this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
<鈴島海賊の秘宝II>赤い寝子島の冒険
<< もどる
1
2
3
4
5
…
19
つぎへ >>
●下船組、赤のオアシスへ
「この赤い寝子島は砂漠だらけだけれど、所々にオアシスが点在している……」
音海 なぎさ
が、メモ帳に写し取ったこの島の地図を、手書きで複製している。
満々と水を湛える泉は、空に浮かぶ赤い月を映して赤く輝いている。
泉の周りには緑の樹木が生い茂っている。枝々にぶら下がる果実は、瑞々しく美味しそうだ。
下船し、ロク鳥と石化トカゲの脅威を逃れた一行は、誰一人欠けることなくオアシスに辿り着いていた。
「はふぅ、急に走ったし喉が乾いたのだ……おぉ、美味しそうな果物もあるのだ!」
目を輝かせている
李 小麗
は、青いセーラー襟付き白シャツに半ズボン姿。まるで見習い水夫のようで可愛らしい。泉の水を手のひらで掬って美味しそうに呑み干すと、今度は真っ赤に熟れたザクロの実をひとつもぎ取りかぶり付く。トウモロコシの粒のような食感と、爽やかで瑞々しい酸味が口の中に広がる。
「ん~~! おいしいのだ!」
小麗だけでなく、みな思い思いに泉の水で喉を潤し、果物をもぎ取って食べていた。
束の間ではあるが、あたりには安堵の空気が漂っている。
「気がついたら状況がポンポン変わって大変な事になってるのだ」
そう云う小麗はザクロの汁で口のまわりを真っ赤に染めていた。
「ホントだよね」
なぎさは小麗の口元を拭ってあげ、それから書きかけの地図を覗きこんでいたコウに視線を移す。
「今いるのが赤のオアシス。間違いない?」
「ああ。このあたりは砂嵐がひどいし、その先は枯れ谷や崖があるから、このまま緑のオアシス、青のオアシスと迂回して行くしかないじゃろうな」
吹き荒れる砂嵐の切れ間に、仲間が連れて行かれたと思しき岩山が見え隠れする。
なぎさはひとつため息をついた。
「近いようで遠いんだね」
「うむ。緑のオアシスのあたりにラクダがいるから、それに乗れば少し時間短縮も可能かもしれぬ」
なぎさは頷き、緑のオアシスの位置に『ラクダ』と書き加える。
「移動するだけならわかるけど、みんな海賊の姿かぁ」
ゴシックロリータ風海賊、といえばいいだろうか。編み上げリボンのついたレザーベストの下に着込んだ、ふわりとしたフリルの袖を摘まみながら、
桜庭 円
は不思議そうに一回転した。
「服装が変わるって、幻とか? じゃないよね?」
コウはそれには軽く肩を竦めただけだ。彼女にも何とも答えられないのだろう。
それからコウは、大きく肩の開いたシャツの似合う
双葉 仄
を見つけて呼び止める。
「先程は助かった。礼を云う」
「どういたしまして、だ」
仄は微笑みで応え、それからぴんと人差し指を立てた。
「ところで一つ質問がある」
「なんだ?」
「赤い月があの地平線に沈むころ嵐が来ると云ったな。砂漠はすっかり海になる、と。あの岩山以外水に埋もれるのであれば、トカゲや猿はどうやって水に飲み込まれるのを回避しているのだ?」
「ほう。そんなことは気に留めたこともなかった。何故そのようなことを知りたいのじゃ?」
「なに、嵐の回避法がわかれば、なにか助けにならないかと思ってね」
「そうか。残念ながら我は知らぬ。すまぬな」
「気にするな」と仄は首を振る。「その答えも想定の内だ。では、分かっていることで出来ることをしよう」
仄はそれきり黙り込んだ。
仄の灰色の脳細胞が、今手元にある情報を精査し、くるくると回転を始めているのだった。
「……というわけでさ」
泉の傍に腰を掛け、果物を口に運びながら。
探検部部長の
龍目 豪
