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【演目その7 即興☆ねこじま劇団・三毛猫座『三夜湖畔別荘殺人事件』(5)】
「協力して差し上げましょうか?」
探偵たちへと申し出た彼もまた、疑いをかけられる対象ではあったのだ……それも大いに。にんまりと笑う加瀬はそう言って、弓弦原、塔尾、そしてガイの顔をゆっくりと眺め回した。
訝しむ彼らへ、浅沼が割って入り、言う。
「彼は作家だそうだ。そういった知識もあるんだろう……別に構わないんじゃないか?」
「……分かった」
弓弦原がうなずくと、加瀬はますますにんまりと笑みを頬へ張り付けながら、探偵たちと共に倒れた綾花の傍らへと屈み込む。
「ふむ。鋭利な刃物で一突き……と言ったところですか」
楽しそうな加瀬が言うように、綾花の身体には刺し傷があり、それが彼女の命を奪った直接の要因であることが見て取れる。しかし周囲に、それらしき凶器は見当たらない。
「ねえ、これ、ダイイングメッセージっていうやつじゃない?」
パシャ、と状況を写真に収めながら、塔尾が言う。確かに目に付くのは、彼女の指先だ。
血に濡れた綾花の指先がなぞった軌跡が、何かの形を描き出している。が、一見しただけではそれが何であるのか、判然とはしなかった。
「何の形かしら、これ……?」
「ふははは、我にかかればこのようなもの、一目瞭然だ!」
ガイが大きな声を出すと、弓弦原が目を細めながら問い返す。
「お前には、何に見えるんだ? 彼女のダイイング・メッセージが」
「決まっている。これは、『帽子をかぶっている猫』だ! つまり、帽子をかぶっている者が犯人!」
探偵たちは顔を見合わせた後、揃って浅沼のほうを見る。肩をすくめて、首をゆるゆると振った彼は確かに、キャップをかぶってはいた。血の跡が示す模様も、言われてみれば、そのように見えなくも無いが……。
「……あっ、見て、ここ!」
塔尾が指差したのは、床のとある一点だ。そこには水滴が溜まり、不自然に濡れていた。
弓弦原が、何かに気付いたように、はっとしてそれを見つめる。
「水……? まさか……!」
東の名探偵、弓弦原の頭脳が、鋭く答えを導き出す……が、しかし。その直前であった。
「はわわ~! 大変ですー!」
場の空気を切り裂くように駆け込んできたメイド、稲井の一言が、状況へ更なる混乱を呼び込む。
「深倉さんが、殺されてますよぉ~!」
目を覚ましたところへ耳に飛び込んできた一言に、理紗子は、
(ええっ!? わたし、やっぱり死んじゃったの? そ、そんな……)
演技なのか本当なのか、何だか自分でも良く分からなくなってしまった末に、また気を失ってしまった……なんて思っていたら、本当に死んでしまったらしいのです。自分が。
そ、そんなぁ……! と、彼女が打ちのめされておりましたら。
「……そのまま動かないで、りさちん」
聞き慣れた声が、こっそりこそこそと、耳元で小さくささやきました。
「ま、まーちゃ……」
「しー。そのまま死体役、してて。大丈夫、りさちんならやれる。立派な死体になれるわ」
どうやら、舞台はまだ続行中のようです。まだ生きているようで何よりですけれど、そんな風に言った親友の言葉にまたちょっぴり、ええっ? と思ったりもしつつ。
(わ、私は死体役……私は死体、私は死体……私は死体……や、やっぱり私、死んじゃったんだわ、そんなのやだ……!)
……しばらく、そっとしておきましょうか。
第二、第三の殺人が起きてしまった。オーナーの主治医、深倉の死因は、頸動脈への刺し傷。
「ボールペンか何かが凶器でしょうね。犯人はかなり、人体の構造に熟知しているはず。つまりは……」
「犯人は、医者!?」
加瀬の鋭い考察に、塔尾がはっとして、周囲を見回す。
そう。もう一人の医者、斑鳩の姿が、その場には見当たらなかった。
「む? 宇宙人では無かったのか、いや違うぞ、分かったぞ! あの医者がつまり、宇宙人だったのだ!」
ガイが叫び、きょろきょろと斑鳩の姿を探す。
しかし、弓弦原は首を捻る。
「おかしい……」
「どうした?」
浅沼へと彼は語る。
「第二の殺人、オーナーの娘綾花の死因とは、手口が違いすぎる……同一の犯人によるものとは思えない」
「つまり……犯人は別。二人いる、ということか?」
恐るべきことに、彼の言うことには、この別荘の中に、少なくとも二人の殺人犯が潜んでいるというのだ。
高飛車な令嬢、深林がねちっこい物言いで、あさひとビアズリー、一颯や朝鳥、猫島などを指差し、
「あなたに、あなたに……ああ、あなたも怪しいわね。皆、グルなんじゃないかしら?」
「ほう? お嬢さんを疑うというのなら、私も黙ってはいられんね。君こそ、その落ち着きぶり。犯人だからこそ、では無いのかねぇ?」
「そうとも、こんな時にこそ、落ち着こうじゃないか、皆。さあ、紅茶でも呑んで」
「冗談じゃないわ……毒でも盛られたら、たまったものじゃないわよ」
朝鳥がきっぱりと言って、一颯のカップを拒否したことが、ひとつ決定的な溝となったようだ。
混乱が混乱を呼び、疑心暗鬼を呼ぶ……別荘の客たちが、互いに互いを疑い合う状況が生まれていた。
彼らを眺め、猫島が頭をかきながら、つぶやく。
「いやぁ……まいったな~」
(ほほう、やるじゃねーか!)
