伝説のおイモバトル｜リアクション

伝説のおイモバトル

●触手でおイモのモンスター

「どこかに武器は……あっ、あった！　アレを――」

　八神修は触手おイモを前に、とっさに周囲を見回して、舞が集めていた落ち葉の山の横に倒れている長箒を見つけて、素早くそれを手に取った。
　木刀代わりに構えて触手おイモを見据える。
　そして要救助者である舞を助けようと、おイモモンスターの伸ばした触手に長箒を全力で振り下ろす。
　早く舞を助けないと、首でも締まってしまったら大変な事になる――

　その時、修は触手おイモの背後に刃引き刀を持った御剣刀の姿を発見した。
　
　刀は修達との戦いに夢中になっている触手おイモの背後を突く気らしい。
　それならばと、修はより派手に長箒を振り回し、触手おイモの注意を自分に引き付ける。

　修の動きに気が付いた刀が、声を出さずに頷くと、刃引き刀を構えて宙に飛ぶ。
　そのまま舞を捕えた触手に刃引き刀を叩きつけ、強引に引きちぎる。
　自由になった舞の身体が落下するのに滑り込み、刀は舞を抱きとめると全力で戦闘区域から離脱する。

　舞を追おうとする触手おイモは修が割って入って食いとめる。

　刀はそのまま舞を茂みの中に隠して肩を軽く叩くと、

「大丈夫か？あいつ等片付けてくるからちょっとここに隠れていてくれ。
　イモに見つかると危ないから顔を出すなよ？」

　そう言い含め、刀はフライングおイモの相手をするために走り去った。