がピラミッドでの成り行きをあれこれ話してくれるのを聞く端で、
逆巻 天野
は全く別のことを考えていた。
(なんか僕だけジャージだけど……)
一方の豪はといえば、海賊衣装がなかなか様になっている。
仮装マラソン
で海賊の仮装をしたことを懐かしく思い出さずにはいられない。
「目の下の墨はさ」と豪は云う。「汗を反射しないためという意味があるそうだが、日本人の顔は扁平だからあまり意味がないらしいな」
そんなウンチクを、へえ、と聞きつつ、天野は思ったことをそのまま口にした。
「似合ってますよ、先輩」
「そうか?」
豪はちょっと照れくさそうに笑った。
「そういえば逆巻とこうして探検するのは久しぶりだな」
「そうでしたっけ」
「探検部のほうにももっと顔を出してもらいたいところだが」
忙しいんだろうし仕方ないよな、と頭を掻く豪を見て、天野は表情を綻ばせた。
「そう云って貰えて嬉しいです」
それはさておき、と天野は濡れた口元を拭う。
「攫われた人と合流するのが良さそうだ。胸騒ぎ、するのでね」
「だな。北原は船に残ってたはずなんだ」
豪が気に掛ける北原とは、同じ探検部員の
北原 みゆき
のことである。
「早く合流したいが……岩山までは意外と遠回りしないといけないんだな」
腕組みをして、なぎさが書き写してくれた地図を見ていた豪だったが、難しい顔をしていたのもはじめだけ。そのうちワクワクを抑えきれない様子でこんなことを云い出した。
「できるだけこの島を見て回りたいから、遠回りでもオアシス経由の道は都合がいいぜ」
みゆきのことは気になるのだが、これはもう探検部の性というやつだろう。
砂漠の冒険だと思うと胸が躍ってしまうのだ。
天野もその気持ちはよくわかった。
「焦っても仕方ないですしね。まずは食料と水を確保しましょうか」
天野の持ち物はチョークと水筒、サバイバルナイフ、あとポケットに入っていた絆創膏くらい。
果物は大きな葉に包めば持ち運びしやすいだろうか。足りなければ服を破いたって構わない。
豪のろっこん<軽いぜ!>で軽くすれば運ぶのも苦ではないだろう。
そんなことを話しながら二人が立ち上がったとき、ちょっとした騒ぎが起こった。
「女王さん、梨香先輩の体を傷付けたら許さないんだから!」
威勢よくコウを怒鳴りつけているのは
深民 実々
だ。
赤のボーダーシャツにこげ茶のショートパンツ。右腕に巻いた青いバンダナ。童顔を隠すための伊達眼鏡は外していた。いつもはお団子に結いあげている髪も解かれ、緩く肩にかかっている。実々の格好は海賊の下っ端風ではあるが、とてもキュートだ。
実々は同じお団子頭の同志として、以前から梨香を慕っていた。
その梨香が行方不明と聞いてピラミッドに駆け付けたところ、こんなことに巻き込まれ、しかもその梨香の身体が乗っ取られているというのだから、噛みつくなという方が無理だろう。
どうどう、と、突進してくる実々の額を片手で押さえてコウは苦笑する。
「女王さんよりは船長さんの方がしっくりくるな」
「む~~~! じゃあ、船長さん! 先輩の身体から出られないのっ?」
「済まぬがいまはどうにもならぬ」
心底申し訳なさそうにコウは詫びた。
実々はぷっくりと頬を膨らませつつも、頭を下げるコウの姿にすこし胸を打たれた。
「一緒にロク鳥の巣に向かうけど、先輩のためであって女王さんが心配なんじゃないんだからっ」
ぷいっとそっぽを向き、それから薄目でコウを見て、もうひと言付け加える。
「とにかく護衛としてついていくよ」
「うむ。頼む」
コウが実々に握手を求めた。しぶしぶその手を握る。見上げればコウが微笑んでいる。
そのとき実々のささくれ立っていた心に一滴、澄んだしずくが落ちた気がした。
(……あれ、この人、悪い人じゃないのかな……?)
