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<鈴島海賊の秘宝II>赤い寝子島の冒険
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●緑のオアシス、コウと考える少女たち
エメラルドブルーに澄んだ泉の水で喉を潤す。
「……」
船長コウは胸元から零れ落ちたペンダントを手に、何度目かの物思いに耽っていた。
コウと紅梟号を目指す一行は順調に砂漠を進んでいる。
幸いなことに赤のオアシスを出てからは石化トカゲにもロク鳥にも出逢わずに、島の南にある緑のオアシスまでたどり着いた。ここにも豊かな緑と豊富な果物がある。ここにはオアシスを拠点に暮らすフタコブラクダの群れもいた。
スリットの入った赤のタンクトップドレスを幾重にも巻いた革ベルトで留め。
羽根飾りのついた三角帽子を斜めに被り。
すらりと伸びた素足を包む革のロングブーツ。
女海賊姿の板についた
弘明寺 能美子
は、腰に手を当ててそこに立っているだけで非常に絵になる。
眼差しがどこか物憂げなのは、小さな硝子の棘のように引っ掛かっていることがあるからだ。
彼女はしばらくコウが物思いに耽る様を見守っていたが、やがて意を決し話しかけた。
「えっと……勝手に日誌読んじゃって申し訳ありませんでした」
頭を下げる。
あの時は仕方なかったとはいえ、女性の日記を勝手に読んでしまったことは素直に詫びねば、というのが能美子に刺さっていた小さな棘だった。
「コウさーん、ボクからも謝る。勝手に見てごめんねー」
一緒にいた
桜庭 円
も頭を下げる。
コウはペンダントを胸に掛け直すと、二人の肩を優しく叩いた。
「頭を上げよ。航海日誌のことなら構わぬよ。あれは元より船の公の記録じゃ。ずいぶん個人的なことを書き連ねてしまったがな」
「で、で?」
コウのお許しが出たのをいいことに、ぐぐい、と円がにじり寄る。
「旦那さんどんな人だったの? やっぱ素敵な人?」
「ちょ……桜庭さん、それは聞いたら失礼じゃない?」
能美子が円を窘めるが、コウは却ってその様子が可笑しかったようで、快活な笑い声をあげた。
「ははっ、もちろんじゃ! 我の眼鏡に敵った者ぞ? いい男に決まっておろう!」
「やっぱり!」
円が嬉しそうな顔をする。
そんな円の首根っこを、ひょい、と掴む手があった。
「まーどーかー?」
「ほえ?」
見上げればそれは、金の髪を豊かに揺らした
ブリジット・アーチャー
である。
ブリジットはそのまま円を離れたところに引きずってゆき、こそこそ声で叱りつけた。
「ちょっと! 甘いわよ、円! 知らない人を信じすぎ!」
「えー? コウさんは信頼できると思うけどなー」
「どこが?」
「性格と、航海日誌に書いてあったことと、総合で」
ブリジットは円の楽観ぶりに深くため息をついた。
「でもねぇ、日記の内容が事実だとしても、海賊の頭目が自分の宝を素直に他人に渡したりする? 海賊の頭目とか、しかも幽霊とか、ハリウッド映画だったら、ヴィオーラン(敵役)の立ち位置よね。情報を一人だけ握ってて、うまく使われてる感も拭えないし……」
円は「そうは思わないけどなー」と唇を尖らせたが、ブリジットはびしりと云い切った。
「心を許すのはちゃんと見極めてから。
『初対面の海賊は信用するな』
ってグランパも言ってたわ」
……実際のところ、グランパはそんなこと云ってなかった気もするが……。
ともあれ、ものごとには勢いというものがある。
ブリジットは大股でコウに近くと、すとん、と隣に腰掛けた。
「海賊の暮らしってどんなのだったの?」
唐突な質問だった。どう答えるかでコウの意図を見極めようという肚である。
「航海中の興味深いエピソードとかないの?」
答えを待たず質問を重ねると、コウは、おお、と手を打った。
「ものすごい化け物に会ったことがあるぞ。船を丸ごと呑み込んでしまいそうな大きな口の持ち主でな、こう、がばーっと海中から牙を剥くのじゃ」
コウは両手を広げ恐ろしさを再現する。
「サメじゃないの?」
「いや、決してサメなんぞではなかった! あのときほど必死に船を漕いだことはなかったぞ!」
からからと笑って昔話をするコウが自分たちを裏切りそうにはあまり見えない。
「海賊家業に未練とかないの?」
するとコウは意外にも即答した。
