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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~立入禁止
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【僕の誕生日】
「おお、目を覚ましたぞ!」
「大丈夫? どこか痛むところは?」
ゆっくりと重たいまぶたを開くと、見慣れた家族の顔。
「……あれ? 僕、どうして……」
神楽坂 澪
は、家族たちに支えられて身を起こし、軽く頭を振って、
「確か、あのヘンなテープが張り巡らされた扉に入って……その後、どうしたんだったかな」
「記憶の混濁が見られますね。しかしまあ、一時的なものでしょう。問題はありませんよ」
混濁。記憶の。白衣を着た医者らしき中年男がそう言うと、あちこちから、安堵のため息が漏れ聞こえました。
周りを見回せば、澪の家族だけでなく、友人、知人、知らない人も含めて、詰め掛けた人、人、人の顔。
「これ……何? 誰かのお葬式か何か?」
ついでに澪は、そこが真白い壁と天井に四方を囲まれた、病室らしき場所であることに気付きました。それも何時か見たことのある、記憶の中にある場所のようです。
女の子が一人、人の群れの中から走り出してきて、澪をぎゅっと抱き締めます。胸に押し当てられる、柔らかい感触。
「ああ、良かった……××! あなたが死んじゃったらって思ったら、私……」
「……へっ?」
首を傾げます。澪の腕の中、泣き笑いを浮かべる女の子。
この子、誰だったっけ……いや、それより。
「××……? 僕は、澪だよ」
口にした途端、今度は女の子、そして周囲を囲む人々が、揃って首を傾げました。
××。××。懐かしく、そして何故だかはっきりと発音できない、聞き取れないその名前。
××。澪の、死んだ双子の名前。
「何言ってるの、××? ふふ、死んだのはあなたじゃなくて、澪よ。だから皆、こんなに喜んでるんじゃない!」
嬉しそうな女の子の言葉に、ぼんやりと。おぼろげな記憶を、澪は手繰り寄せます。
中学時代。あの、交通事故。澪と××を揃ってはねた車の、ナンバープレート。
「本当に良かったよ、死んだのが澪で」
「ええ、ええ! ××じゃなくて、澪が生き残ってたらって考えたら、ぞっとするわね」
「……何、言ってるのさ? だから僕は、××じゃなくて、澪……」
ぎらりと。自分へ向けられた無数の視線が、やけにぎらぎらと険を帯びて。
「なあ……こいつ、本当に××なのか?」
「澪が、××のフリをしてるだけなんじゃないのか?」
「嘘っ!!」
すがりついたまま、見上げた女の子の顔は、必死で。頑なで。
「あなたは××。澪なんかじゃない。澪なんかじゃないわ、絶対に××。そうなのよ、そうじゃなきゃいけないのよ! じゃなきゃ、私は……私は」
ぎらぎらと突き刺さる、疑惑と敵意の瞳。無数の、視線。
「あなた……誰?」
澪は女の子を突き飛ばし、人々を押しのけ、病室を飛び出しました。
思えばいつだって、不安がありました。
あの事故以来、澪の、彼の記憶は狂いっぱなし。自分でも良く分からないのです。
澪なのか。××なのか。自分が本当はどちらなのか、分からないのです。
「はあ。皆ひどいなぁ。あの時は、あなただけでも生き残って良かったね、って泣いてくれたのにさ」
けれど、屋上から見上げた空は近くて、青くて、清々しくて。胸に吸い込む空気は、実に気持ちが良くて。
「……ま、どっちでもいいか!」
今、彼の胸に、不安はありません。見上げたこの空のように清々しくて、爽快な気分が、そこには満ち足りています。
ずっと彼は、『澪』という名の人間を演じてきました。自分が本当にそうであるかは、確信の無いままに。なぜ『××』ではなく『澪』だったのかも、今となっては思い出せないのです。
でも、それももう、どうでも良いこと。
「だって、僕はこうして今、生きてるんだから。あの事故で死んだのは、僕じゃない誰かなんだから。関係ないじゃないか、死んだのが澪だって、××だって、どっちだって」
そう。もう関係ないのです。
彼は、彼。もう、誰かのフリをしなくても良いのです。
くだらない演技からは解放されて、他ならぬ彼自身の人生が、今、始まったのですから!
「Happy birthday、僕!」
そう、美しい空へと向かって叫んだ、瞬間。
どん、という衝撃を背中に感じて、彼は怪訝な様子で振り返ります。
「あれ? やあキミ! 僕を追いかけてきてくれたのかな?」
立っていたのは、あの女の子でした。蒼白な顔に笑みは無く、瞳は虚ろ。両手で、赤い色の果物ナイフを握っています。
「ねえキミ、僕が××じゃなくて悪かったけどさ。何だかこれって、運命的な出会いだって思わない?」
「……あなたは××。あなたは澪なんかじゃない。あなたは××、そうじゃなきゃいけないの。あなたは××、あなたは澪なんかじゃ……」
「今日は僕の、新しい誕生日! 新しい人生を、これからキミと一緒に歩んでいけたなら、きっと素敵だよね。ねえ、どうかな?」
背中が何だか熱くなってきて、がくりと足から力が抜けて、彼は屋上の床の上に広がった、赤い水たまりに膝をつきました。
「おっとっと、病み上がりだからかな? ちょっとよろけちゃったよ。あはは、でも嬉しいな、こんなに嬉しいことはないよ。あははは! 僕は僕で、誰でもなくて、そして自由なんだから!」
急激に襲ってきた睡魔に瞳を閉じるまで、彼は手にした自由への歓喜に打ち震え、笑い続けました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月17日
参加申し込みの期限
2015年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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