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夏神神社が所有する蔵の扉が開かれた。作務衣を着た
夏神 零
が古い行李を次々と外に運び出す。新聞紙の上には巻物や仏具が一時的に並べられていた。
「移動させるだけでも一苦労でござるよ」
長くて白い髪はポニーテールにしていた。頬の汗で張り付いた髪は手で軽くあしらった。
零は用意した竹箒を持って蔵の中に入った。薄く積もった埃を外へと掃き出す。空中に舞う埃に少しむせた。積み上げられた箱に肘が当たり、一番上の大きな桐箱が落ちてきた。
「うお! お、おろーん?」
落ちた衝撃で箱の蓋が外れた。中には武具が収められていた。槍と弓一式、それと小刀である。試験用の物なので槍や矢尻の尖端は丸められ、小刀も模造刀の域を出ない。
「あの時の
試験
を思い出すでござる」
零は小刀を手にした。蔵の空いたところで緩やかに武器を振るう。
「あの時、師匠は矢をこのように両断したでござる」
三日月のような小刀が煌めいた。不可視の矢が中空で両断された。目にした者に錯覚を起こさせる、見事な一閃であった。
そこに拍手が送られた。
「修行に熱心なのはいいことよん」
蔵の出入り口に背を預けた姿で
火焔 燐
がいた。赤い髪のおさげには黒いリボンが蝶のように止まり、羽を休めていた。美しい横顔で妖しい笑みを浮かべている。
零の視線を受けて燐が歩いてきた。白薔薇を纏ったような服は柔らかく弾んだ。
「師匠、お元気そうで何よりでござる」
「あたいはいつも元気よん。渓谷に叩き落とされても問題ないわ」
「その話は勘弁して欲しいでござるよ」
零の困ったような表情に燐は、フフフ、と意味ありげに笑った。流れるような視線は開いた箱に行き着いた。
「槍に弓ね。まだ残っていたなんて、懐かしいわねん。それにあたいの小刀よね、それ?」
「そうでござるよ」
零は恭しく小刀を差し出した。受け取った燐は瞬時に銀色の光を纏う。突然の風が埃を巻き上げた。
風は収まり、燐は掌に小刀の背を何度も打ち付ける。
「どうかしらん」
「十一回の斬撃、相変わらず見事な腕前でござる」
「良い目をしてるわねん。零ちゃん、再試験を受ける気はある?」
「この日を待ち侘びていたでござるよ」
零は弓を肩に掛けた。槍を持ち、矢を束で掴むと真っ先に蔵を出た。道場の方へと足早に向かう。
「今回はどうかしらね」
弟子の背中を見ながら燐は歩いた。上から舞い降りてきた葉を銀色の一閃で斬り伏せると、スキップに切り替えて付いていった。
磨き込まれた板敷が飴色に光っていた。広々とした中央に零と燐は素足で対峙した。
「よく手入れがされているわねん」
「これも修行の一環でござる」
「畳を敷けば別の体系の組手も可能になるけど」
足場を確かめるように燐は足を踏み鳴らす。重力を感じさせない動きで左右に跳躍して元の位置に降り立つ。
「滑る心配もないみたいね」
「この通りでござるよ」
零は燐の動きを真似て跳躍し、中央に戻った。息の乱れはなく、口元には抑え切れない笑みが浮かぶ。
「動きは悪くないけど、実戦経験に問題があるかもしれないわねん。そこで今回は倒すことを考えないで、そうね、あたいに一撃でも入れられたら合格にしてあげるわよん」
「師匠、本当にそれでいいのでござるか」
「サービスよん」
燐は片手に持った小刀を正眼に構えた。もう片方の手で陽気に招く。
零は槍を両手で持ち、腰の辺りに添えて足を前後に開く。その姿勢で瞼を閉じた。気配に揺らぎを感じた瞬間、全身を槍と化して跳び出した。
槍の正確な一撃は小刀に阻まれた。合わさる刃で小さな火花が起こった。
「女性の顔を狙うなんて非情で素敵よん」
刃を合わせた状態で燐が前に出る。火花を纏った刃が零の両眼に迫り、水平に薙いだ。数本の髪を犠牲にして一閃を掻い潜ると前に跳んで身を捻る。
