this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
マタタビック演劇フェスティバル
<< もどる
1
…
18
19
20
21
22
…
69
つぎへ >>
【演目その7 即興☆ねこじま劇団・三毛猫座『三夜湖畔別荘殺人事件』(4)】
塔尾が次なる聴取を行った二人もまた、いかにもと思わせる取り合わせではあった。
いや。一見すれば、単なる中年男と年端も行かない少女の二人であり、親子のようにも見えた……が、何かが違う。そう思わせる、言わば迫力のようなものが、彼らにはあった。
「……………………」
「探偵さん。私や、私の姪っ子に何か、用がおありかね?」
「ええ、話を……」
「ほう。探偵さんは、私たちも疑っているわけだね」
まずは、
ビアズリー
と名乗ったこの男だ。スーツにトレンチコート、ハットを手に、少女の傍らへ立ち常に離れず、そして周囲を予断無く警戒している。なるほど、少女が彼にとって大切な存在であることは誰にも明白だろう。
笑顔を浮かべ、人当たりは良いように見えるが、瞳だけが挑むように探偵を見つめている。
あさひ
というらしい少女もまた、異様な空気を纏ってはいた。この年頃であれば、何かと騒ぎ立て、走り回り、周囲へ微笑ましい騒動を振り撒いていても不思議では無かろうに、彼女はその表情へ、一片の笑みすらも浮かべはしないのだ。どこか達観したような目で物憂げに事件の成り行きを見つめ、時折ぽつり、ぽつりと叔父であるという男へ何かをつぶやくのみである。
そして、塔尾の目に付いたそれを、この状況で彼女が見過ごしてやることは出来まい……相手が何者であれ。
「ねえ、あなた……それ、ナイフよね?」
「おっと」
かばうように、男が身を差し込んできた。
確かに少女は、一振りのナイフを携帯していた。小振りではあるが、殺傷力としては必要十分な代物だ。護身用だと男はそれを説明したが、少女の仕草から察するに、彼女は日頃からそんなものを身に付けているようだと思えた。
「探偵さん……よもや、このような小さなレディが、犯人だとでも? 大の大人をどうこうできるなどと、本気で考えているのじゃああるまいね? だとしたら、いささか推理が錆び付いているんじゃあないかね」
「なっ」
「無論、だ」
男は飄々としていながら、やはり挑むような目付きで探偵を見据え、断じた。
「私がやったのでもない。理由が無いからねぇ……お分かりかね、探偵さん?」
去り際、探偵の耳に届いた小さなやりとりが、異質なものとして脳裏に残った。
「さつ人じけん……まだおわらないわ、きっと。でもオジさん、わたしたちにはかんけいないこと……先に休みましょう?」
「ええ、そうしましょう。ご安心を、お嬢さんはごゆっくりお休みを……何が起ころうと、私がきっとお守りしますから」
(わああ、キンチョーするなぁ……! 顔がこわばっちゃうねぇ)
できるだけ無表情に……なんて役柄に決めたからには、その顔のこわばっちゃう感じもまた、演技にひとつ味を加えてはくれていたかも知れません。
とはいえ隣には、いつも楽しいピーターおじさんがいてくれます。二人で相談して、ミスリード役として大いに怪しまれてしまおう! と決めたものの、演技なんて初めてなあさひにとっては、おじさんの存在はとっても心強くて、安心できました。本番前は彼だって、緊張しちゃうねぇ、なんて言っていたはずだったのですけれど……いざこうしてみれば落ち着いていて、何て頼もしいことでしょう。
大勢の観客たちの視線を見ると、あさひはそれでもやっぱり、
(うーんでも、あさひはあっち側で、写真を撮ってるほうが良いかなぁ)
とも思ってしまいますけれど。でもピーターおじさんがちらり、こちらに笑みを見せてくれるのを見れば、ぐっと勇気が湧いてくるのを感じるのでした。
さてさて、次なるシーンですけれど……あさひやピーター、それに探偵の松生は一度後ろへ引いて、代わりにひょいっと中央へ飛び出したのは、すれ違い様に松生から、次、あっち事情聴取してきて! とこっそり伝えられた、ガイでした。
「ふっふっふ、任せろ! 我が慧眼で、ぴたりと真実を見抜いてやろう!」
ノリノリです。そして彼女、舞台へと上がってみたことで、ひとつの発見をしておりました。それは、
(突然の指名だと言うのに、こんなにも素晴らしい演技ができるとは、我ってヤバイ!)
