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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~立入禁止
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【子の呼び声】
演技は完璧だったと自負しています。
誠実な夫。明るく朗らかな妻。誰しも羨むような、理想の夫婦。
上司に勧められて断り切れず、例え世間体のためにと受けた見合い結婚であったとしても、愛情など芽生えることは無かったとしても。他者がそこへ触れたとき、綻びの無いよう見えてさえいれば、それで良かったのです。
社会に属して生きていく中、体裁を保っていられるのなら、いつまででも、仮初の自分を演じていける自信はありました。
子供が産まれるまでは。
「……何だって?」
「か・な・た! 『彼方』よ、もちろん時任さんのお名前を頂くの。ね、素敵でしょ?」
身重となった妻が、実に幸福そうな笑顔で言った時、なぜもっと反対することができなかったのだろうと、いつも思っていました。
「いや、しかし……それは」
「私が時任さんの大ファンだったの、知っているでしょう? ずーっと前から決めていたの! 子供の名前は、『彼方』。なんて良い響き……? あなた、それなあに? 何を握り締めているの?」
あの時握っていた物は、何だっただろう。もう、あまり良く思いだせません。確か、散り散りに破れた、黄色と黒の……。
「……何でも無い。それより、その名前は」
「もう決めちゃった。この子は『彼方』。きっと……あの人のように、素敵な男性に育つわ……」
丸みを帯びた腹をそっとなぞりながら、夢見るように語りかけた妻へ。あの時、なぜもっと強く反対できなかったのだろうと……いつだって、後悔していたのです。
赤ん坊の眠る部屋には、少々不似合いな広さ。黒く艶光りする、仰々しいグランドピアノの横。ベビーベッドからこちらを覗く、二つの瞳。
全て、見透かすような。見覚えのあるような。
斑鳩 遙
という名の人間の奥底、裏の裏まで見抜くような、我が子の瞳。
「ふふっ。彼方ったら」
そっと寄り添う妻が、壁際に置いたプレイヤーの傍ら、取り上げたCDジャケットを掲げ、悪戯っぽく笑います。
「時任さんの曲をかけると、すぐに泣き止んでしまうの。まるで、あの人の生まれ変わりみたい」
つまらない妄言だと、頭では分かっていたのです。
取るに足らない思い込みだと、頭では。けれど。
「まさか。そんなはずは無いさ」
「あら、ふふっ。そうかしら?」
やけに自信ありげな、妻の顔に。そっと抱き上げた赤ん坊を支える自分の手が、少し震えていたことに。
血を分けた我が子にすらも、塵ほどの愛情を抱くことの無い自分に。
プレイヤーから流れ出す、ピアノの音色に……何より、物言わず自分を見つめる、この瞳に。
覚えた恐怖を、はっきりと記憶しています。
それから、七ヶ月あまりが経った頃でした。
『彼方』が死んだのは。
「あなたの……あなたのせいよ。全部、全部! あんたのせいよッ!」
もちろん、否定はできませんでした。確かにそうなのでしょう。
我が子を恐れ、多忙を理由に帰宅を避け、仕事へ没頭し。気付けば妻は初めての育児にノイローゼとなり、夫婦の仲は険悪に。完璧だったはずの演技にも、綻びが見え始めていたのです。限界だったのです。
思わず、こう考えました。
救われた、と。
「……あんたさあ、何でそんな平気な顔してんの? 何で彼方のために、涙の一つも見せられないわけ? ねえッ!」
『彼方』。あいつの曲を聞くと泣き止む? 生まれ変わり? バカらしい。
「あんたのせいよ、この人でなし! 冷血野郎!! お前が……お前があの子を、彼方を殺したんだ!!」
まだ正気だった頃の妻が、冗談交じりに言っていた言葉を、ふいにその時、思い出しました。
ねえ、知ってる? 生まれて七ヶ月までに、両親の愛情を実感できなかった子供は、死んでしまうんですって。怖いわね。でも、私たちの子供なら、彼方なら、そんなことは無いものね。愛情、たっぷりだものね、私たち。
(俺は、また……)
妻になじられながら、頬を打たれながら。
(俺はまた、『彼方』を、殺してしまった……)
そんな思考が、脳裏を泳ぎました。
子供と、形ばかりの妻と、世間体と共に仕事も失い。全てを失くした今、遙は改めて、この場所を訪れています。
夫婦が共に過ごした家。ベビーベッドが置かれていたあの部屋。かつての親友が暮らした空間。
二人の『彼方』が死んだ、この部屋へ。
「簡単な話だったんだ。俺は少し、物事を難しく考えすぎていたらしい」
つつがなく準備を済ませると、遙はグランドピアノの天板へと腰掛け、語りかけます。
「そう、最初からこうすれば良かった。初めからこうしていれば、結婚や、将来の行く末や……そんな些細な雑事に、ああも思い煩わずに済んだのに」
天井から吊るした麻縄の輪に首を通せば、それは意外に頑丈で、実に頼もしく思えました。
「さて。早速、終わらせるか。ああ、今行くよ」
全てが終わり、全てが始まったこの部屋で。何もかもを解決する、これが会心のアイディア。
けれど、なぜでしょう。
こんなにも不快な疼きが、胸の中、渦を巻くようにわだかまったままなのは……一体、なぜ?
最後の瞬間まで、遙がその理由を理解することは、ありませんでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月17日
参加申し込みの期限
2015年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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