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【演目その15 『オズの魔法使い』(2)】
「帰り道は、どちらかしら? トト、どちらへ行けばいいかしら?」
「わん、わわん!」
ドロシーがにっこり笑ってそう聞いてみると、トトは張り切って尻尾をフリフリして、二回ほどくるん、くるんっと回って見せてから、勢い良く走り出しました。
鮮やかな色の果実がなる樹木たちの間を駆け抜けると、どこまでも続く道の両側に、青いペンキを塗った木の柵。見渡す限りに広がっているのは、きらきらと黄金色に輝く、小麦畑!
「まぁ、綺麗!」
「わんっ、わおんっ」
トトが勢い良く駆け寄って行ったのは、そんな畑の中にぽつんと寂しそうに突っ立っている、
カカシ
のところでした。
そしてやっぱり、ドロシーは、この世界の不思議なところを目の当たりにします。
「やあお嬢さん、それに犬くんも。こんにちは」
ぱちり! カカシが顔を上げて言葉をしゃべり、ドロシーへ茶目っ気たっぷりにウィンクをしてみせたのです!
カカシの下におすわりして、得意そうに胸を張ったトトの頭を撫でてあげながら、ドロシーはカカシへちょこんとお辞儀をして、尋ねました……だって、他に道を聞けるような人は、このあたりにはいないようでしたから。
「こんにちは、カカシさん。私はドロシーと言います。道をお尋ねしても良いでしょうか? 迷い込んでしまって……カンザスのお家に帰りたいのですけれど」
「うーん、ごめんよ。僕には良く分からないな。お家ってなんだい? どうして帰りたいんだい?」
ドロシーはカカシへ、元いた世界へと帰りたいと説明するのですけれど、カカシには何を言っているのか分かりません。
「だって、僕には脳みそが無いからね」
穴が開いてぼろぼろの麦わら帽子に、ぴょこんと差した麦の穂。古びたツナギに、両腕には竿を通して、ぶらりと吊り下げられたような衣装を着て。雛は実に楽しそうに、カカシを演じています。
雛は、足元へ隠しておいた、カラスの縫いぐるみを取り出すと、それを肩に乗せました。舞台が一端暗くなり、スポットライトが雛だけを照らして演出するのは、回想シーンです。
「僕は人の形をしているのに、カラスさん、君は僕がカカシだと分かるんだね」
カカシとカラス、このシーンは、雛の一人二役なのです。
『ああ、そうだ。お前がワラを詰めただけのカカシなのは、すぐに分かる……可哀想に。お前に脳みそがあれば、他のカカシたちより、賢くなれるのにね』
舞台が再び明るくなって、ナスティと麗仁の前で、雛はうっとりとしたような表情を浮かべて。
「ああ、脳みそ。知恵! 僕は、それが欲しいなあ……」
練習している間も、雛はムードメーカーとして仲間たちを明るく盛り上げてくれて。さらには大道具の作成なども積極的に手伝ってくれて、みんなはもう、とても助けられたものでした。
演技に没入している雛の顔は、それとは少し違った演技による、けれどとても素敵な、明るい笑顔! なのです。
(……雨龍さん、良い顔するなぁ……それに、天之川さんやクローヴァさんも)
そんな仲間たちのところへ、見守る夕莉もまた、これから飛び込んでいくことになります。
後ろから、ぽん! と彼女の肩を叩いた
桃川 圭花
が、送り出してくれました。
「もう、大恥かいたって構わない! ってくらい、思い切って行きましょ? きっとこの舞台は、私たちの宝物になるはずだから」
そう。小学生の頃に、夕莉へ鮮烈な印象を刻み込んでくれた、あの舞台。そこへ少しでも近づくための、これは第一歩。
それに何より、自分だけではなくて。この仲間たちと一緒に舞台へ立つこの機会こそが、今の彼女には、とても大切に思えるのでした。
「ええ……ありがとう。行ってくるわ……!」
演劇に魅せられ、演劇に人並みならない情熱を燃やす彼女へ。今、スポットライトが当たります!