こちらは、ダンディ・ヴォイスでナレーションを続けております、マグロさん。舞台の上では、指名された役者たちが、これがなかなか立派に演技をしておりまして。時に引っ掻き回し、時に展開を引っ張り導いたりと、何だかんだで即興劇もここまで、上手く進行しているように見えました。
(よしよし。こうして盛り上がったまま終われば、俺も真っ先に、死体役を買って出た甲斐があるってもんだぜ……ん?)
そのおかげで開幕一番、出演者たちには衝撃が走ったわけですけれど……それはさておき。ふとマグロさん、彼女の様子が目に付きました。
未だ舞台へ姿を表そうとせず、何やら機会を伺っているようなそぶりを見せていた、それは
橘 明里
でありました。
(おっ、ようやく出ていく決心が出来たか? よーし、このマグロさんに任せな! ばっちり見せ場を作ってやるぜ!)
と、張り切ってマイクを握ったマグロさん……直後にそんな展開になろうとは、思いもよらず。ともかく、言いました。
「その時、であった! 謎の人物が、皆の前へと姿を現したのだ……!」
「悪い子が、おいたをしてるみたいだねぇ?」
その場の全員が、目を疑い硬直した。唐突に、脈絡無く姿を現した少女が、まるで、この世の者では無いかのようにしか思えなかったのだ。無理も無い、翼を背負って雲に乗り、煌く光を纏う少女を、誰が人であると思えるだろうか。
戸惑う彼らに、少女は自ら名乗った。
「あたしは、この三夜湖畔に伝わる、伝説の
幽霊
なの!」
幽霊。彼女は、幽霊であった! そう本人が名乗るのだから、きっと間違いは無いのだろう。
幽霊は語る……今、この別荘では、更なる悲劇が起ころうとしているのだと。
「チョット見てたら、悪い子が、あたしの仲間を増やしてくれようとしてるみたいだねぇ? でもね、あんまり幽霊が増えちゃうと、大変なことになるの。どうにかしないとね? でも、あたしは幽霊……生きてる人には、生きてる人が対抗しなければいけないのよ。それがオキテ!」
「う、ううーん……」
幽霊が何かしたのかどうかは、定かではない。しかし次の瞬間、驚くべきことが起こったのだ。
死んだと思われていた綾花が、起き上がった。彼女は、生きていたのだ!
「あたしは全てを見ていたけど、生きてる人が解決しなきゃならないの。だから、頑張ってなのー!」
ふっ、と幽霊は姿を消した。数分にも満たない、あっという間の出来事であった。
幽霊! 何やら、とんでもない成り行きになってきてしまいました……!
(えっと……後で、実は死んで無かったんです、ってしようと思ってましたけど……)
明里がしきりに、くいっ、くいっ! と合図するもので、思わず予定を早めて起き上がってしまった綾花。何やらスゴイ展開に、少々驚いてはしまいましたけれど。
(でも、これも即興劇の楽しみ、でしょうか?)