「ちょっといいか?」
御剣 刀
がコウに声を掛けてきた。
「俺たち、右目を奪ったサルを探しに行こうと思うんだ」
船の墓場へ行くことにしたのは、
御剣 刀
、
李 小麗
、
マウル・赤城・スティック
、
朝鳥 さゆる
、
晴海 飛鳥
、
音海 なぎさ
、
骨削 瓢
、
鬼崎 未月
、そして
二宮 風太
の計九名である。
「僕がぜったい見つけてくる!」
少年水夫な風太が胸を張った。スコップ担いだ小さな女海賊船長という風情の未月もまた、髑髏の印の入った真っ黒い海賊帽子をかぶりなおし、お宝探しに意欲を示す。
「私も! 風太君といっしょに見つける!」
お目付け役のあやめとはぐれて心細い……なんてことはあまりなかった。穴掘り大好き、寝子島埋蔵金ハンター未月の頭の中は、すでにお宝のことでいっぱいである。母から大人と一緒に行くよう云われていたのが頭の片隅に残っていたのか、「あやめお姉ちゃんが居ないなら、せめて知ってる子と一緒に居なきゃ!」という理性が辛うじて働き、風太の腕を掴んでいる状態だ。
幼いふたりが頬を紅潮させているのを微笑ましく眺め、それから少年少女の顔を見渡して、コウは頷いた。
「『紅梟の右目』を探してきてくれるのか?」
「ああ。それがないと困るんだろう?」
刀が代表してそう云った。
「それで頼みがあるんだが、このメモ、持って行ってロク鳥に攫われた人たちや途中出会った人たちに見せて欲しい。できるだけ島にいる人達全員と情報共有をしたいからさ」
メモには紅梟の右目の事、それを取り戻すために船の墓場へ向かう事、右目を確保したら自分達の居場所をLEDライトで知らせる事が書かれている。
コウがLEDライトのことを知らなかったので、
桜庭 円
が自分が持っていたものを見せて説明した。
「こういう光のつく便利な道具があるんだよ。あ、これ、刀くんに渡しておくね」
「サンキュ。メモは桜庭に預けていいか?」
「うん。頼まれたよ」
この赤のオアシスでの休息のうちに、それぞれが何をするかを決めていた。
ロク鳥に攫われた紅梟号を目指すのが、
龍目 豪
、
逆巻 天野
、
伊藤 佳奈
、
桜庭 円
、
弘明寺 能美子
、
ブリジット・アーチャー
、
深民 実々
、それと坂内 コウの八名。
緑のオアシスまで同行し、移動手段であるラクダを連れてこよう、というのが
双葉 仄
と
恵御納 夏朝
の二名。
握 利平
はこの赤のオアシスにとどまって、サルが来ないか見張ることにするらしい。
今この場にいるのはこれで全部だ。
他のみんなは船ごと岩山のロク鳥の巣に連れていかれてしまった。
今ごろどうしているだろう。彼らならきっと大丈夫だろうと思うが……。
「ちょっと待って」
それぞれ水や食料を手に出かけようとする刀たちを呼び止めたのは、髪に白いバンダナを巻き、横縞ボーダーのTシャツに動きやすい長ズボンという水夫風の格好をした
恵御納 夏朝
であった。
夏朝は片手にお気に入りのハルくんという猫パペットを嵌めた状態で、器用にNyaphoneを弄っている。ハルくんも夏朝とお揃いのバンダナと縞柄Tシャツを身に着け、いっぱしの海賊になっているのが愛らしい。
「時計、見てみた?」
「いや?」
刀は自分のスマホを取り出した。時計を表示させる。
「……あれ? 止まってる」
デジタルの表示は、夕刻の時間のまま動きを止めていた。
「ここに着いてすぐ時計が止まってることに気づいて、ストップウォッチ機能で時間を計っておいたんだ。いまは船がロク鳥に攫われてからだいたい1時間が過ぎたところだよ。ここに来たのが赤い月が昇る時で、赤い月が沈む時がタイムリミットだとすると、動けるのは……12時間位?」
おそらくその通りであろう。
という事は、約11時間後には船に乗っていなければならないことになる。
しかし、そのときをどうやって知ればいいのだろうか。
刀がそのことに気づきハッと顔を上げると、夏朝が、その質問待ってたよ、という風にスマホを見せた。
「アラームを1時間おきに11個セットしておいたよ。特に『約10時間後』以降は音を変えてある。こうやっておけば時間……忘れないよね?」
「さすがだな。いいアイデアだ。俺のもそうしておくよ」
刀だけでなく、スマホを持っている者たちは皆一様に同じような設定をした。
みんながいつも一緒に行動できるとは限らないからだ。
時計が機能しない以上、これは非常に有効な方法に思われた。
これでいよいよ、先へ進む準備が整った。
それぞれの無事を祈って、みんなは握手を交わし合う。
夏朝が、高くハルくんを掲げる。
「大丈夫にゃ、皆を信じるにゃー!」
空元気だったかもしれない。自己暗示だったかもしれない。
それでもハルくんのかわいらしさが、夏朝の想いが、旅立つみんなを勇気づけたのは間違いなかった。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
19
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
<鈴島海賊の秘宝II>赤い寝子島の冒険
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
<鈴島海賊の秘宝I>海賊女王のピラミッド
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月11日
参加申し込みの期限
2015年01月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!