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<鈴島海賊の秘宝II>赤い寝子島の冒険
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●エピローグ
あの日。
船とともに姿を消した
坂内 梨香
は、数日経っても学校に姿を見せなかった。
訊けばリンコの計らいか、家の事情で休みということになっている。
気がかりなまま、更に幾日かが過ぎ――。
ある放課後、
桜庭 円
は友人の
弘明寺 能美子
、
御剣 刀
、
ブリジット・アーチャー
、
小山内 海
と連れ立って、天宵川のほとりにやってきた。自分たちの冒険はどこまで本当だったのか、興味があったのだ。
午前中しとしとと降っていた秋雨で水滴のネックレスをつけた下草が、みんなの靴を濡らす。
緑の草に覆われた低い四角垂型の丘は、以前と変わらずそこにあった。
「たしか、前のときはこっちの方から中に入れたわよね」
そう云いながらピラミッドを回り込んだブリジットは、ふと足を止めた。
「あら? こんな穴あったかしら?」
緑のピラミッドの斜面がえぐれ、ぽっかりと口を開けている。
ちょうど人が一人、潜り込めそうな穴だ。刀がライトで中を照らした。穴の奥は斜面になっていて先に進めそうだ。五人は顔を見合わせる。
「入ってみるか」
刀の言葉に首を横に振る者はいなかった。
刀は傾斜のきつい斜面をお尻で滑るように下りる。能美子、ブリジット、海、円と続く。
そこは、数日前に目にしたような赤と青の二重螺旋の道を持つピラミッド内部とは似ても似つかぬ、自然の作ったつつましやかな洞穴だった。入ってきたのとは反対の方から光が差し込んでいる。
「別の出口があるんだ!」
円は光の方に駆け出した。洞穴の出口は絡み合った樹木の枝で半分以上覆われていた。ざあざあと水音がする。円はもどかしげにその木の枝を払いのける。
ダイヤモンドの如くまばゆい白銀の輝きが、闇に馴れた瞳を射た。思わず目を細める。
「……川だ!」
眼下を川が流れていた。天宵川だ。洞穴は天宵川に繋がっていたのだ。
「これを見て」
洞穴の中を調べていた能美子が、赤く塗られた木片を拾い上げていた。
手に取ったそれをじっと見つめて、<役立たずの逆さ時計>を発動させる。
能美子の脳裏に浮かんだのは、よく知ったあの赤い船。
「……紅梟号の欠片だわ」
「じゃあ……」
円は改めて洞穴を見渡した。
そうだ。奥行きといい高さといい、紅梟号が入るのにちょうどいい大きさではないか。
いまは川の水面は洞穴の出口よりずっと下にあるけれど、大雨などで増水すれば、ここまで水面が上がってくるのだろう。その証拠に、ここ最近についたと思しき水面上昇の跡が、黒く残っている。
「ここが、隠し港だったんだね」
かつん。
ブリジットのつま先が固く小さいものを蹴とばした。あの波模様の金貨だ。
「ねえ、誰か落としたわよ」
そう云われてみんなは自分のポケットを探った。ところが五人とも自分の金貨を持っている。
「ということは、ここにはじめからあったものかしら?」
円はそれを見てじっと考え込んだ。
『どうしたの円ちゃん』
というように、海が軽く円を突く。
「あ、うん。ほら、大昔に行方不明になった男の子の話、あったでしょ。あの子、もしかしてここに入り込んじゃって、しばらく出られずにいたのかなって。ここに紅梟号があったなら、『海賊の女王様を見た』ってのはコウさんの木乃伊だったのかも。波模様の金貨もそこで見つけたのかな、って……」
「なんとか自力で洞穴から脱出したところを発見されたけど、子どもだったから上手く説明できなかった。あるいは話しても信じてもらえなかった、というところか」
刀が円の推理を広げる。
ブリジットは、じれたように口を挟んだ。
「ねえ、つまりどういうこと? あのピラミッドは? 赤い寝子島は? ぜんぶ私達の集団妄想っていう線もあると思うんだけど」
「妄想にしてはタイヘンだったわよね」
それは、六つ目の声。
落ち着いた少女の。
声に続いて白衣を泥で汚して斜面を滑り降りてきたのは――、
「船長! ……それとも梨香センパイ?」円が尋ねる。
「いまは梨香よ」
坂内 梨香
は軽く微笑んで会釈すると「伝言」と云って、自分の胸のあたりを指した。
「船長から?」
「そう。二隻の船は今、島の木天蓼湾側に隠してある。あのへんは細かい入江があってちょうどいいんですって。時が来たら……彼女が云うには、目指す宝の島にはいつでも行けるってわけじゃないみたい……赤い月で知らせる、あの日の仲間たちにそう伝えて欲しいって」
