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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~立入禁止
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【忘却の輪舞】
ずっと不安に思ってた。いつもいつも、不安でいっぱいだったんだ。
ついつい、口に出してしまうんじゃないかって。表に出てしまうんじゃないか、ってね。
……僕かい? 僕は、僕の名前は、
ロベルト・エメリヤノフ
。
できれば、覚えておいて欲しい。心に留めておくだけで、そんなやつもいたんだとたまに思い出してくれるだけで、それだけでいいんだ。
ただ……忘れないでいて欲しいんだ。僕を。
僕だって、何から何まで要領が悪かったわけじゃないよ。
近頃はほら、将来のこととか……やりたいこととか。少しずつ見えてきたような気がして、手応えを感じてたりしたんだ。それに色々な問題を、だんだんと割り切って考えられるようにもなってきた。
でも、それと同時に……自分の中の悪い部分、隠しておきたいような部分が、ひどく気になるようにもなってきた。
例えば、美術部の部室に飾ってある誰かの描いた絵を、素晴らしいって思ったり。ふと音楽室から聞こえてきた音色に惹かれて覗き込んだ先、ピアノに向かう友人の微笑みを、良いなぁって思ったり。そんな時、きっと僕の顔は、にこにこと笑顔を浮かべているはずだよ。
でも、違うんだ。それは僕が、嫉妬に歪む顔が何よりも醜いと、知っているから。心の中までもそうだと悟られないよう、必死に取り繕っているから。
そう……僕は、浅ましい人間だ。何かに触れるたび、感動したり賞賛を口にするたび、僕の心は黒く濁るんだ。
友人の美しい微笑みを、僕は妬むんだ。濁っていくんだ、黒く、黒く……。
それが、僕だったんだ。
その日は確か……そう、覚えてる。誰の悪戯か、教室の入り口に黄色と黒のテープが張り巡らされてた、あの日だ。誰も剥がそうとしないから、仕方なく破って入ったけどね。あまり良い気分にはならなかったのも、確かだ。
だからというわけじゃない。でも、話しかけてきた友人に、その日に限って、僕はひどい苛立ちを覚えた。
「どうしたんだ、ロベルト? ヘンな顔してさ」
「いや、誰かが悪戯をね……そんなに、僕、ヘンな顔かい?」
友人はただ笑って僕の肩を叩き、あの魅力的な笑顔を浮かべた。僕は、彼の微笑みが好きだったよ。ピアノを弾く横顔も、良いなぁって思ってた。そう、僕はそんなにもヘンな顔を浮かべてるってのにね。
「ロベルト? ばかだなあ、言葉のアヤってやつだよ。そんなに落ち込まなくても……」
「……良いなぁ」
その時だって、僕はやっぱり、妬んでた。濁ってたんだ、心の中は真っ黒に。
でもいつもと違ったのは、いつの間にかそれを口に出して、何より、行動してしまってたってこと。
「ロベ、おい、何を……」
「良いなぁ。君ばっかりさ、ずるいよ」
気付いたら、友人の首を絞めてた。かなり思いっ切りね。
周りのクラスメートたちが、ただ事じゃないのを察して、大事に至る前に止めてくれたのは、僕にとって幸いだったのかな。
「……!! あ…………ち、ちが、僕は……違うんだ!! ごめん、僕は、ああ、ごめんよ……」
「っ……ロベ、ル……おち、つけ、って……」
咳き込みながらも、友人はクラスメートたちを制してくれた。大したことじゃないと。ただ、ちょっと錯乱してしまっただけだと。
ほら、こいつちょっと疲れててさ、進路のこととか色々あって。皆だってそういうの、あるだろ? 色々とさ。ちょっと、間違えただけさ。大したことじゃないさ。
な、ロベルト! 気にすんなよ!