「船を襲って糊口をしのぐ――そんな暮らしに未練があるかといわれれば、ない、と答えるじゃろうな。そういう時代でなくなっているのは、そなたらを見ていてよく分かった。冒険には大いに未練があるがね」
海賊になりたいのか、と問われると、ブリジットは慌てて首を振った。
「私の先祖も船乗りだったの……だから、海の仕事とかちょっと興味あるのよ」
「それはそれは。さぞや立派な漁師だったのだろうな」
「いいえ、曽祖父は海軍士官で太平洋戦線に」
コウは、海軍士官だとか太平洋戦線だとか、彼女の時代にはなかった言葉に首を傾げたが、円が「水軍みたいなものだよ」と補足するとなんとなく意味を掴んだようだった。
「ちょっと……というか大分違う気もするけど」とブリジット。「とにかく海で戦う人ね」
「そうか。それは頼もしい。よろしく頼むぞ」
差し出された手を握り返してからハッとして、ブリジットは胸の中で自分を諌める。
(すっかり信じたわけじゃないんだからね。コウという人間を見極めるために同行するのよ。監視よ、監視)
ブリジットとコウのやりとりを見ながら、能美子もまた心を決める。
目の前の彼女は女として、母として生き抜いた人だって思うから。
「……一人の女性の願いを叶えるために、私に出来ることならなんでもするわ。それで、あの、これ……」
能美子は『紅梟の左目』に似た石のモチーフのついたヘアゴムを持っていたのを思い出して、ゴムの部分をハンカチで包んで隠し、ダミーを作ったのだ。それをこっそりコウの手に握らせる。
「そっちの目まで無くしたら完全にアウトかもしれないでしょう? 万が一の時にこれで誤魔化せるかなあと」
「……なるほど。有難く借りよう」
コウがそれを持っていた左目と差し替えたときだった。
「船長さぁぁぁん!」
砂煙をあげながら走ってきたのは
深民 実々
である。しかも今度は滝のような涙を流しながら。
「さっき聞いたけど船長さんは結婚してて子どももいたんだね、それで別れ別れになって会えないまま死んじゃって……みんなを巻き込んで自分勝手とか思っててごめんなさい!」
実々はコウに抱きつこうと勢いよく頭っから飛び込んだ。が、実々の身長が低かったために、頭がみぞおちにきつく食い込み――、
「うぐっ!」
「旦那さんのお墓があったら一緒にしてあげたいけど、無かったら船長さんのために立派なお墓作ろうね!」
「うぬぬ……」
「お墓には『海を愛し、仲間を愛し、家族を愛した海賊の女王、ここに眠る』って刻むね!」
「お、おう……」
「船長さんも先輩もかっこいいから私の憧れなんだ、しっかりしてて頭いいし、みみとは大違いで……」
ぐりぐりと頭をめりこませ涙する実々の肩をぐいっと押しやり、コウは痛みに堪えて笑みを作る。
「うむ、わかった。わかったから、落ち着くのじゃ。にしても、墓か。死者には一番の贈り物だな。そんな立派な碑文を書いてもらえるような船長ではなかったが……」
それを聞いた能美子がぽつり。
「娘さんのこと、どうなったか……気になるわよね」
「……」
コウが僅かに瞳を潤ませたような気がしたのは、光の加減のせいだろうか。
沈黙に耐えられなくなり、円が慰めるように言葉を紡ぐ。
「良かったといっていいのか分からないけど、子孫の梨香先輩が居るわけだから娘さんは助かったと思うんだ。船長としての責任はちゃんと果たせてたんだと思う」
「そうだな……」
コウはあの『魔法使いの目』を握りしめ、じっくりと、噛み締めるように云った。
「そう、信じられるようになった。この首飾り……これは、夫が娘に贈ったものだったのだ」
円は気づいた。
そのペンダントがずっとシーノに受け継がれて来たものだとしたら。
シーノを興したのは、コウの生き別れた娘さんなんじゃないだろうか。
母と生き別れた娘さんもまた、自らの源流である<宝の島>を探し続けていたんじゃないだろうか、と。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
<鈴島海賊の秘宝I>海賊女王のピラミッド
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月11日
参加申し込みの期限
2015年01月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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