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\ オーバータイム!/
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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~立入禁止
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【いつか、きっと】
誰にも話したことはありません。
最初は、そう……受け入れてくれるかもしれない。へえ、そうなんだ、なんて言って苦笑いしながらも、別に悪いことじゃないよ、胸を張っていればいいんだよ。そう言ってくれるのかも知れません。少なくとも、表向きには。
けれどいつだって、『そうしよう』と思った時には、ちらつくのです。脳裏へ。
目の前の友が、陰で自分のことを嘲笑う時の、歪んだ顔が。仲間たちと共に自分を揶揄し、下卑た哄笑を上げる時の顔が。
誰かれ構わずに広められた噂は、瞬く間に街中へと拡散し、やがて知らない者はいなくなるでしょう。
浅葱 あやめ
は男しか愛せない、歪んだ性癖の持ち主なのだと。かつての友、あるいは想い人そのものかもしれない彼と、同じような嘲笑を浮かべた道行く人々の全てに、罵声を浴びせられ、気色が悪い近寄るなと突き飛ばされ。
陰鬱な雨の日に、泥水の中へと倒れ込んだあやめを、人々は笑うのでしょう。
高らかに。
「……なんて、ね」
そっと足元に寄り添う猫をひと撫でして、あやめは今日も、暗くつぶやきます。
もちろん、そんなことにはなるはずもありません。誰にも、話したことは無いのです。
鏡を覗き込めば、いつもの凶相。鬱陶しく伸びた前髪の合間から、銅色の険しい瞳が、こちらを睨みつけるかのように見つめています。
鋭い目付きは、あやめの持つコンプレックスの一つです。時に人を怯えさせ、諍いの種にもなるこの瞳を、あやめは嫌い、恐れ。それを覆い隠すために伸ばした髪とも相まって、毎朝こうやって鏡を見るたび、ひどく沈鬱な表情を彼に浮かべさせるのです。
鏡の中の自分に、突きつけられているような気がしてくるのです。誰にも愛されるわけがないと。
「…………っ」
ぶん、ぶんと首を振ってから。手早く身支度を済ませてしまうと、あやめは店へと向かいます。
歩きながらも、思考は付いて回ります。
それでも、いつかは。そう思うことも、もちろんありました。いつかは、こんな自分を受け入れてくれる、素晴らしいパートナーが現れてくれるかもしれない。人生を分かち合う誰かが、やってきてくれるかもしれない。
同時に思います。儚い願いだと。叶うはずも無い、陳腐な望みだと。自分の本質を知られてしまえば、必ずどんな相手も、自分から離れていってしまう。顔を歪ませ、嘲笑い、あやめの秘密を所構わずに吹聴して回るようになるのだと。
(だから、僕は……)
誰にも話したことは無かったのに。いっそ全て捨ててしまえたら、ラクになれるかもしれない、そんな風にまで思っていたくらいだったのに。
それなのに。
(……? 何ですか……これ……)
目の前に現れた、それ。黄色。黒。黄色。黒。店へ続く扉を封じるように張り巡らされた、警戒色のテープ。
それは、あやめのための規制線。
腹部を絞り上げられるような強烈な吐き気に耐えながら、破り捨てた黄色と黒のテープを踏み越えて、抗い切れずに開いた扉の向こうは、参道商店街。
いつもの、見慣れた街並み。
(……違う)
けれどどこか、何かが違う、住み慣れた街並み。
くすくす。くすくす。ふいに、含むような押し殺した笑い声が、あやめの耳に届きます。
そこら中から。
からからに乾いた喉。噴き出す脂汗。背筋を這い登る冷たい悪寒。
くすくす。くすくす。
視線。あやめを取り囲んでいるのは、いくつもの視線でした。見知った商店街の人々、面識の無いただの通行人、いくつものいくつものいくつもの瞳、瞳、瞳が、好奇の色をたたえて、彼を見つめているのです。
(……何……ですか? これ……これは、一体……)
何人かの男たちが目の前へやってきて、ニヤニヤと嫌な笑みを頬に張りつけたまま、口を開きます。いずれも商店街に住む、あやめの顔見知りでした。
「いやあ悪かったねぇ、今まで気付かなくて。辛かっただろ?」
「君、ホモなんだって? 誰にも言えなくて、大変だったろ。くふッ」
「もう気にしなくていいんだぜ。何なら、尻を貸そうか? なんつってな、かかかか!」
全身の肌が粟立つような。足はがくがくと震え。頭の中をぐつぐつと沸騰する真っ黒い何かが占めていく、感覚。
「…………だれにも……」
手を伸ばします。あやめは、他にどうすることもできなくて。手を。
何かを掴むように。すがるように。
「誰にも……話して……」
「おい、近寄るんじゃねえよっ!」
ばしゃ、と水溜りの中に倒れ込んで初めて、雨が降り出していたことに気付きました。
自分が突き飛ばされたのだということに、気付きました。
「ちっ、気色悪ィ」
あやめの眼鏡に唾を吐いて、男はすぐに顔を歪ませ、こちらを見下ろし、仲間たちと哄笑を上げ。
「…………う……ぐ……」
身動きとれず、手を伸ばしたまま、あやめは嗚咽します。
「うゥ、ぐ、ああ。うああ…………」
「おっ、どうしたあやめちゃん? おいおい、泣いちゃってるぜーコイツ」
「うはは、泣き顔気持ちワリー!」
「かはははは!」
空を仰いだあやめの意識はもう、そこにはありませんでした。
こんな時、自分を助けてくれる誰かが、颯爽と現れるような気がして。心から信じられる本当のパートナーが現れて、自分を助けてくれる。そんな気がしてきて。
そう、信じることしかできなくて。
(……僕は、ここにいます。ここにいるんです……早く来て。助けて。僕を、助けてください……)
もちろん、願いが届くことはありませんでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月17日
参加申し込みの期限
2015年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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