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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~立入禁止
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【影を踏む】
またしても。よりにもよって、この場所で。
まったく、笑えない。本当に。
(今度は……誰が、犠牲に……)
最悪だ。つぶやいてから、
呉井 陽太
は張り巡らされた警戒色のテープを破り捨て、階段を駆け登ります。
否応無く胸中に満ちていく、この不安。ある予感。不吉な色を持つその予感が、陽太の胸を瞬く間に占めていきます。
このデパートで事件があったのは、もう随分と昔のこと。陽太がまだ、小学生だった頃のことでした。屋上へと向かうこの階段の途上で、一人の子供が、大怪我をしたのです。
腹部への刺し傷。重傷でした。
負わせたのは、
「……ッ!?」
唐突に腹部を襲った激烈な痛みに、足をもつれさせながらも、陽太はそいつを、真っ直ぐに見据えます。
傷を負わせたのは……そう。視線の定まらない目を真っ赤に充血させ、口からはとくとくと泡を吹き、震える手にぬるりとぬめる刃物を握った、この男でした。
ひゅうひゅうと、声にならない苦悶とともに、必死に息を吸って。吐いて。陽太は眼鏡の奥から男の顔を覗き、色褪せない記憶と照らし合わせ、確信します。
(また……繰り返す気なのか。あんたは……)
よろけて、壁に手を突き。くっきりと残る赤い手形までもが、記憶の中のまま。
あの時陽太を刺した男が、そのままの姿で、目の前に立っていました。
薬のせいだと、後から聞かされました。何もかも、乱用した薬物のため、前後不覚になっていただけなのだと。望んでやったことでは無かったと。
何も覚えていないと、男は語ったそうです。本当にそうなのかどうかは、もちろん分かりません。
陽太にとって分かったのは、覚えているのは、あの時、まだ幼い自分の胸をいっぱいに満たしていた、恐怖。絶望。自分はもう死んでしまうんだという、諦観。
そして、それらを塗り潰すほどに激しく湧き上がる、反逆の心。
陽太は、忘れていません。これからも、忘れることは無いでしょう。
死んでたまるか、とあがき、悶えて、凄絶な苦痛と戦ったあの日のことを。
「……願いは、叶わず。か……」
同時に。陽太は、目の前のこの男のことを、つまらない通り魔に過ぎないこの男のことを、想ってもいたのです。
願っていたのです。もう二度と、と。薬などに惑わされることなく、誰かを傷付けることなく、平穏な心のままに日々を過ごして欲しいと。
出来ることなら。そう、思っていたのに。
願いは空しく、男はこうして目の前に立ち、陽太へめがけ……再び、ぎらつく刃を振り下ろすのです。
(オレは……さ。今でも覚えてるよ)
それが自身の身に届く前に、陽太は男の手首を掴み、押し止めました。
そのままぐいと引き、階段の手すりへと、刃物を持った男の手首を叩きつけます。手を離すまで、何度でも。
(あんたに刺されて……死にかけて。生死の境をさまよって)
やがて手を離れ、からんと階段へと落ちた刃物を拾い上げ、間髪要れず、突き立てます。男の足先へ。
(それでも、死んでたまるか……って。苦しんで、苦しんで。足掻いて、足掻き抜いたことを)
獣のような苦悶の咆哮は、幼かったあの時の自分が聞くことのなかったもの。刃を引き抜くと、男は階段へ腰を落とし、ずるり、ずるりと片足を引き摺りながら、屋上へと這い登ります。
(おかげでさ。こんなに強情な性格になっちゃったよ。良いようにされて、やられっぱなしはご免だ、ってね)
赤い痕跡をぽつり、ぽつりと残しながら、屋上へ逃れた男を追い、陽太はゆっくり、ゆっくりと、階段を登ります。
屋上から見上げた空は、いつか見たあの時と同じ色。
ずるり、ずるりと。より一層蒼白となった男の顔は恐怖に歪み、陽太から逃れようと、無様に必死に手足を動かします。
「……そんなに怯えなくていいんだ。オレは、あんたとは違うから。あんたを殺そうなんて気は、無いんだよ」
そう、そんな気は無いのです。ただ、
「このまま逃がしてあげる気も無いけどね。また誰かを刺されちゃ、困るから」
自分を刺した刃。ぬめりに滑り落ちそうな柄をぎゅうと強く握り締めると、それは陽太の手に、しっくりと吸い付くように馴染みます。
「だから……そっちの足も、使えなくしておくね?」
じくり、と腹の傷が一瞬痛んだものの、それもすぐに、気にならなくなりました。
ひどく手足が冷たくて、寒いけれど……床へ伏した陽太は、それでもどこか満足そうに、笑みを浮かべます。
これでもう、誰かが刺されて、痛い思いをすることは無いでしょう。
少し苦労して身を起こし、仰向けに転がると、目の前にはあの時と同じ色。広がる空。
遠くで聞こえる、サイレンの音。
陽太は微笑んで、ゆっくり、ゆっくりと、瞳を閉じました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月17日
参加申し込みの期限
2015年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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