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風の原園芸市・秋の部
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【二人の答え】
やって来た
藤音 鈴桜
はやっぱり、
音羽 紫鶴
の顔を見るなり、ぷいとそっぽを向いて、
「……別に、紫鶴に呼ばれたから来たわけじゃ、無いんだからね。花が好きだから、来てみただけなんだから……」
そんなことを言うのです。
意地っ張りで素直じゃない、鈴桜のこんな物言いにも、紫鶴はもう慣れたもの。にやりと笑みを浮かべまして、
「なるほど、気が合うね。つまりは僕も気まぐれ、一人で見て回るよりは暇つぶしになるかな、っていうだけさ。で、どうする? 行く? それともやめるかい?」
ぐいと顔を近づけて、許婚の顔を覗き込めば。
鈴桜は、むぅ……と唇をとがらせて、言いました。
「……行く」
「そうかい? それじゃあ行こうか。一緒にね」
「あ、ま、待ってよ……!」
さっさと歩き出した紫鶴の歩調に合わせようと、たたた、と慌てて走り出す鈴桜の足音が、後ろから聞こえました。
彼女はいつだって意地っ張りで、素直じゃなくて、そして時々、可愛らしいのです。
「……わぁ」
場内に咲き乱れる、色とりどりの花たち。色彩鮮やかな園芸市へ一歩足へ踏み入れれば、すぐさま鈴桜の表情は、ぱあっと輝きます。
二人とも、長く続く旧家の生まれでありまして。豪奢に飾った草花などには、それなりに馴染みがありましたけれど……それでも、花たちのこの壮観な並びはと言いますと、紫鶴もまた目を見張るほどです。
「これはなかなか……お、茶の樹まで売っているのか、珍しいな。どうだい、鈴桜?」
「うん、すごい! すごく、綺麗……!」
隣の婚約者も、どうやら喜んでくれている様子。誘った甲斐があるというものです。
園芸市はかなりの盛況ぶりで、客たちがそこかしこで興味深げに店先の花たちを眺め、楽しんでおりまして……もちろんその中には、仲睦まじいカップルたちの姿も、ちらほら。
ふと思い立って、紫鶴は鈴桜の前へ、ぴ、と指を一本立てまして。
「よし、鈴桜。ここでクイズだよ」
「クイズ……?」
怪訝そうに首を傾げた彼女へ、ある店先の花を示しつつ、
「ここに咲くルクリアの、花言葉は何でしょう?」
「……そのくらい、知ってるわ! 『優美な人』、よ」
「うん、その通りだ。それじゃ……次はこれ。ホトトギスの花言葉は、何でしょうか」
「ふふ、それも知ってるもの。『秘めた想い』、『永遠にあなたのもの』。でしょ?」
「なかなかやるね。よし、次は難しいよ?」
「負けないわ。ぜーんぶ答えちゃうんだから!」
紫鶴が出題し、鈴桜が得意げに答えを当てていく、花言葉クイズ。花が好きというだけありまして、彼女の知識はかなりのものです。
それより何より、くるくると楽しげに巡る、明るい彼女の笑顔。
親が決めた許婚同士……けれど何だか、鈴桜が微笑むと、
(……それも悪くは無い、かな?)
なんて。そう思えてくるのです。
いつしか、彼が隣を歩いていることが、当たり前になっていたのでしょうか。
「ほら紫鶴、次の問題は? ……紫鶴?」
ふと、鈴桜は大賑わいの園芸市の真っ只中、客たちの流れに紛れて、一人きりになっている自分に気付きました。
「し……づる?」
きょろきょろと辺りを見回してみても、彼の姿は見当たらなくて。探しても、探しても、見つからなくて。
鈴桜は急に、胸が締め付けられるような不安に襲われて。先ほどまでは気にも留めていなかった、周囲の雑踏の圧迫感に、息苦しさを感じ始めました。
それほどの苦境に立たされているわけでは無いのです。それは分かっているのです。はぐれてしまったのなら仕方が無いと、諦めて一人で家へ帰ることもできますし、いざとなれば、鈴桜がひとつ電話をかければ、駆けつけた車に乗って悠々と帰宅することだってできました。
それなのに。
「っ……」
き、と口元を強く結びます。
何故だか分からないけれど、不安でたまらないけれど。
(泣かないもの。こんなの、なんでもないことだもの。絶対に、泣いたりしないんだから)
しばし紫鶴を探すものの、結局見つからず。ちょっぴり冷えてきた頭で考えた鈴桜は、少しでも見つけやすいように、また見つけてもらいやすいようにと、いくらか見通しの良い開けた場所へ向かうことにしました。
並ぶ店や花たちから少し外れたところ、ベンチの脇に立って、鈴桜は待ちます。できるだけ、澄ました顔で。何事も無い風を装って。
そう、こんなのは、何てことないことなのです。ちょっとだけ、一人になっただけ。自分ももう10歳の女の子、一人で何だってできるのですから。
心細くなんてないのです。不安なんて、
「……やっと見つけた。やれやれ、探したよ、まったく」
それなのに。駆けてきた紫鶴の顔を、はっと目にした途端。
「まぁ君のことだから、見つけやすいところに移動してると踏んでたけど……ん、どうしたんだい?」
「別に……心細くなんて、なかったんだからね」
気が緩んだのでしょうか。ぷりぷりと怒ったフリをして、零れそうになった涙を隠すのに、鈴桜はちょっぴり、苦労をしなければなりませんでした。
きゅ、と、紫鶴の服の裾を握った小さな手。もう二度とはぐれまいと、ひしと掴んだ、鈴桜の手。
意地っ張りで、素直じゃなくて、可愛らしい鈴桜の気持ちを汲んで。紫鶴も、彼女のそんな仕草をからかうことはありませんでした。
代わりに彼は、ふと店先に目をやると、
「さて。花言葉クイズの続きだよ、鈴桜」
紫色の花びらを華やかに開かせた小さな鉢を手に取り、ぽん、と鈴桜へ渡しました。
「え……?」
「このデンファレの花の、花言葉はなんでしょうか?」
急に手渡されて、戸惑いながらも。鈴桜は記憶の中から答えを探し当て、それを口にします。
ほのかに優しい香り。愛らしい、けれどピンと真っ直ぐな茎にしっかりと支えられた、デンファレの花言葉。
「……『わがままな、美人』……」
「うん、良く出来ました」
見上げた鈴桜に、紫鶴はいつもの、あの意地が悪そうな顔で、くすくすと笑いながら言うのです。
「正解のご褒美だよ。それは僕からの、プレゼント」
途端。ぴくりと震えた、鈴桜の肩。
花をもらったのは、初めてではありません。今までに何度もありました、けれど。
「どうしてこの花が、私へのプレゼントなの? 『わがままな美人』の花が」
「さあて、ね?」
こんなにも嬉しいお花のプレゼントは、初めてでした。
「……紫鶴の、いじわる。でも……ありがとう。大切にするわ」
鉢を両腕に抱いて、花のようにまぶしく、蕩ける蜜のようにふわり、微笑んだ少女。隣には、くすりと楽しそうに笑いながら、けれど優しい眼差しの少年。
歩き出した二人は、互いに花言葉を当て合う遊びに興じながら、行き交う人の群れ、仲睦まじいカップルたちの合間へと紛れて、やがて見えなくなりました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月15日
参加申し込みの期限
2015年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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