でした。
そんなガイの、えー……結局、何探偵とお呼びしたら良いものでしょうか。ともかく続けて彼女の元へと現れましたのは、
木原 一颯
、
朝鳥 さゆる
の二人です。
「よおし、では事情聴取だ! 二人とも、名を名乗れー! そして存分に身の上を語るのだ!」
「さて、身の上と言ってもね……どう話したものかな」
どうも物怖じというものを一切しない性質であるらしい、探偵ガイの元気な声に、
木原
と名乗った初老の男性はひとつ微笑ましそうに笑みを浮かべた。そして、後ろに所在無げに立っている無愛想な少女のことは、
朝鳥
という名であると代わりに紹介した。
そして、言った。
「僕には、過去の記憶が無いのだよ」
「何、記憶喪失というやつか!? おお、推理モノらしくなってきたではないか!」
不謹慎な探偵に、木原は怒りを露わにしたりはしない。ただ彼女へ、優しげな眼差しを寄せたのみだ。
「僕はね……近くの森で彷徨っていたところをオーナーに保護され、以来この別荘に身を寄せていた。オーナーには良くしてもらっていたが、それ以前のことは、何も覚えてはいないのだよ。だから」
ガイを見て、真っ直ぐに見つめ、木原は静かに言う。
「僕が犯人であると疑われようとも、反論はできない。何故なら、僕には僕自身というものが、良く分からないからだ。僕がやったのだと言われれば、否定する根拠も無い。僕は……一体、何者だ? 何故、あの霧深い森を彷徨っていた? 僕もそれを知りたいのだよ、探偵さん。否、知らなければならない……」
「そうかしら?」
大人びた少女、朝鳥が、ふいに口を開く。
「無くした記憶が、そんなにも大事?」
「……例え記憶を無くしたまま、忘れ去られたとしても……
思い出したくもない記憶なら、それでいいんじゃない?」
朝鳥はつまらなさそうにそうつぶやいて、すぐに黙り込んでしまった。
代わりに木原が語ったところによれば、
「彼女はね、例の遺体の側に倒れていたのだそうだよ。そして……僕と同じ、彼女にもまた、記憶が無いのだ」
死んだオーナー、そのすぐ側の湖のほとりに、唐突に彼女は倒れていた。すぐにも息を吹き返したものの、それ以前の一切を、彼女は覚えていなかったと言う。
「ほほう! 記憶喪失の人間が二人もいるとは、これはいよいよもって、あれだな!」
そう。この場には、記憶を失ったと語る人物が、二人もいたのだ。事実であれ虚言であれ、それが奇妙なことであるのには変わりはない……そして探偵ガイは、そこに何らかの答えを、早くも導き出しのだと意気込み、叫んだ。
「良いか? オーナーは湖に頭から突っ込まれていたが、溺死では無い。我々の昨日の晩御飯のおかずを考えれば、それは明白だ。多くは犯人として、夕食の調理を行った者を疑うだろう……だが! しかしそれでは、弱い! 簡単すぎる! それでは視聴率など上がらない! であるならば、我が推理はこうである……そう! ちっさいおっさんが操る透明な宇宙人が降臨してオーナーに毒を盛ったのだ……! そうしてオーナーは殺害された、見よ! 証拠は窓の外に見えるあのミステリーサークルである! 我がさっき作っておいたからな、良い出来だろう、ふはは! 記憶喪失は、ちっさいおっさんが操る宇宙人に拉致され記憶を消されてしまったということだな、どうだ、我のこの名推理に、眩暈すら覚えるであろう! 事件は解決したも同然だな、ふははははー!」
間違いありません。あえてガイには、こう、二つ名を差し上げるべきでありましょう。
『おばか探偵・ガイ』と……!
