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【演目その15 『オズの魔法使い』(3)】
紛れも無く、舞台に現れたそのお城は、エメラルドのまばゆいきらめきを放っておりました。
るるかは思わず言葉を失って、その光景に見入ります。
(……大道具作り、雛と一緒に頑張った甲斐があったなぁ。ね、雛!)
袖から覗くるるかの視線の先では、カカシな雛が、惹き付けられるようにエメラルド・キャッスルを見つめています。
二人でセット作りに精を出した成果が、壇上へ、これ以上に無い形となって現れていました。
それ自体は、碧緑に塗った一枚のパネルではありましたけれど……そこへ由貴奈が、照明を当てたなら。本当に宝石で作られているかのように、城はまぶしいほどに、輝きを宿すのです!
るるかの隣には、マイクを片手に、もう片方を彼女の肩へ置いた、圭花。親友同士な二人は、互いを労うかのように、ひとつうなずきました。
「これが偉大な魔法使い、オズなのでしょうか?」
ドロシーがうっかりつぶやいたのも、無理はありません。
「……我こそは、
オズ
。偉大にして、恐ろしき存在である……」
エメラルドの城の奥へと進んだ一行。その目の前に現れたのは、大きな大きな、石像の頭だったのです!
トトはドロシーを守るように寄り添い、カカシはきょとんと首を傾げて。ライオンはひゃあと声を上げて、ブリキの木こりの硬い身体の後ろへ隠れました。
恐ろしげな姿で、恐ろしげな声で。オズは、ドロシーたちへと問いかけます。
「汝らは、我に何を望む……?」
ぐわんぐわんと何重にも響く声に、彼らは少しばかり身をすくませました。けれどすぐに、カカシが声を上げ、
「僕は、『知恵』が欲しいんだ。オズさん、僕に脳みそをおくれ! そうすれば僕は、どのカカシよりも賢くなれるから」
「私は、『心』が欲しいのです」
ブリキの木こりも足を踏み出し、
「心があれば、幸せになれるから」
木こりとカカシ、それにドロシーにも背中を押されて、臆病なライオンも口を開きます。
「……私は、『勇気』が欲しいんだ。私に勇気があれば、もう怖がらずに済むから」
そして最後に、ドロシーがトトと一緒に前へ出て、大きな石の頭へ呼びかけました。
「オズさん。私は、カンザスの大草原や、あのちっぽけな家や、おじさんやおばさんが懐かしいのです。このトトと一緒に、私を元いたところへ戻してくださいませんか?」
「わんっ!」
トトの吠え声の後、オズの声はしばらく聞こえてこずに、沈黙が続きました。どきどきとしながら返答を待つ一行へ、
「……なぜ我が、そのような望みを叶えねばならない……? ……いや……だが、良いだろう」
つまらなさそうな声に、彼らは一瞬、落胆の表情を浮かべましたけれど。オズはすぐに、思い直したように言ったのでした。
「ここより西の方角に、悪い魔女がいる。魔女を倒すことができたなら、汝らの望みを叶えてやろう……そう、倒すことができたならば」
「よーっし! いよいよあたしの出番!」
と、気合を入れたるるか。ぴらりん、とミニスカートが翻り、背中には二枚のコウモリ羽がぴこぴこ。露出度高め、セクシーな小悪魔ルック!
「このカッコなら、木こりもカカシもライオンも。観客だって、イチコロよね♪」
「ふふ、本当にね。いってらっしゃい、るるか」
ぽん、と圭花に背中を押されて。
「演出は、うちに任せて。るるちゃんは、思う存分やってきていいからねぇ」
由貴奈にもそんな風に言ってもらえたなら、もう、怖いものは無いのです!
