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【演目その12 『マッチ売りと魔法のマッチ』(1)】
演劇祭の日。
浅葱眼鏡店
の店番を引き受けた
浅葱 甚三郎
が、時計を見てつぶやきます。
「おう、そろそろかねぇ」
孫たちが今日に演じるという舞台を、彼ももちろん応援しています……と言いますのは、眼鏡屋さんの店内や店先に張り出されたポスターに、彼がぴらりと手にしたチラシなどが、大いに示しておりました。
もちろん甚三郎さんだって、孫たちの応援にかけつけたいところではありますけれど……お店をほったらかしにしてしまうわけにも行きませんもので。
というわけで、
「へいへい、浅葱眼鏡店、通常営業中でございますよ」
ただ彼は店先に出て、その成功を祈るのみなのです。
観劇のためにスターヒル・シアターを訪れたものの、いまひとつ物足りないと思っていた
灯 斗南
には、突然に任された照明係という役割は、ちょうど良い機会だったと言えました。
ただし彼は未経験、照明機具の扱いは先ほどに一通りのレクチャーを受けたとはいえ、ほとんどこれがもう、ぶっつけ本番です。
(けど、やるしか無いよな)
とはいえ、飛び入り参加した劇団『イーリス』には、いかにも心強い面々も揃っているのです。
「さあ、いよいよ本番よ! 腕が鳴るわね……!」
浅葱 ききょう
は、気合十分!
「灯さん、突然のお願いだけどよろしく頼むわね! 俳優の皆も頑張って、楽しく行きましょ!」
と声をかけると、
小島 海美
ちゃん、
飛吹 蓮太郎
と
広村 正敏
のオジさんコンビが揃って、はーい! と元気良くお返事。
ちょっぴり不安そうな顔をしているのは……不安そうな顔、ですよね? 少々お顔が怖い
斉藤 次久
ですけれど、その内面はちょっぴり気弱、心優しい人柄なのです。そんな彼へ、
「……大丈夫、ですよ……。きっと上手く行きます、から……」
「浅葱さん……ありがとうございます。頑張ってみます……」
浅葱 あやめ
が励ましますと、次久はこくりとうなずきながら、脳裏へとある恩人の顔を思い浮かべ、きゅっと口元を引き締めました。きっと、見ていてくれるはず……!
そんなメンバーたちをひとつ眺めて、座長のあやめもまた。
(……舞台の上でなら。光り輝くこの場所なら……そこにいるのは、『僕』ではないから……だから)
開幕を前に、徐々に、静かに。役柄へと、没入していきました。
暗くなった場内へ、ぽつりとキャンドルを灯してやってきた司会者さん。
「さあ続きましての演目は、きっと誰もが知っている、あの可哀想な少女の物語。恵まれず、誰に省みられることも無く、悲しい最期を迎える運命の、あの少女のお話です」
静かに静かに、観客席へと語りかけます。
「『マッチ売りの少女』、皆様ご存知のことと思います。寒い寒い冬の夜、マッチを売る少女……怖いお父さんに怒られてしまうから、彼女はそれを売り切るまでは、家に帰ることができないの。でも道行く人々は、彼女に見向きもしない。やがて少女は、自ら灯したマッチが見せる幻想に抱かれながら、ひとり凍えて死んでしまう……」
と。ハルさん急にむっとした顔で、
「でもそんなのって、あんまりよね? お姉さんはそんなお話、全ッ然! 納得行かないわ!」
ぱあっ! と一気に、場内が明るくなっていきます。
「子供向けの童話ってね、結構残酷だったり、悲しい終わり方だったりするわよね。そんなのって、納得行かない! きっとそんな風に思ってる人、多いんじゃない? だからね、次の舞台はそんな悲しいお話じゃなくて、底抜けに明るいお話!」
ふっとロウソクを吹き消して、軽やかに腕を翻して、観客たちを導きます。
「これは、交錯するいくつもの運命のお話。様々な童話の主人公や登場人物たち……その力を借りながら、運命を変えたマッチ売りの少女の、もうひとつの結末! ご覧いただきましょう、どうぞ!」
「『
劇団イーリス
』で、『
マッチ売りと魔法のマッチ
』!!」
まずは
ナレーション
を務めるききょうが、するりと舞台の端に現れました。
取り出した眼鏡をかちゃりとかけて。ぱらりとめくった本を、観客席へと読み聞かせるように。
彼女は、語り出しました。
「劇団イーリスの劇。
『マッチ売りと魔法のマッチ』の、はじまりはじまり~!」
それは、大晦日の夜のことでした。
冷たい雪の上をはだしで歩く、ひとりの
マッチ売りの少女
。冬空の下をとっても寒そうに、誰かを見かけてはぽてぽてと駆け寄って、
「マッチは、いりませんかー?」
別の誰かを見つけては、ぱたぱたと走っていって、
「マッチ、かってくれませんかー?」
かごいっぱいのマッチを、少女は売り歩いておりました。
けれど、破れたシャツを色とりどりの布で繕った、貧しい少女のことなんて、だあれも見てはくれません。こんなに寒い夜なのに、マッチは全然、売れてくれません。
「どうしよう! だれもマッチ、かってくれない!」
「このままおうちにかえったら、おとうさんにおこられちゃう……!」
そうなのです。少女のお父さんは、とっても怖い人。マッチを全部売ってくるまで、家に帰ってくるな! って、少女を家から追い出してしまったのです。なんてひどい話でしょう!