まぁ観客席、及び他の出演者たちは若干ぽかーんとしておりましたけれど、当の彼女は楽しそうなので良しといたしましょう。
さて。
そんな彼女の名推理はさておきまして……一颯はと言いますと、隣のさゆるのことを複雑そうな表情で見つめ、少々、気にかけておりました。
彼女は演技をしている……ように見えて、それはひどく真に迫っていて、何かしら、演技ではない彼女自身の身の上から来ているのでは無いかと、一颯にはそう思えました。それは彼の人生経験ゆえに読み取れる彼女の印象であり、子を持たない彼から手近な若者へ、ついつい寄せてしまうお節介な気質による、言わば無用な詮索ではあったかも知れません。
けれど彼女は、さゆるは、自身で選んだその役柄に対して、ひどくのめり込んでいるように見えました。アンニュイな顔を浮かべ、切なげな空気を纏い、時に他者を否定し苛つかせるような、挑発めいたセリフを口走る。
一颯自身も劇の盛り上げ役の一人として、謎めいた雰囲気を意識しつつ演技してはいるものの、彼女のそれは、役柄と切り離しては語れない……ある種の独白のような。一颯には、そんな風に思えました。
だから。一颯は、ガイの長セリフが一区切りを迎えた頃を見計らって、こう言いました。
「自分の身の上すら定かではない、僕のような者がこう言うのは、おこがましいかも知れないが。疑心暗鬼は、人身を荒ませる……ぎすぎすしてしまうのは好ましくない。ひとつ、皆で紅茶でも呑まないか? とても、温まるよ」
そして、セットへ小道具として置いてあった空のカップを、二人へ手渡しました。できれば本当に、温かいお茶を淹れてあげたいところでしたけれど、ここは舞台の上ですもので。
「ん? おお、気が利くな!」
ノリの良いガイは、ぐいーっとそれを飲み干す演技を。
さゆるもそれを受け取って、少しばかり、首を傾げた後に……くい、と控えめに、口をつけて見せました。
誰が見ようとチンピラ、としか形容のしようの無いその男、
劉
。彼へもまた周囲から疑いがかかることは、もはや自然の流れであった。
「別に、否定はしねーよ。俺ぁケチなチンピラ、その通りさ……事によっちゃあ、手段は選ばねぇ。ヒモの真似事、ゆすりタカりもお手の物ってな?」
「ちがう!」
そんな彼の印象がいくらか和らげられているとすれば、その姪っ子であるという、この小さな
瑞麗
の手柄に他ならない。
「叔叔はひと殺しなんか、しない! 女のひとだます、お財布ぬすむ……叔叔のしたわるいこと全部、るいりのため。るいりにごはんくれるため、しかたないことだった……るいりがくいしんぼだからいけない、だからおねがい、叔叔、いじめないで……」
「分かった、分かった。もういいぞちび、もう言わんでいい」
姪の頭を撫でるその手つきは、確かに慈愛が滲んでいた。全く動機が無いわけでも無く、疑いが完全に否定されるほどでは無いにしろ、劉という男にとってこの姪が至極大切なものであるのはもちろん、誰の目にも知れたのだ。
しかし、である。劉とその姪への聴取が、この時突然にして中断せざるを得なかったのは、瑞麗が涙目で叔父の前に手を広げ、立ち塞がっていたからでは無かった。
「……いやああああああ!!」
探偵、弓弦原とその助手浅沼の耳にも鋭く届いた悲鳴が、事件を加速度的に展開させていく。
「まさか……第二の殺人が……!?」
「くそっ、俺が目を離した隙に……!」
二人が駆けつけたところで、目にしたものは、
「これは、オーナーの娘……綾花!」
『猫パーカー探偵』として精力的に活動していた綾花が、ぐったりとして、床に倒れ伏している姿であった。
(おや。先を越されてしまいましたか)
ぱたんと倒れている綾花と、先ほど舞台の陰で、譲や柳司などが何やら相談していたのには、礼二も気付いてはいました。
他にも、即興劇に盛り上がりを加えようと、胸に作戦を秘めていたり、こっそりと連携を取って打ち合わせをしている出演者なども、中にはいるようです。
礼二も、もちろん! とっておきの役割を用意しているのです。
彼、読者モデルなどで活躍しているというのもあってか、演技は大得意でありまして……ミステリアスでちょっぴりうさんくさーい、そんな役柄だって、もうお手の物なのです。
(そろそろ動きましょうか。もちろん、盛り上げて差し上げますよ?)
分厚い本をぱたんっと閉じて、礼二は椅子から立ち上がり、動き始めました。
<< もどる
1
…
18
19
20
21
22
…
69
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
マタタビック演劇フェスティバル
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
160人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月14日
参加申し込みの期限
2015年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!