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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~立入禁止
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【走る猫、一匹】
「ななな何なのだこれ何がどうなってるのだ~!?」
びっくん! と身を仰け反らせて、
後木 真央
は思わず口走りました。
目の前に、陸上部の部室。その見慣れた扉。けれど今日はちょっと……いえ何だか、どうにも事情が違っているようなのです。
「せ、センパイ? みんな、中にいるのだ?」
黄色、黒、黄色、黒。どっかで見たよーな警戒色のテープが、部室の入り口にこれでもかと張り巡らされているのです……! 大概のことは笑って流してしまう真央ちゃんも、これにはちょっぴり、と言いますか、かなりドン引きであります。
「んもーみんな冗談キツイのだこんなイタズラして~、真央ちゃんびっくりなのだ」
気さくで優しいセンパイたち、明るく楽しい陸上部の仲間たちですけれど、少々度が過ぎる悪戯と言えましょう。さすがの真央も眉をきりりっ! と吊り上げて、ぷりぷりとしながら手を伸ばして、
「先生に見つかったら怒られちゃうのだ剥がしておくのだ~……」
ぺりりっとテープの一本を剥がしたところで、気付きました。
自分の手が、押さえ切れないほど、ぶるぶると震えていることに。
張り詰めて、破れてしまいそうに鳴っている、心臓の鼓動に。
仲間たちと一緒に、お喋りしたり、つまらない話題で大笑いしたり。一心に部活へ励んだり、バカなことをしている間は、考えずに済んでいたのです。全力で騒ぎ、遊んでいる間だけは、逃れていられたのです。
そうしている間だけは、苛まれずに済んだのです。自分が本当は、どこへ行っても一人きりなのではないか、という不安に。
親しいはずの誰とも、本当は、自分は分かり合えてはいないのではないだろうか。必要とされているように見えて、その実、疎まれているのではないだろうか。誰しも口には出さないだけで、自分は一人ぼっちなのではないだろうか、と。真央はいつだってそんな不安を、心に抱えてきたのです。
扉の向こうに見えた光景は、つまりは彼女の、そうした不安が形を成したものだったのでしょうか?
「……何が……どうなって……」
実家の、リビングルーム。父は朗らかに笑い、母と弟は楽しそうに、まだ小さな妹の世話を焼いています。
明るく楽しい家族の団欒、まぶしく輝くその光景の中に、けれど、真央の姿はありません。
「…………~~~ッ!!」
慌てて、ばしんと叩き付けるように閉じた扉。それはやっぱり、陸上部の部室の扉。
「今の……今のは……」
幻? 見間違い? それともただの、自分の妄想?
真央は恐る恐る、もう一度。扉に手をかけ、そっと開いてみました。
広がっているのは、先ほどとはまた違った光景。やや薄暗いそこは、記憶の中、思い出とは少々違ってはいたものの。
「……おじぃ。おばぁ。叔父貴……」
そこは紛れも無く、真央の祖父母の家の、懐かしい居間でした。祖父母と叔父、変わらない三人の姿に、真央は思わず足を踏み出し、扉をくぐります。
懐かしく、あたたかく、真央が本当の意味で帰ってきたのだと思える、自分の家。
それなのに。
じろりとこちらへ向けられた三つの視線は、底冷えするほどに、冷たいものでした。
「あ、靴……! ご、ごめんなさいなのだ、だってほら、学校の廊下だったから……」
慌てて靴を脱ぎつつ、振り返っても、そこには扉など無くて。
真央は、帰ってきたのです。家へ。
土足で汚してしまった絨毯に、真央は申し訳無い思いで、
「あの、ごめんなさいなのだ、後でちゃんと掃除するから、だから……」
「何しに来た」
ぞくん、と。それまで立っていた世界が、覆るような衝撃を感じて。真央は呆然と、そう言った祖父の顔を見返します。
冷たい……氷のように冷たくて、そして敵意に満ちた視線。このまま身をさらしていれば、射殺されてしまいそうなほどに、鋭い瞳。
「何しに来た、と聞いてるんだ。真央。ここはもう、お前の家じゃない。そうだろう」
「……あ、の……おじぃ……」
「全く、最近の子ときたら。あたしゃさっぱり、分かりませんよ」
祖母が頬を歪ませて、ひきつり強張ったような顔で、言いました。
「家族を捨てたあんたは、やっぱりうちも飛び出していって。自分から、全部捨てていったんだろうに、あんたは。それなのに。一体、何がしたいんだい、あんたは?」
「おばぁ……」
がさ、と読んでいた新聞を卓の上へ投げて、ひときわ冷たい目をした叔父が、まるで詰まらない、取るに足らない矮小な虫か何かを見るような目で、真央を射抜きます。
多くは語らず、ただ一言、叔父は言いました。
「出て行け。二度と来るな」
両手に靴を持ったまま、真央は走ります。
どこへ行けばいいのかも分からず。誰を頼ればいいのかも分からず。
「ああ。あああ」
コンクリートの路地を、川べりの土の上を、ぬかるんだ泥水の中を、素足の真央は走ります。
彼らの本心に、気付いていなかっただけなのか。それともただ、気付かないフリをしていただけだったのか。
止め処なく、顔中から流れ出て伝う液体が何なのかも、もう良く分かりません。
「あああ。ああああ……」
そんな真央を見ても、通りすがる人々の誰もが、気使い声をかけることもなく。誰に顧みられることもなく。
真央は、走り続けます。どこまでも。どこまでも。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月17日
参加申し込みの期限
2015年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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