【体育祭】白黒つける、玉入れニャン！｜リアクション

【体育祭】白黒つける、玉入れニャン！

　白い長袖シャツに赤いスラックスを穿いた千種修也が街中を颯爽と歩いていた。果物のオレンジを混ぜたような金髪が、それとなく人目を集めた。目尻は少し上がっていて生意気な盛りに見える。反面、瞳は穏やかなピンク色だった。
「お、なんだ？」
　胸ポケットの振動に気付いて立ち止まる。兄貴かよ、と差出人に文句を言いながらも手早くメールの内容に目を通す。
「せっかくだから遊びに来い、って意味わかんねー」
　すっきりとしない顔で修也は歩き始めた。
　前方に集団が見える。信号が青になると同じ方向に動き出した。
「あー、寝子高の体育祭か」
　今日の空と同じように晴れやかな表情になる。ちゃんと書けよな、と忘れずに不満も付け足した。
「体育祭かー」
　怠そうな声を出した。歩行者用の青信号が点滅を始める。横目で見ていた修也は、行ってやるか、と明るく口にした。道路を走って渡ると、そのままの調子で人々を追い抜いていく。サッカーのドリブルを思い起こさせる動きで瞬く間に先頭に立った。
　活発な少年らしい顔付きになっていた。

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