「ねえ、お嬢さん。僕も一緒に、付いていってもいいかい?」
「ええ、もちろん!」
ドロシーは、カカシの申し出をありがたく受けることにしました。ドロシーも、それにトトも、この不思議な世界のことを何も知りませんでしたから、カカシが一緒に来てくれるのなら、それはとても頼もしいことなのでした。
「わん、わんっ!」
広々とした綺麗な風景の中を、元気いっぱいに走るトトに続いて、ドロシーとカカシは歩いていきます。
しばらく進むと、彼らは美しい森を通る道の真ん中に、またまた不思議なものを見つけました。
ちちちと鳴く、鳥たちの声。トトがぐるぐると興味深そうに回り、くんくんと匂いを嗅いだそれは、優しい木漏れ日に照らされながら佇む、ひどく錆び付いたブリキの人形でした。
「ああ、良かった。私は、
ブリキの木こり
です。助けていただけませんか?」
「まぁ。どうしたんですか、木こりさん?」
ドロシーがそう尋ねると、ぎぎぎぎ、とブリキの身体を軋ませて、木こりは近くに佇む小さな小屋を指差します。
「夕立に降られて、体が錆びてしまって。動けなくて困っていたんです。あの小屋にある油を、関節に差してもらえませんか?」
「お安い御用だよ、木こりさん」
カカシもそう言うと、さっそく彼らは小屋から油を取ってきて、錆び付いてしまった木こりのブリキのあちこちへ、それを差してあげました。
その途端。きこきこと軽やかな音を立てながら、ブリキの木こりは立ち上がり、
「ありがとう、助かりました! これでようやく動けます。あなたがたは、優しいですね……きっと、素敵な心を持っているのでしょうね」
と言って、表情は変えないまま、声だけが少しだけ、悲しい響きに変わりました。
それを不思議に思いながらも、ドロシーは尋ねます。
「木こりさん。私が元の世界へと帰る方法を、知りませんか?」
「そうなんだ。僕には脳みそが無いから、教えてあげられないんだ。知っているなら、教えてあげてくれないかい?」
カカシもそう言うと、木こりはきいっと音を立てて首を傾げて、考え込みます。
「……エメラルドの都に住む『オズの魔法使い』なら、あなたを元のところへ返してくれるかも知れません。それに……」
それに? とドロシーがきょとんとして聞き返すと、ブリキの木こりはまた悲しい声で、言うのでした
「魔法使いは私に、心を下さるかもしれません。私の体はブリキで出来ているけれど、人間のような心が欲しいんです。だってそれがあれば、私はとっても幸せになれるから」
壬生 由貴奈
の動かすスポットライトは特殊なもので、エフェクトスポットライトと呼ばれるものです。淡く緑色の光を発すると同時に、木漏れ日を表現するエフェクト画像を投影すれば……舞台は見る間に、森の中! 音響機材も同時に扱って、鳥のさえずりまで見事に再現してみせました。
(裏方も、役者としての演技も。頑張らないとねぇ)
由貴奈自身の役柄もありつつ、出番はまだもう少し先。それを待つ間は、事前に仲間たちへ聞いておいた、それぞれのこだわりのシーン、演出を舞台へと作り上げることが彼女の役割で、その作業そのものが、由貴奈のこだわりでもありました。
「由貴奈はすごいなぁ、そういう機械の扱いとか、バッチリだもんねー」
身につけた衣装をチェックしつつ、それを眺めていた
最上 るるか
が、感心して言います。確かに、技術者を志望する由貴奈の手さばきは、それはもう慣れたものなのです。
「あたしのシーンの演出も、お願いね。ド派手によろしく!」
「うん、もちろん。任せてよぉ」
寝子高演劇部の、これは晴れ舞台。裏方だって、役者だってもちろん、半端にするつもりは無いのです!
ブリキの木こりは言いました。オズはとても偉大な魔法使いで、ドロシーをきっと元の世界へと送り届けてくれるし、きっと木こりには心をくれるでしょう。それにカカシにだって、知恵を授けてくれるでしょう、と。
ドロシーは木こりの言う通り、エメラルドの都に住むという『オズの魔法使い』のもとを尋ねることにしました。そして、
「良かったら木こりさんも、一緒に行きませんか?」
そう言って誘いました。斧を携えた木こりはいかにも頼もしくて、一緒に来てくれるのなら、とても心強いのです。
「そうだね、一緒に行こう。僕は知恵を、君は心を。ドロシーは故郷を。魔法使いに、もらいに行こう」
「わん、わんっ!」
カカシが飛び跳ねて、トトまでも周りをぐるぐると駆け巡り、木こりを誘います。
「ありがとう……では、一緒に行きましょう。エメラルドの都へ!」
こうしてドロシー一行は、魔法使いに会うため、都へ向かうことになりました。
そのためには、この森を通り抜けなくてはいけません。森は深くて、木こりにもどのくらい先まで続いているか分からない、と言いました。けれどこの森が途切れたその先に、確かにエメラルドの都はあるのだと。
奥へ進むにつれて、森は鬱蒼として深くなり、届く日の光も弱くなっていき、あたりは段々と薄暗くなってきて、ドロシーは次第に恐ろしくなってきてしまいます。そんな主の不安を想ってでしょうか? トトがそっと側に寄り添って、きゅうん、と小さく声を上げました。
まるで何か、恐ろしい怪物が飛び出してきそうな、暗い森の中……それは、突然のことでした。
「がおおおおん!」
獣の声が響き、木々の間から、大きな影が飛び出してきたのです!