「まーっかせて! いってきまーすっ」
るるかは舞台へ、意気揚々と出撃! していきました。
オズに望みを叶えてもらうため、ドロシーたちが西の悪い魔女退治へと旅立った、ちょうどその頃。彼らの様子を、遠くからじいっと覗いている瞳がありました。
「知恵に、心に、勇気が欲しいですって? そのために、あたしを倒すですって?」
それは他でも無い、
西の魔女
自身のものでした。
魔女が魔法で見つめる先では、ドロシーにトト、カカシやブリキの木こりやライオンたちが、希望に満ちたきらきらとした顔をして、こちらへと向かってくるのが見えます。
「ふんっ、だ! ずいぶんと楽しそうだけど、そうは行かないわ!」
西の魔女は、悪い魔女。やすやすと倒されてしまうなんてもってのほかですし、何より、旅を続ける彼らの顔。あの笑顔を見ていると、何だかどうしようもなくムカムカしてきます。魔女はドロシーたちが、何だかとても、気に入りません。
魔女はドロシーたちを妨害して、邪魔してやることに決めました。
「オオカミたち! こいつらを引き裂いて、細切れにしちゃいなさい!」
魔女が叫んだ、その途端……何ということでしょう。
ドロシーたちの周りに、凶暴なオオカミが何匹も現れて、一行を襲い始めました……!
「あなたたちなんて、オオカミに食べられてしまえばいいのよ! おーっほっほっほ……あら?」
けれど魔女は、そんな光景を見ることはありませんでした。
ブリキの木こりです! オオカミたちの鋭い牙も爪も、あの硬い身体には通りません……木こりは飛び掛るオオカミたちを、斧でばしばしと叩きのめして、あっという間に追い散らしてしまいました。
「何やってるのよ、もう! えーいっ、次はカラスよ! 行きなさい、カラスたち!」
続いて魔女は、空を飛ぶカラスの群れをけしかけました。
黒い帯のように連なるカラスたちが、ドロシーたちを襲います……けれどそれも、すぐに追い払われてしまいました。
カカシです! カカシは畑に立って、今までに何百羽という悪戯カラスを追い払ってきた、それはもうベテランなのです。くるくると回って両手を振り回すと、カラスたちはカカシを怖がり、散り散りに逃げていってしまいました。
「まったく、もう! どいつもこいつも役立たずだわ! 次は、あなたたちが行きなさい!」
憤慨する魔女は、彼女が居座って乱暴している西の国の住人たちに槍を持たせて、ドロシーたちを刺してしまうように命じました。
もちろんそれらだって、上手くは行きませんでした。
ライオンです! 臆病なライオンは、ぎらりと鋭く痛そうな槍を見るなり飛び上がって、驚きの声を上げました。そのびっくり声は、恐ろしい獣の吠え声に良く似ていたので、西の国の住人たちはライオンよりももっと驚いて、槍を放り捨ててひざまずき、食べないで! と懇願し始めました。
ドロシーは三人を、頼りになる仲間たちを笑顔で労い、トトもその周りを嬉しそうに、飛び跳ねながら回っています。
それを見ていると、仲の良さそうなところを眺めていると、魔女はますますムカムカしてくるのです。なぜだか彼らが、とっても気に入らないのです!
「……ああ、もう! こうなったら!」
魔女は、きーっ! と地団太を踏んで、ヒステリックに叫びました。
「こうなったら、あたしが自分で、あいつらを蹴散らしてやるんだから!」
ここからが、一番のハイライト。
西の魔女と、彼女の元へとたどりついたドロシー一行との、対決シーン!
「あなたたちなんて、みんな死んじゃえばいいんだわ!」
魔女ことるるかがずばっと手をかざせば、由貴奈がすかさず音響効果を操り、エフェクトスポットライトを当てて……巻き起こる炎、走る稲光!
「おーっほっほっほっほ!
さあ、恐れをなしてひれ伏しなさいっ!!」
立ち塞がるハイテンション魔女、るるかに立ち向かうドロシー一行!
両手を組んで祈るようなナスティの前へ、愛犬トトこと麗仁が走り出て、
「わん、わんっ!」
「二人とも、ドロシーとトトを守りましょう!」
ブリキの木こり、夕莉が良く通る声を張り上げると、仲間たちがそれに応えます。
「そうだね、そうして魔女をやっつけよう!」
「わ、私も頑張るよ。私は臆病だけど、みんなと一緒なら……!」
雛も夏朝もしゅばっと身構えたら、いざ決戦!