「マッチ、いりませんかー?」
それでも少女は健気に、寒さをこらえてマッチを売るのです……。
マッチ売りの少女こと海美は、ぴょんっ! 突然舞台から飛び降りて、観客席へと乱入! あんまり売れないもので、なんとお客さんにもマッチを勧め始めました。
まず目を付けたのは、最前列。ぱたぱたぱた! とやってきたのは、
「マッチ、かってください!」
「……あたしかよ?」
目をぱちくりとしたのは、
獅子島 市子
です。注目する周囲の視線に、彼女はちょっぴり、バツが悪そうな顔をしましたけれど。やがてぽふんと海美の頭に手を乗せまして、
「しゃあないね。買ってやるよ」
「ほんとう!? やった、ありがとう!」
海美は嬉しそうにマッチを手渡して、次のお客のところへ、ぽてぽてぽて。
「マッチ、いりませんかー!」
緋紅朱 赫乃
は、もちろんふわりと微笑んで、
「おひとつ……ください、な……?」
「やったあ、ありがとう! はいっ、どうぞー!」
遠野 まほろ
のところへも、海美はぽてぽてぽて。
「マッチ、はいっ、どうぞー!」
「わぁ、ありがとう……あれっ、でもタダで配っちゃっていいのかなぁ……?」
かごの中のマッチもずいぶん減って、海美はぱたぱた、元気に舞台へと戻ります。
ぴょんっ! 再び寒空の元へと帰ってきたところで、はたと気付いたように、
「あっ、しまった! タダであげちゃダメだった……!」
うえーん! なんて、泣きまねもお見事な海美ちゃんでありました。
舞台袖でそれを見据える、次はあやめの出番。蓮太郎がぽむっとその肩を叩いて、
「頼むぜ、座長!」
彼の向こうでは、少々戸惑いながらに、斗南も照明を操作しています。
あやめはうなずいて、ぱたた、と衣装の翼をはためかせ、舞台へと飛び立ちました。
少女の頭上で、一羽の
ツバメ
がぱたぱたと、翼をはためかせています。
ツバメには、とても大切なお友達がおりました。それはこの、『しあわせの王子』の像。
名前とは裏腹に、王子の像はみすぼらしくて、汚れていてぼろぼろで、二つの目にはぽっかりと穴が開いています……誰も彼を、しあわせの王子だなととは呼びません。けれどツバメは、知っています。
「瞳を失い、黄金の輝きを失っても。それでも貴方は美しいです、王子様……」
彼が自分の目にはまっていたサファイアを、貧しい少女に譲ってあげたことを、ツバメは知っています。金箔の肌を全部剥がして、貧しいひとたちに分け与えたことを、ツバメは知っています。腰の剣にはまっていたルビーだって、王子様は差し出してしまったのです。
王子様が自分の全てを誰かに分け与えてしまったことを、そうするようにと頼まれて、人々のもとへ彼の一部を届けたツバメ自身が、誰よりも一番良く知っているのです。
「だから、ぼくはその目に。その手の代わりに、ぼくはなりましょう……貴方の代わりに、ぼくは、誰かへ幸福を届けたい……!」
みすぼらしくても、王子様は『しあわせの王子』なのです。その美しい行いは、誰よりもツバメの胸の中へと、ちゃあんと息づいているのでした。
やがてツバメは、マッチ売りの少女を見つけます。貧しくて、ひもじくて、今にも凍えてしまいそうな、可哀想な少女の姿を。
王子様は少女を見下ろして、ぽっかり開いた目から、静かに涙を流します。彼にはもう、彼女にあげられる宝石も、金箔の肌も、何も持ってはいなかったので。
「そう……貴方の代わりに。ぼくが、幸福を」
ツバメはその涙を、そっと翼で拭い取ってあげてから。王子様の想いを胸に秘め、彼の代わりに、颯爽と飛び立ちました。
ききょうが袖を覗いて、ぱちりと片目をつぶってみせました。その視線の先にいる斗南の背を、正敏がぱしん! と叩いてはっぱをかけます。
「よーっし、最初の見せ場だ! お互い気合入れていこうぜ、灯くん!」
「……はいっ」
隣では、バッチリ衣装に着替えた蓮太郎と次久が、スタンバイ!