「きゃあ! ラ、ライオンだわ……!」
ドロシーの言葉通り、それは一頭のライオンでした。
ライオンは獲物を見定めるように、まずはカカシを見ると、ぎらりと爪を閃かせて、飛びかかります……!
「……あれっ? 柔っ!?」
けれど。驚いた声を上げたのは、ライオンのほうでした。鋭い爪は、カカシのワラが詰まった身体を、するりと通り抜けてしまったのです。
それなら、と次に狙いを定めたのは、ブリキの木こり。ライオンは再び、飛びかかります……!
けれど。
「硬っ!? つ、爪が折れる……!」
ブリキの身体は硬くて、鋭い爪はまったく通りません。
そしてライオンは、ドロシーへと目を向けました……柔らかそうな女の子のほうへ。
「きゃあ……っ!」
三度、ライオンは今度こそ、獲物へと飛びかかります……!
けれど、やっぱり。
「わんわんわん、わんっ! ぐるるるる……」
トトです! トトが大切な主であるドロシーを守るため、果敢に吠え声を上げて、ライオンを勇ましく威嚇したのです。
「うわぁ!」
逆に驚いてしまったのは、ライオンのほう。恐ろしい獣のはずのライオンは、小さなトトの声にも怯えて、ぺたんと地面へ座り込んでしまいました。
「だめだ……やっぱり私は、臆病なんだ……」
そうしてライオンは、すっかりしゅんと、しょげ返ってしまったのでした。
舞台へ飛び出してすぐに、夏朝は両親の姿を観客席へと見つけました。お父さん、
恵御納 久隆
は真剣な表情で、こちらを見つめていて。お母さん、
恵御納 理沙
は、待ちに待った娘の出番にきらきらと瞳を輝かせながら。夏朝を、見守ってくれています。
(二人とも……見に来てくれたんだ……!)
それに、演技をするうちに、友人の彼女の姿もまた、目に入りました。
(遠野さんも……見てくれてる!)
大事なお友だち、
遠野 まほろ
も、彼女を一心に応援してくれているのです。
思わず、夏朝は嬉しくて、顔が緩んでしまいそうになるのを感じましたけれど。
(い、いけないいけない。今はまだ、笑っちゃダメ……!)
演技は得意な方でしたし、練習だってもちろん、一生懸命に積み重ねてきました。
夏朝が舞台の上で笑顔を見せるのは、もう少しだけ、後のこと。ライオンがドロシーの一行へと加わる、その時なら。
夏朝はその時にこそ思い切り、満面の笑顔を、彼らへ贈ることにして。今はもうちょっとだけ、身体をぷるぷると震わせながら、
臆病なライオン
を演じます。
ライオンは本当は強くてたくましい獣なのに、彼にはまったく勇気が無くて、とても臆病なのが悩みなのだと、力ない口ぶりで言いました。いくらトトがドロシーを守る勇敢な愛犬だったとしても、犬にまで脅かされてしまうほどですから、ライオンはそれはもう悩んでいたのです。
「ああ、私にも『勇気』があれば……そうすればどんな獣にだって、負けやしないのに……!」
ライオンが全然怖くないと分かって、ドロシーは可愛そうに思えてきてしまいました。そこでドロシーは、ライオンにもこう言って、
「あら。それならあなたも、エメラルドの都へご一緒しますか?」
「それは良いですね。『オズの魔法使い』なら、きっとあなたへ『勇気』をくださいますよ」
ブリキの木こりも賛成すると、思ってもみなかったお誘いに、ライオンの目が輝きます。
「君たちに襲い掛かってしまったのは、謝るよ。でも、私が一緒に行っても、いいのかい……?」
「もちろんだよ。僕は知恵を、木こりさんは心を。ドロシーは故郷を。トトはご主人様の笑顔を……そして君は、勇気を。一緒に行こう、魔法使いのところへ!」
カカシも歓迎すると、警戒していたトトが小走りにライオンの足元へ近づいて、びくりと震えたライオンの手を、ぺろぺろと舐めました……トトにだって、もうすっかり分かっていたのです。ライオンがとっても、気のいい性格をしていることに。
ドロシーたちの言葉に感激したライオンは、言いました。
「ありがとう……! 私は『勇気』が欲しい、ぜひ一緒に行かせてくれ!」
こうして仲間へと加わったライオンの案内で、ドロシーたちは森をずんずんと進んで行き……やがて。森の切れ目から覗いた光景に、その美しさに。彼らは思わず、目を丸くすることになりました。
そこには、太陽の光をまぶしく照り返しながら、まぶしいほどに緑色に輝く、エメラルドの都が広がっていたのです!
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
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