魔女が放つ炎によってあたりはめらめらと燃え上がり、熱気にあおられ、背景は蜃気楼のように揺らめきだし。稲妻がどかんと落ちたところでは爆発音が鳴り響いて、観客たちも、うおっ! とのけ反ります。
魔女の攻撃にも怯まず、ドロシーたちだって、負けてはいません。木こりは勇ましく斧を振りかざし、カカシは回転しながら腕を振り回し、ライオンは吠えながら爪を閃かせ……そのたび光るエフェクト、タイミングばっちりな効果音。繰り広げられる、ド派手なバトル!
「皆さん、頑張ってください……!」
祈るドロシー、けれど仲間たちは大苦戦! 西の魔女の魔法はあまりに強力で、強大なのです。
徐々に追い詰められていく仲間たち……と、そんな時。自分にも何かできないかと探すようなそぶりで、ナスティが取り上げましたのは……バケツ!
もちろんそれは空のバケツではありましたけれど、ナスティはそれを重たげに持ち上げて、抱きかかえて。そして、魔女るるかの元へと走ります。
「ええーい!」
ナスティがバケツの中身を引っ掛けるふりをすれば、もちろん由貴奈が、エフェクト効果で演出を加えまして。
ばっしゃーん!! 仲間たちとの戦いに夢中だった魔女はあえなく水をかぶり、
「きゃああああああ! 水は、水だけは止めてーっ!」
魔女の弱点はまさしく、水! なのでした。るるかはぺたんと床へお尻を付き、わんわんと泣き出しました……もちろんバッチリ秀逸な、これも演技でしたけれど。
激しい戦いの末。仲間たちの踏ん張りと、ドロシーの機転によって、魔女は地べたへべちゃんと落ちると、もう降参! と叫びました。
オズの言う通りに、彼らは西の悪い魔女を、倒して見せたのです……! トトも嬉しくって、
「わん、わおーんっ!」
とはしゃいで、遠吠えのように鳴いています。
けれど。
「うわあああん! あああああん!」
仲間たちはそれを泣き真似だと思って警戒したものの、ドロシーは首を傾げました。何だか、泣き喚く魔女が、寂しそうな普通の女の子に見えたのです。
ドロシーは魔女の側へ腰を下ろして、
「西の魔女さん。あなたはどうして、悪さをしていたんですか? どうして、私たちの邪魔をしていたんですか?」
「わああああん! だってあたしには、何も無いんだもの……」
魔女は、羨ましそうにドロシーを、トトを、仲間たちを見回します。
「あたしには、ライオンみたいな勇気は無いし、カカシみたいな知恵も、ブリキの木こりみたいな心も無いんだもの。一緒に泣いたり、笑ったりしてくれる友達だって、ひとりもいないんだもの……」
魔女はそう言って、わんわんと泣き続けます。西の悪い魔女は、本当はただの可哀相な女の子で、寂しくってたまらなくって、ちょっと癇癪を起こしていただけだったのです。
ドロシーたちは、きょとんと顔を見合わせて。そして、みんなでこくんとうなずきました。彼らにとっては、魔女も自分たちと同じ、何かを欲しがっているだけ。ただ、それだけに思えたのです。
ドロシーは手を差し出して、優しく微笑みながら言いました。
「魔女さん。あなたも一緒に、オズの魔法使いのところへ、行きませんか?」
(そうでしたね、オズの魔法使いってこんな話……でもあれっ、本当は魔女はやっつけちゃうんだったようなー?)
結梨亜・カールシュテイン
の記憶とは少々、食い違いはありましたけれど。
でも演劇部というだけあって、彼らの演技はこなれていて巧みで、安定感がありました。大筋は誰もが知っているお話なのに、結梨亜も見ているうち、ぐいぐいと引きこまれてしまいます。それに、場面場面に合わせて投影される映像による演出も美しく、ストーリーを盛り上げておりました。
(ドロシーもトトも、三人の仲間たちも。みんなそれぞれ、応援したくなっちゃいますねー)
没入感は、もうばっちり! なのです。
(あ、記事では、原作との違いにも触れておきましょうかねー。これは書くことがたくさんあって、迷ってしまいそう!)
結梨亜は、彼らの劇を最後までじっくりたっぷりと見届けるべく、ちゃきっと構えたオペラグラスを覗き込みます。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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