そう言って、いつもの笑みを取り戻した友人の首に、くっきりと残った僕の手の痕が、今もまぶたの裏に焼きついて離れない。
時折、思わないこともないよ。もし僕が、友人のように……魅力的な顔だったら。美しい姿でいられたら、って。もしそうなら、僕はこんなにも、自分を卑下しなくて良かったのかもしれない。彼の首を絞めることも無かったかも知れない。
でも……この先、いくら僕が変われたとしても、僕はいつだって思い出すはずだ。僕の醜さを。妬ましさに濁った、心の黒さを。
僕はずっと、この先も、惨めなままだ。
だから、終わらせることにしたんだ。
こうして登ってみたら、随分と高くて、やっぱり恐ろしいけど……このまま、惨めな生を続けるくらいなら。
誰かを傷付けるくらいなら。いっそ。
……でも、やっぱり少し、寂しいんだ。
できれば、覚えておいて欲しい。心に留めておくだけで、そんなやつもいたんだとたまに思い出してくれるだけで、それだけでいいんだ。
ただ……忘れないでいて欲しいんだ。
「……そういや最近、見かけないね。あの、何だっけ、ロベ……何とかいう人。首絞めた人」
「ん? あー。あいつなら……転校した? って話だよ」
「自殺したんじゃなかった?」
「行方不明とかだったような……」
「まあ、別にどうでも良いけどね。ねえそれより、またピアノ弾いてよ! すっごい上手だし、弾いてる時の横顔がさ、カッコよくってさー!」
「おいおい、あんまりおだてるなよ、照れるじゃん! そんじゃ、音楽室いっかー」
「さっすが、話せるー! あのロベ何とかいう人とは違うね!」
「ははは、その話はもういいって!」
……ただ、僕を。
古めかしい、くすんだ色のブラウン管テレビ。
『……心に留めておくだけで、そんなやつもいたんだとたまに思い出してくれるだけで、それだけで……』
暗く狭い八畳間。ぱちぱちと明滅する豆電球。大分傷んだ木製の丸テーブル。しけった塩せんべい。カルキくさい水で作った麦茶。黄色と黒の、何かの切れ端。
ぽちょん。ぽちょん。台所から聞こえる水音の、規則正しいリズム。
卓の前で足を崩し、放心したように画面に見入る
胡乱路 秘子
は、ふいにぽつり、消え入るような声でつぶやきます。
「そう……忘れられて……誰にも見てもらえず、省みられず……ずっと、ずっと……それこそが、一番恐ろしくて、苦しくて」
ぴんぽーん! 玄関で鳴ったチャイムに、
「はーい! どなたでしょうね、こんな真夜中に」
ぴんぽーん! ぴんぽーん! 弾かれたように立ち上がった秘子は、小走りに画面から姿を消して、
「どなた? お父さん?」
がらら、と引き戸の音が聞こえて。
後、震えるような、幼い声。
「……誰? ですか……?」
やがて、がん、と、硬い何かが叩きつけられる音。誰かが走り去っていく、足音ひとつ。
以降。今夜の番組がぶつりと終了し、画面がモノクロの砂嵐にまみれるまで、秘子が再び画面の中に現れることは、ありませんでした。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『ミッドナイト・フリーキー・ショウ!』第五夜のリアクションを、お届けいたします~。
おどろおどろしいホラーとか、サスペンス的ブラックなオチとか、そういうの大好きな墨谷ですけれど。
もともと小心者と言いますか、お預かりした皆さんをヒドイ目に合わせるのは、これでけっこー葛藤なんかもあったりなんだりでして。ええはい。
でも、「思いっきりヒドイ目に合わせてください!」なんて快く書いて下さる、そのお言葉と心意気を信じて! 今回も、思い切って執筆させていただきました。
絶望、していただけましたか?
皆さんの、またいつもと違った一面が表現できていたらいいなー、と思います。
しつこく続けているこのMFS!シリーズですけれど、今後もまだまだ続きますっ。
お見かけの際は、またお付き合いをいただけましたら幸いです。んふふ!
今回も、ご参加いただきありがとうございました!
またぜひお目にかかれますよう、その機会を心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月17日
参加申し込みの期限
2015年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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