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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~立入禁止
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【濁りゆく水】
「あ~、何だっけ? ミッドナイト……なんとかいう。深夜番組の!」
酒浸 朱蘭
も、聞いたことがありました。都市伝説めいた、時にユーモラスで時に恐ろしく残酷な、奇妙なテレビ番組のことを。
伝え聞いた時、朱蘭は自身のろっこんで酔いに酔いながら、笑い飛ばしたものでした。
「なんとか秘子、だっけ? へへっ、いつか、一緒に飲んでみたいもんだぜ!」
底抜けの陽気が、彼女を輝かせていました。確かにこの時は、まだ。
「ここ……何で、こんな」
かたん、と音を立てて、朱蘭の手をすり抜けた瓢箪が、地面へと落ちました。がくりと膝をつき、混乱する頭、定まらない瞳で見上げます。
目の前に、酒店兼居酒屋の店舗。久しぶりの実家の扉には、今日は営業中の札の代わりに、妙なものが掲げられていました。
黄色と黒の、テープが。幾重にも、びっしりと。
気付けば手の中にも、破れてくしゃくしゃになった同じものが握られています。
「ちょっと、君キミ! 何してるんだ、それを剥がしちゃいかんよ!」
声をかけてきたのは、壮年の警官です。
「……おまわりさん? なあ、これ……何なんだ? 店、何が……」
「事件さ。だから、民間人が近づいちゃいかんよ。ほれ」
足に力が入らない朱蘭の腕を、警官はぐいと引っ張り上げて立たせると、ふと眉を寄せて、神妙な顔でぽつりと、
「……痛ましいこった。いやはや、全く」
ざわつく周囲に、はっと振り返れば。
野次馬たちが店を、張り巡らされた規制線を、物珍しげに朱蘭を、じろじろと不躾に眺めていました。
耳に飛び込んでくるのは、口さがない噂話。
「首吊りだってさー」
「店、経営ヤバかったって?」
「借金がさ、何百万とかあったらしくて……」
もちろん朱蘭には、寝耳に水でした。
「確か、娘がいたらしいんだけどさ。酒、全然ダメらしくて。匂いだけで酔っちまうんだと。そりゃあ、酒屋の後は継げないわなぁ」
「何だ、じゃあ娘のせいじゃん。そいつがまともなら、今頃家族と協力して、何とかなってたかもしんないわけでしょ?」
「つーかさ、別に酒は飲めなくたって、色々あんじゃん? 金策するとかさ、協力してくれる誰かを探すとかさ。考えなかったのかねー、そいつ」
「何か、夢がどうとか言って、家出てたみたいよ」
「ふーん、薄情な娘だねェ。実家がそんなんなってる時にさぁ……」
口々に。
そんな言葉が、渦のように朱蘭を取り囲み、突き刺すのです。
「……何だよ。これ……何で、そんなこと言うんだよ……」
野次馬たちの噂から、誰もいなくなった店から、何より現実から逃げ出すように、朱蘭はゆらゆらと幽鬼のように揺れながら、その場を立ち去りました。
まだ、時間はあるのだと。高校を卒業するまでは、夢を追ってみようと……そう、思っていたのです。
その間に、全て失われてしまっているなどとは、想像すらもせずに。
「……あはは。バカだなあ、あたし」
ぷつりと途切れた道。直後に高校を中退した朱蘭は、何よりの親友も、仲間も後輩たちも、彼らと楽しむあの賑やかな宴会も、全て投げ捨て、島を出ました。
「バカだ。あたし。どうしようもない……救いようの無い……」
死んでしまえばいい。そう思いました。死んで、そして自分が殺した家族に、あの世で詫びればいい。もともと、朱蘭の語る夢には反対していた彼らなのだし、許してはもらえないかもしれないけれど。せめてそのくらい、したっていいじゃないか。
だって、どのみちもう、何も無いんだから。自分には。
「あたしなんて……」
そうして、死に場所を探し始めた頃。
ふと。道すがらにちらり、耳に届いた楽しげな声。
吸い寄せられるように、朱蘭はふらふらと、声の元をたどります。何だか、懐かしく思えたのです。その声が。
「あはははは!」
踏み込んだ雑木林の中央、生垣の合間から覗くと、目に飛び込んできたのは、
「ほれほれー、あたしの酒が飲めないってのかぁ!? あははは、ほーら、飲め飲め! もっと飲めー!」
賑やかな、宴でした。
座り込んで丸く宴席を形作るのは、かつての……今はもう違う、親友。後輩たち。捨ててしまった仲間たち。
そして上座には、あの頃の、まだ希望に満ちていた頃の……高校へ入学したての、朱蘭の姿がありました。
「酔っ払えば、辛いこと、悲しいこと、ぜーんぶ忘れっちまえるんだぜ! 飲め飲め、飲んで忘れようぜ! 何もかもーってな、へへへっ!」
「……あいつが……」
瞬間。ぐらぐらと。頭の芯が煮え立つような。
全身が痺れるほどの憎悪が、朱蘭の中を駆け巡りました。
「あいつが、悪いんだ……あいつが全部、壊した。無くした」
能天気な朱蘭。仲間たちと宴会に耽る朱蘭。夢に逃げ、家族を省みなかった朱蘭。
そうだ。あいつだ。全部、何もかも、あいつが。
「お前が、悪いんだッ……!」
気付けば飛び出し、かつての親友を、仲間たちを蹴散らして、組み伏せていました。朱蘭を。
どうしようもなく、救いようも無く、バカな朱蘭を。
「お前が……お前が……お前がっ……」
両手を首にかけ、渾身の力を込めて……それでもバカな朱蘭ときたら、
「へ……えへへ……」
酔っ払って頬を上気させたまま、へらへらと笑っているのです。
こいつが悪いのに。全部壊して、無くしたのに。それなのにこいつは、こんなにも笑って、楽しそうに仲間たちと、親友と酒を飲んで、もう何も無いのに、自分には何も無いのに、
「お前がぁ!!!!」
ぼきん。手の中の感触と共に迸った、そんな音を聞いた時。
すうっと心が晴れていくのを感じて、朱蘭はもう一度、笑いました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月17日
参加申し込みの期限
2015年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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