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【演目その15 『オズの魔法使い』(4)】
ドロシーたちが戻ってきたことを告げると、あの恐ろしげで威厳ある態度はどこへやら。オズの大きな石の頭からは、すっとんきょうな声が響きました。
「ええっ、ウソ、本当に!? 倒してきたの? 西の魔女を……あ、いや、ごほえほん! ならば、証拠を見せよ……」
取り繕ったような声色で言った石の頭へ、ドロシーは、
「倒してきた、というわけでは無いのですが……西の悪い魔女は、もういませんよ。いるのは、私たちのお友だちです」
「こ、こんにちは~……」
ドロシーに背中を押されておずおずと進み出たのが、当の西の魔女だったもので、再び、わあ! なんてすっとんきょうな声が届きます。
これ以上に無い証拠を目の前に、
「オズさん、これで私たちの願いを、叶えていただけますか?」
「え、ええー? いや、だがしかし、その……な? あのホラ……」
なんて、ドロシーたちがきっちりやり遂げてきたにも関わらず、オズはしどろもどろ。何やらごにょごにょと、言い訳のような言葉をつぶやいています。
仲間たちが首を傾げて、不思議そうに顔を見合わせた時でした。
「わんわん、うーっ、わんわんわんわん!」
「トト? どうしたの、そんなに吠えて……」
何かに気付いたようなトトが、ドロシーの元から走り出て、石の頭に向かって激しく吠え出しました。
「わんわんわん、わおんっ!!」
その途端。
「わ、ちょっと待って、きゃあ!?」
どんがら、がらがら、がっしゃんどしん!!
石の頭の後ろから、すごい音と一緒に飛び出してきて、みんなの前で尻餅をついたのは……なんと、女の子でした!
「あいたたた……ああ、驚いた」
女の子は、ぽかんとして目を丸くしたドロシー一行の顔を見ると、慌てておほん! と咳払い。立ち上がり、
「いかにも! 私がオズよ」
茶目っ気たっぷりに、ぱちりとウィンクして見せた女の子、オズは悪戯っぽく言いました。
「この大きな頭は、残念ながらただのハリボテ。でもなかなか、見事なもんでしょう?」
役者を目指すと公言してから、初めて上る大舞台! 圭花はその思った以上のまぶしさに、目がくらくらとしてしまいそうでしたけれど。
でも、それ以上に。
(何人の人が今、私を見てるのかしら? 何人の子が今、私に注目してるかしら?)
そう思えば、圭花は萎縮してしまう……どころか、逆に力が湧いてくるような気がします。多くの人の憧れとして舞台に立ち、多くの人に希望や夢を与えてあげたい! それこそが、圭花の目指す道なのですから。
(そのための、これが第一歩! 演技はまだまだだけど関係ない、思いっきりやり切るわ!)
何にも臆することの無い、ウルトラ度胸! それこそが圭花の持つ、一番の、そして最強の武器なのですから。
と、彼女が決意した、その瞬間のことでした。
(……!)
目が合いました。観客席、一階席の最前列。
獅子島 市子
と、目が。
「期待させちゃって悪いけど、私はご覧の通り、ただの人間。魔法なんて使えないの」
ごめんね? と謝罪したオズに、
「それじゃあ、僕は『知恵』をもらえないのかい?」
「私は、『心』を……」
「私は『勇気』を、もらえないのか?」
カカシ、ブリキの木こり、臆病ライオンがそう言って、悲しい顔をするのを見て。オズは少しだけ、ふむふむ、と考え込んでから、
「そうね……それじゃあ。良いものをあげるわ」
ちょっと待ってて、と言って、あの大きな石の頭の後ろへ引っ込むと、何かを持って再び現れたオズ。
まずはカカシの前へと進み出ると、ぶつぶつぶつ。何やら呪文めいたつぶやきをかけながら、
「カカシさん。あなたには、これをあげるわ」
「これは……知恵の輪かい?」
そう、オズがカカシへと手渡したのは、見るからに難しそうな、幾つかの複雑な知恵の輪でした。
脳みその無い、知恵の無いカカシにはとても、それが解けるようには思えませんでしたけれど。
「……あれっ? 解けた! 解けたよ、僕には知恵がある!」
かちゃかちゃとその中のひとつを動かすなり、カカシはあっという間に、知恵の輪を解いてしまいました!