燐の姿はなかった。瞬時に目が捉えた。白い薔薇が宙を舞う。艶然とした笑みで一刀が振り下ろされる。零は水平に掲げた槍で受け止めて、更に押し返した。
二人は間合いを取って対峙する。
「元に戻ったでござるか」
「零ちゃん、槍はもう使えないわよん」
前への警戒を解かず、零は槍に目を走らせる。中程に真新しい創を見つけた。
「そのようでござるな」
零は槍を水平に構え、両手で簡単に圧し折った。肩に掛けていた弓を手にして矢を継がえる。
「あの時と同じで最後は弓でござる」
「地面が崩れて水を差されることもないわよん」
「拙者も心置きなく戦えるでござるよ」
その場で零は弓を引き絞る。燐はゆったりと小刀を構えた。
「この状態では当たらないでござる。それならば!」
今までにない速さで跳んだ。限界まで距離を縮めて腹部を狙う。
避け難い正中線に矢を放つ。燐の身体が腹部で折れ曲がった。
「拙者の矢が当たったでござる!」
「喜ぶのは早いわよん」
燐は背筋を伸ばし、掴んだ矢を見せて横手に放り投げた。
瞬間、零は後方に跳んだ。宙で二本の矢を同時に放った。燐は刀身を横にして受け止めた。
鈍い音が混ざって刀身は根元から折れた。目にした零は残りの三本の矢で燐を狙った。
道場内に夕陽が射し込み、燐を照らす。白い薔薇が赤く燃える。鋭い手刀は飛来した矢を一瞬で薙ぎ払う。追撃の一手が弓を砕いた。
零は後ろによろけた。失った武器に目をやって項垂れた。
「まだ試験は終わってないよん」
「しかし、師匠。武器が無くては続けられないでござるよ」
「武器ならあるわよん」
燐は両手を広げた。夕陽を全身に浴びた、その姿は四神の朱雀を思わせた。
「朱雀術の舞の体術でござるか?」
「そう、朱雀之舞は全ての基本。近接武器を凌駕する、最速の手刀こそが最大の武器よ」
力強い言葉に零は息を吹き返した。白い髪は赤く燃え、新たな朱雀と化した。
もはや言葉は必要ない。朱雀同士の戦いが火蓋を切った。鈍い音が道場内に響き渡る。手刀と手刀がぶつかり、零は血のように赤い汗を飛び散らせた。
零が吠えた。限界の縁で踏み止まって手刀を打ち続ける。燐は風に吹かれる炎のように躱しては合間に苛烈な手刀の連撃を加えた。
地力で上回る燐が零を押し始める。じりじりと下がるものの、目は死んでいなかった。一瞬で燃え上がる。
零は斜め上から右の手刀を振り下ろす。燐に上体で躱され、一歩を踏み出して斜め上に渾身の力で切り上げる。相手もまた、神速で一歩の距離を空けた。
張り詰めた指先は虚しく宙を切るかに思われた。しかし、更なる前進で燐の顎先を掠めた。強い意志、または床に溜まった汗で足が滑ったのか。判断は師匠である燐に委ねられた。
「零ちゃんの努力を認めてあげるわよん。おめでとう」
「し、師匠、ありがとうで、ござるよ」
膝に手を付いた状態で零は頭を下げた。すぐには上げられない様子で息を整えていた。
「次は奥義の伝授よんっ!」
「お、奥義!? まだ続くでござるか」
「これからが試験の本番よん」
涼しい顔で明るく言った。零は辛そうな表情で姿勢を正す。
果たして奥義は伝授されるのだろうか。夕闇が二人の姿を覆っていった。
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担当ゲームマスター
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月11日
参加申し込みの期限
2015年02月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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