
おそらく時期的には今年最後の、それは確かに、白い睡蓮の花でした。
朝、目覚めのように花開き、夜になれば、眠りへ落ちるかのように花弁を閉じる。愛らしくて、切なげで、まるで天女を眺めているような心地になるのだと……さきほど彼は、記憶の中の睡蓮を思い描きながら、そんな風に語っていたのです。ずっと側にいてやりたいような……と、遠い思い出の中、誰かを慈しむような眼差しで。
ちょうど今、目の前の花をを眺めているのと同じ、優しく細めた瞳のままに。
「見つけたなら、奇跡……か。なるほどね」
月詠はそんな光景に、ひとつつぶやいて。
取り出したスケッチブックをめくると、彼と睡蓮を中心に据え、滑らかな筆致で、その姿をページの中へと収めました。何となく、そうするべき光景だと、そんな風に思えたのです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月15日
参加申し込みの期限
2015年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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