嬉しそうに知恵の輪を掲げたカカシの次は、ブリキの木こり。オズはまた、ぶつぶつぶつとつぶやいてから、
「ブリキの木こりさん。あなたには、これをあげる」
木こりの身体の胸の部分を、ぱか! と開いて、そこへ収めたのは、大きなハートと小さなハートの形の、二つのクッションでした。すると途端に、木こりの顔には笑顔があふれ出し、
「ああ……これが、これが心なんですね! とてもいい気分です! 本当にありがとうございます……!」
熱心にお礼を言う木こりにひらひらと手を振ってから、最後にオズは、臆病ライオンの前へ。
「ライオンさん。あなたには、これをあげるわ」
「これは……飴玉?」
ぶつぶつぶつ、とやってから手渡したのは、小さな飴玉がいくつも詰まった小瓶です。ライオンはそれをひっくり返すと、口の中へ、ざらららら! 少しだけ残して、飴玉をほとんど食べてしまいました。すると、びくびくとしていたライオンの表情が、見る間にきりりと引き締まり、
「心の底から、勇気が湧いてくる……! これでもう、何も怖くない!」
三人はそれぞれに望む物を与えられ、口々にオズへとお礼を述べました。
けれどオズは笑って、首を振ります。
「それは、あなたたちの中に元々あったもの。私はそれを少しだけ、引っ張り出してあげる手助けをしただけ……だってあの西の悪い魔女を、こんなに大人しくさせてしまったんだもの! みんなそれぞれに、誇れるものを持っているはず。それを大切にしてね?」
ぱちり、とオズはもう一度、彼らへとウィンクをして見せました。
観客席の市子も、圭花が自分に気付いていることは分かっていました。
(いい役者、ってのは……違うモンなんだよ)
オズを演じる圭花と、時折、ちらり。ぴた、と目が合います。客席の最前列と舞台の上、距離は遠いようで、近いようで……けれどやっぱり、今の圭花は、どこか遠くに見えました。
(いい役者は、周りを巻き込む。そんで舞台丸ごと変えちまう。共演者も根こそぎ引き込むような……引力があるんだ)
いつだったか
、圭花のお芝居にダメ出しをして、ヘコませてやった時のことを思い出します。その時から、市子には確信があったのです。圭花には、それがあるのだと。
(これは、魔法……オメーの魔法で、舞台のウソが、観客にとってのホンモノに変わるんよ。圭花……つまりペテン師オズは、今のオメーにゃうってつけ)
観客へと魔法をかけて、ウソをホンモノに見せてしまうのが役者なら、今の圭花を、市子は他にどう言い表せば良いでしょうか?
(……うん。最高に、素敵)
まだまだ、完璧ではありません。まだまだずっと伸びていって、いつか彼女は、星のように輝くのでしょう。彼女の才能を知るのが、自分ひとりでは無くなる日が、遠からず訪れるのでしょう。
そんな風に想像して、もう一度目が合った瞬間に。少しばかりの寂寥感が胸を締めるのを感じながら、市子は彼女へ、そっと微笑みました。
三人を羨ましそうに眺めていたのは、西の魔女です。そしてその視線に最初に気付いたのは、ライオンでした。
「私はもう十分に、勇気を得た。残りは……お前の分だ!」
「えっ? あたしに……?」
ライオンは、もう少しだけ残った飴玉の小瓶を、戸惑う魔女へと手渡したのです。ライオンは最初から、そうするつもりだったのです。
そしてもちろん、カカシと木こりだって、それは同じなのでした。
「魔女さん、これもあげるよ。僕はもう、他のどのカカシより賢くなれたからね」
「私からも、これを。あなたはもう悪い魔女ではなく、私たちの友人なのですから」
カカシからは、知恵の輪のひとつを。ブリキの木こりからは、小さなハートのクッションを、それぞれに渡されて。
魔女は、それらをぎゅうっと、大切そうに抱き締めます。
「……ありがとう。あなたたちの知恵、心、勇気。確かに、受け取ったわ……!」
彼女はもう悪い魔女ではなく、そして、ただの西の魔女でもありません。ぱあっと頭上から差し込む光が、彼女を包み込みます。
彼女は、『西の善い魔女』へと今、生まれ変わったのです!
そしてお返しに、と言って、
「これは、あたしからのお礼の気持ち……受け取ってくれるかしら」
魔女は三人へと手を広げて、あるものを授けました。
それは、『優しさ』。
旅を続けて得ることが出来た、それは三人にとっての、一番の贈り物となったのでした。
三人と魔女たちを、幸せそうに祝福したドロシーと、その愛犬トトを見て。オズが、ぱちん! と両手を叩きながら、
「さて! それじゃ最後は、あなたたちの番ね?」
そう。叶えるべき願いがあとひとつ、残っているのです。
「オズさん。私とトトを、故郷へと帰してくれるのですか? でも、魔法は使えないと……」
「ええ、だから、良い物があるのよ」
ちょっと待ってて、と再び石の頭の後ろから、オズが持ち出してきたものは、
「ほら、これに乗って帰ればいいわ。ね、すごいでしょ?」
なんと、気球! あっという間にぷしゅうと大きくなって、ふわりと浮かび上がったものは、気球でした。確かにこれなら、あの懐かしいカンザスへまでも、ゆらゆらと風に吹かれて飛んでいけるかも知れません。
けれど、残念なことに。気球に、ドロシーとトトが乗り込むことはありませんでした。
「乗り方分かる? こうやって乗るの……あら? あらら?」
ふわり、ぷかぷか。手本を見せようとしたオズを乗せて、気球はぷかぷか、ぷかりと浮かび上がって、
「あららら? あら~……ごめんね、ちょっと無理みたい! 後はあなたたちで、何とかしてね~」
ドロシーとトトを置き去りにして、オズはうっかり、ひとりでぷかぷかと空を飛んでいってしまったのでした。
現れた時と同じように、ぽかん、として目を丸くしながら空を見上げた、ドロシーたち一行へ。
「……まったく。仕方がありませんね」
ふいに、柔らかい声が届きます。
(……よしよし。動作良好、だねぇ)
舞台の上へと現れたのは、由貴奈でした。
自らも俳優として役を演じるにあたって、彼女はある仕掛けを用意してきました。秘密は、衣装の中に仕込んだリモコンです。
足を踏み出すと同時に、ぱちりとスイッチを押せば……途端、降り注ぐ光。スポットライト! 役を演じながらでも演出機材を操作できるようにと仕込んできた、由貴奈の取っておきの仕掛けなのでした。
白いドレスにティアラを身に纏って、由貴奈は光を浴びてきらきらと神々しく輝きながら、口を開きました。
「私が、あなたを元の世界へ送り届けてあげましょう」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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