海美の使っているかごやマッチ、それに蓮太郎の持っている刀などなど、舞台で使う小道具の多くは、次久の自作によるものでありまして、
「こりゃ出来がいいな! 器用なもんだなぁ、次久くん」
「そ、それほどでも……いえ。ありがとう、ございます……」
蓮太郎は、照れたようにそう言った若者を眺めて、眩しそうに目を細めます。どうにも彼が見た目に反し、引っ込み思案な性質であることは、顔を合わせてすぐにも分かりました。
「……いい舞台にしようぜ。なっ、鬼さん!」
「はい、桃太郎、さん……!」
もうしばらくすれば、二人も出番です。舞台の上の海美とあやめを見据えながら、彼らはその時を待ちます。
「わあ!」
ぽてん! と雪の上に転んでしまった少女のもとへ。ツバメが空から、ひゅうと舞い降りました。
ツバメは親切に、散らばってしまったマッチのひとつをくわえてかごの中へと戻してあげながら、
「お嬢さん、大丈夫かい?」
「うう、ひもじいよう。さむいよう……!」
少女は凍えて、空腹に嘆きながら、それでもこぼれたマッチをかき集めます。
その健気な様子に、ツバメの胸は、ずきりと痛みました。
「……ごめんなさい。ご覧のとおり、ぼくはただのツバメです……君のために、大したことはできないけれど。せめてこのマッチを拾うのを、手伝うよ」
「ほんとう? ありがとう、ツバメさん!」
そう言って笑う彼女のために、ツバメがしてあげられることは、それしかありませんでした。
二人は協力して、かごの中へマッチを拾い集めていきます。
「うう、でもひもじいよう。さむいよう。ツバメさんもさむい? じゃあ、おれいに、マッチに火をつけてあげるね。すこしだけ、あったかくしよう!」
と。その時でした。二人に、おかしなことが起こったのは。
寒さに耐えかねた少女が、しゅっとマッチを擦った、その瞬間!
「わぁ、すごい!」
ぱあっ! と、二人の目の前に、ぽっかりと現れたのです……見たことも無い不思議な世界への、入り口が!
海美がマッチを擦った途端。なんと……ぐるぐるぐるぐる! 海美とツバメを乗せて、舞台の中央が、結構なスピードで回転を始めました。この劇場、こんな大掛かりな演出だってキッチリこなせてしまう、かなりの本格仕様なのです。
揺らめくマッチの炎に合わせて、二人の足元からは影が伸びて、ゆらゆらと踊ります。
演出担当のききょうが考案した、廻り舞台を使ったとっておきの演出。客席からは、おおっ! 歓声が上がりました。
少女が擦ったマッチが、きらきらと輝いています。ツバメは、はっと気付きました。
それは、彼の翼からこぼれた、涙。ツバメが拭ってあげた、王子様の涙。
「振りかかった王子様の涙が、君のマッチを、魔法のマッチへ変えてしまったんだ……!」
「わぁぁ……!」
初めて見る世界に、少女は目を輝かせて、興味津々です。我慢できずに少女は、ぱたぱたぱた! 走り出して、飛び出していってしまいました。
「ツバメさん、一しょにいってみよう! 一しょにあそびましょう!」
ツバメは寒空の下で、胸があたたかくなっていくのを感じました。王子様の優しい涙が、少女を笑顔にしてくれたことに、たまらなく嬉しくなってしまったのです。
ツバメももちろん、ひゅうと飛び立ち、少女の後に続きます。
「そうだね。ぼくもついていこう。君を見守るよ、ひとりじゃ心配だからね」
「うん!」
見たことも無い世界へと、少女とツバメは、旅立ちます!
二人の先には、一体、どんな心躍る冒険が待ち受けているのでしょうか?
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シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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