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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~立入禁止
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【溺れる】
「話と違うじゃないのよォ!」
自分が持ち続けてきた、医者という職業へのイメージは、こんなものでは無かったはず。もっと素晴らしくて、誇らしくて、誰にも卑下することのない立派なものであると……
深倉 理紗子
は、そう思っていたのです。
「いえ、ですから。何度もご説明しておりますように、すぐに病状が回復するというものでは……」
「ウソウソ! あなた言ったわよ、薬飲めば治るって」
「診療代だって安くねェんだからさぁ、きっちり言うとこは言ってくんないとさあ」
「それともなあにあなた、ごちゃごちゃ言って引き伸ばして、余分にお金取ろうとしてるんじゃないの?」
「そんなことは、決して……」
「ったく、頼りにならねえよなあ」
「無駄に払ったお金の分、治療費は安くしてもらえるんでしょうね?」
もちろん理紗子は、こんな風に迫ってくる患者やその家族たちに対して、面と向かって言い返したりはしません。
柔らかく丁寧に、けれど引くべきでないところは引かず、宥めてすかして、何とかお帰りいただくのです。
「……至らない点は、お詫びを申し上げます。診療費につきましては、わたしでは何とも。ともかく、本日はこれで終了ですので、また次回。お薬は前回と同様に服用してください……お大事になさってくださいね」
にっこり!
作り笑いだって、慣れたものです。
診察室の明かりを落とし、退勤できたのは22時過ぎ。いつもよりいくらか早いので、日頃の鬱憤を晴らすべく、適当なお店で軽くお酒を……なんていうのも、理紗子のありきたりな生活の中で、決まりきったパターンになりつつありました。
医師の激務については、研修医時代から覚悟はしていたものの、これが想像以上。休む間も無いスケジュール、理不尽なクレームを叫ぶ患者たち。
かつて抱いていた理想と、そんな厳しい現実との相違が、理紗子を徐々に責め立て、追い込み……取り繕った医師の仮面の裏側、がりがりと磨り減った彼女の精神は、一人になった途端、どす黒く泡立つのです。
(ただでさえ、わたしのメンタル、豆腐並みなんだからね……)
ちびり、ちびりと重ねる酒が深まるにつれ、思い出すのは、いつも父に聞かされた言葉。優秀な兄、姉とことあるごとに比較され、その度に傷つき、ひどく落ち込んだこと。奮起を促さんとした父の思惑とは裏腹に、それらは耐え切れない言葉の暴力として胸へ突き刺さり、抉りました。
昼間の患者たちの物言いだって、本来の理紗子には、耐えられるようなものでは無いはずなのです。他方、強がりでもあるという相反する一面が彼女を支えていなければ、とっくに折れてしまっているはずなのです。
自然と。日々の酒量は、止め処なく増えていきました。
そして、今日もまた。
冷たい夜闇の中、ふらつきながらも何とか足を進め、たどりついた自宅。
「…………は?」
見慣れた扉に、それはありました。ぼんやりとした頭を横切った衝撃は、いつになく重ねてしまった深酒による酔いが、残らず吹き飛ぶくらい。
黄色と黒のストライプ、張り巡らされた規制線。まるで自宅が、何かの事件現場となってしまったかのよう。
「何で……?」
足早に駆け寄って、力任せに、引き千切ります。警戒色のテープを。
じわり、目尻に浮かんできた雫も、そのままに。
「何で、わたしだけが……こんなッ!!」
ご近所とトラブルを起こした覚えなんて無いし、家賃を滞納したことだって一度もありません。ゴミ出しのルールだって、きちんと守っています。
辛くとも、仕事にはもちろん真剣に取り組んでいるし、患者のためを思って最良最適、真摯な診療を心がけているつもりです。
それなのに。
「……わたしが何をしたって言うの? こんなにも、誰かに迷惑をかけた? そんなに気に入らなかった? ねえ、一体何が? 何が……こんな…………こんなッ」
びりびり。ばりりと。全てを後ろへ投げ捨てると、理紗子は思い切り扉を開いて、叫びました。
「もう……嫌ァッ……!!」
ぽつり、ぽつり。窓に添えた指先を、打ち付ける雨がなぞり、通り過ぎて、するりと滑り落ちていきます。
「……さん。深倉さーん……ああ、いたいた。もお、ダメじゃないの、勝手に抜け出しちゃあ」
白い服を着た年配の女性がやってきて、肩をがっちりと掴まれました。痛い。やめてほしいけれど、声は出ず、腕も上手く動かせません。
後ろから顔を見せた、不機嫌そうな表情を浮かべた白い服の若い男性が、言いました。
「ああ、見つかったんスね。はあ……ったく、ウロウロしないでもらいたいスよね」
「ま、ま。そう怒らないで、新人くん。ほら、この人があなたの担当する患者さんよ」
「ええと、深倉……ふうん、重篤なアルコール依存症につき、ね。先輩、俺初めてなんスけど、何かアドバイスとかあります?」
「ん? 別に。テキトーやっときゃいいんじゃない? どうせ彼女、もう何も分かりゃしないんだしさ」
「そスか。んじゃま、テキトーに……」
……医者から患者へ、入れ代わった立場。扱いはぞんざい。誰かが面会に訪れることもなく、牢獄のような病棟に、一人ぼっち。
けれど今、理紗子は、幸せそうな笑みを浮かべています。
だって、もう気にしなくても良いのです。キツイ仕事のことも、鬱陶しい患者たちのことも、煩わしい親や家族のことも、嫌なことは全部、全部。もう何も、気にしなくて良いんですから!
理紗子は今、幸福でした。
でも、お酒を飲めないことだけが、ちょっぴり。不満かな!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月17日
参加申し込みの期限
2015年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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