それだけ云うと、梨香は踵を返して立ち去ろうとした。その背中を、円が呼び止める。
「待って! 梨香センパイはあのときの冒険覚えてる?」
「覚えてるわ……夢と同じくらいには」
「いままでどうしてたの?」
「船を隠したりいろいろ。あの人じゃなきゃできないこともあったし。でも、云ってたでしょう? よきに計らうと。こうして身体を返して貰えたってことは、よきに計らって貰ったんじゃないかしらね」
「あの冒険は集団妄想じゃなかったってこと?」とブリジット。
梨香はちょっと考えた。
「あなたはどう思う?」
「夢……」そこまで云って、ブリジットは手の中の金貨を思い出す。「ううん、こんなのすごくおかしな考えだけれど……現実と非現実はリンクしていた? あの冒険がなかったら、ここにあった船は見つからなかったし、海に出ることもなかった……?」
それでいいんじゃない? と梨香は微笑んだ。
「梨香センパイは――」円は物思わしげに梨香を見つめる。
「なにかしら」
「そのとき、どうするの? 宝の島は、センパイの夢なんでしょ。また船長に身体を貸すの?」
梨香はくすりと笑って肩を竦める。
「心配してくれてるのね。ありがとう。さあ、どうしようかしら……船長が居なくちゃ困ることもあるだろうし、私自身で体験してみたくもあるし……どうしたらいいと思う?」
すぐに答えは出なかった。
もっとも尋ねた梨香自身も、答えを期待している風ではなく、ただ戯れに云ってみただけのようであった。
「ひとつ確実に云えるのは、私がいまワクワクしてるってことね。だって、ずっと追い求めて来たものが、手を伸ばせば届きそうなところまで近づいてきたんだもの」
一度だけ胸のあたりをきゅっと掴む。
シャツの下の琥珀のペンダントの硬さが、梨香の手のひらにたしかな手応えとして伝わってくる。
「――じゃ、また。赤い月の昇る夜に」
梨香は今度こそ白衣を翻し立ち去った。
梨香を見送ったあと洞穴を出た円たちは、念の為、ピラミッドに開いた穴を塞いだ。
川側の入り口も元通り樹木の枝で覆い隠した。
いまここで見つかるものはすべて見つけた。
次の旅立ちを待とう。
赤い月の昇る夜を待とう。
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あとがき
担当マスター:
笈地 行
ファンレターはマスターページから!
ご参加いただき、誠にありがとうございました。
秘宝シリーズ第一幕(I/II)、無事帰還でございます。
みなさまのご活躍により、伝説の宝の島に行くために必要な船と道しるべである宝玉が手に入りました。
ほかにも、アクションの結果、こんなものが手に入っています。
二隻目の船……紅梟号より一回り小ぶりの二本マストの木造帆船。
船の命名は発見者である骨削 瓢さんに一任します。
船の名前を決めましたら、2/28までにコメントページに書きこんでお知らせください。
その名前は、作中(17ページ)で骨削さんが船べりに刻み込んだもの、
という扱いになり、みんなの知るところとなります。
※期日までに書きこみがなかった場合は、こちらで命名してしまいますがご了承くださいませ。
おサルさんやオウムの友人……次回の冒険まで船内で飼っています。
武器等……次回の冒険まで船内に保管します。
※大変恐れ入りますが、
上記の入手物は秘宝シリーズでのみ使えるということにさせてください。
※個別あとがきで「アイテム化不可」とあるもの以外の入手物については、アイテム化も可能です。
また、坂内 コウにも「船長」という呼び名ができました。
海賊女王長いよ、ってマスターも思ってたなんてことはヒミツダヨ☆
感謝いたします。
今後は「船長さん」でよろしくお願いいたします!
お蔭様で秘宝シリーズは次に続くことになり、
ここからどう展開してゆくのか、わたしも楽しみです。
しばらく別シナリオを挟むことになるかと思われますが、
またご一緒出来る時を楽しみにしております。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
<鈴島海賊の秘宝I>海賊女王のピラミッド
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月11日
参加申し込みの期限
2015年01月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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