出演者たちへふわんと笑いかけて、このままの続行を伝えました。どうやらこんな状況も、綾花は楽しむことができそうです。
そんな彼女の視線を受けて、リチャードが場を進行します。
「驚きましたが。しかし皆さん、あちらのほうで、何か聞こえませんか?」
彼もまた、結構ノリノリ! なのです。お話を広げるべく、しゅばっと指差した先には、ジニーと遙が、次の展開を用意しておりました。
「クッ……てめえ……」
「なるほど。俺のところへとたどりついたことは、素直に称賛しよう」
よろめき壁へ背を預けた劉は、傷を負っていた。腹部への深い刺し傷……負わせたのは、目の前の男。
医師、斑鳩である。
「あの姪と共に、嗅ぎ回っていたようだが。しかし俺を犯人の一人と目算し、それを強請ろうなどとは、浅はかだったな」
「俺は……」
呻きながら、劉は言葉を搾り出す……この場に及んで、彼を詰まらないチンピラであるなどと言う者は、いないだろう。なぜなら、
「俺は、可愛い姪っ子のためなら……
何だって、やってやるのさ……」
彼の行動の全ては姪の瑞麗のためであり、そのことはもはや、誰にも明確であったからだ。手段にいささかの問題があったとしても、それは紛れも無い愛情ゆえの行いであった。
「ネタは、割れてんだ……あんたが、犯人なんだろう? 今からでも、遅くねえ……黙ってて欲しけりゃ、金を……寄越しな……!」
「この期に及んで立派なことだが、生憎と、お前に渡せるほどの持ち合わせは無い。代わりに渡してやれるものなら……無いことも無いがな?」
取り出したのは、ボールペン。劉へと渡すものがそれ自体ではないことは、すぐにも知れた。
「待ちなさい、斑鳩!」
「神妙にしろぉ、宇宙人めぇ!」
駆けつけた探偵たち……そして、瑞麗にも、彼の命が風前の灯であることは、疑いようも無かったろう。
「……叔叔……!」
斑鳩は逃走へ転じた。彼を追っていく探偵たちをよそに、瑞麗は、叔父のもとへそっと寄り添い、頭を抱き上げる。
「叔叔ッ!」
「瑞麗……お前は……俺に似て、頭が良い……それに……強い子だ……」
ぽろぽろと、止め処なく、流れ出した瑞麗の涙が、劉の頬を伝う。寄り添いあって生きてきた二人の、これが永遠の別れであるなどと、瑞麗はもちろん信じたくは無かっただろう……しかし、そう信じざるを得ない現実が、彼女の前には横たわっていた。
「ダメな叔叔で、ごめんな……一人でも、強く、生きてくれ……俺の二の舞にだきゃ、ぐッ……!」
「叔叔……いや、いや。死なないで、叔叔。叔叔は大事な家族……ずっと、ずっと、るいりといてほしい」
「……二人で、生きてくため……どんなにせこい、汚れ仕事だって……厭わなかった。けど……間違ってたのかな。俺……」
最後に独白のような一言を残し、劉は事切れた。
後には、痛ましい少女の慟哭が響くのみであった。
(よし……そろそろやな、譲!)
柳司はちらりと譲を見て、相手も同じことを考えていることを目線で確かめると、ここまで温めていた作戦を実行に移します。
誰かといくらか役柄が被ることはもちろん折り込み済みではありますけれど、先の遙の演技には、なかなかのインパクトがありまして……用意していたネタを使うなら、ここしかない! と判断したのです。
弓弦原がつぶやく。
「そうか……凶器は、氷だ」
犯人の一人と目される斑鳩を追いつつ、彼はもうひとつ事件も忘れてはいない。
「第二の殺人、後に死んではいなかったと分かったが。綾花を襲った犯人が、確かに別荘にはいる……ヒントは、濡れた床だ。氷をナイフのように固め、犯人は綾花を刺し殺害しようとした。幸いそれは致命傷とはならなかったものの……その時に触れた氷から溶け落ちた水が、床に残っていた。刺した後、氷のナイフは窓の外にでも捨てれば、溶けて無くなり証拠は隠滅される」
綾花を含めた探偵たちは現在別行動を取っており、他方向から犯人を追うことになっている。
そして弓弦原は今、自らの推理に基づき、一人の人物の姿を思い描いていた。
「……深林! 聴取の際、彼女の袖口が濡れていたのは、氷で作った凶器を持ったからだと思えば……! 彼女が犯人か、あるいは何かを知っているかもしれない。一度話を……」
ふと。含み笑いが、届く。
「ダイイングメッセージは?」
「……浅沼?」
笑い声の主は、弓弦原の助手。浅沼であった。
「綾花がメッセージを残していただろう。犯人の特定にまでは至らなかったものの、彼女は犯人の特徴の一部をとらえていた」
「どうしたんだ、浅沼……」
異様な空気を纏う彼を、相棒は案じた。そう、彼は相棒である。長年、一緒に事件を追い続け、そして解決へと導いてきたのだ。弓弦原には彼への、絶対の信頼があった。
その彼が、今、不敵に笑っていた。弓弦原の見たことの無い、邪な笑みを浮かべて。
「ガイ探偵が言っていただろう。『帽子をかぶった猫』……犯人は、帽子をかぶった人物。そして同時に、第二の事件が起こる直前に、袖口が濡れていた人物……弓弦原、あの時お前は、俺の袖口も調べるべきだった」
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
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