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秋の夜長は一回休みなのさ
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「おや、お供えものを食べた不届き者は誰かな?」
陽も落ちた秋の夜、
新井 すばる
は呟いた。
ちくわくん大明神
の掃除を済ませたすばるは、供えておいたちくわが噛みちぎられていることに気付いたのだ。
ちくわくん大明神についての説明はここでは割愛する。
「ふむ、証拠もあるね……猫だな」
すばるはちくわに付着していた猫の毛を天眼鏡で観察した。毛の状態や色から猫の外見的特長から健康状態までを推理することができるが、そこについても今回は割愛しよう。
「まぁいいや。この程度で怒るほど大明神さまも心が狭くないだろう」
すばるは傍らに置いたギターを持ち、軽く鳴らし始めた。
「さて、練習するかな……父さんぐらいになるにはどれくらい練習すればいいんだろうなー」
ぼんやりとギターをつまびくすばる。秋の夜長、涼しい風が吹いて心地よく髪を撫でた。
「おっと」
やがて、すばるの耳にギターの音以外の演奏が届く。
「やっぱり、生のストリングスはいいね」
虫の声だ。幾重にも重なった虫の鳴き声がまるですばるのギターに合わせるように響き渡る。
「うん……やっぱり自然に合わせるのは難しいな……さすがは寝子島交響楽団の先生方……勉強になります」
益体もないことを呟きながらギターの練習を続けるすばる。ふと視線をずらすと、こちらを見ている者がいることに気付いた。白猫だ。月の光を浴びて悠然と座るその白猫は、どことなく透明感があるような白い毛色で、涼しい夜によく似合っていた。
「ははぁ、さてはお供えもののちくわを食べたのは君だね?」
歯型からすると犯人が猫であることは間違いない。付着していた猫の毛という証拠もある、と懐から天眼鏡を取り出そうとしたすばるの手が止まった。
「っと。明らかに色が違うね……ごめんごめん。お詫びの印にこれをあげよう」
天眼鏡の代わりに新しいちくわを取り出して、すばるは白猫の方に置いた。
しかし、白猫はそのちくわには目もくれずに、軽くひと鳴きするとその場を立ち去ってしまった。
「……愛想のない猫だね……ふむ、ちょっとだけ気になるな……」
すばるはその猫が立ち去った方へ足を向ける。
秋の夜長。長いような短いような、気ままな散歩の始まりである。
☆
「――」
机に向かっていた
桜 月
は聞こえるはずのないギターの音色を耳にしたような気がして、ふと手を止めた。時刻は夜。自室で服のデザイン画を描いていたが、それをきっかけに集中が途切れたのを感じた。
「……ふぅ」
もう一度デザイン画に向かってみたものの、すでに乗り気ではない自分がいることにすぐに気付いた。小手先の変更や推敲はできるかもしれないが、根本的な想像力――面白いデザインの根幹に関わる部分は、もう得られないと感じられる。
「どうにも良くないな……少し休憩しようか」
とはいえ、すでに時刻は夜。ぽっかりと浮かんだ月を窓越しに眺めた彼女は、傍らに置かれたチョコレートに手を伸ばした。夕方からデザイン画を書き始めてからだから、と時間を数えると、結構な時間が経過している。瞳を閉じてまぶたを押さえると、眼球に軽い疲労を感じた。
「あんまり集中しすぎるのも考えものだな」
チョコレートを口にしながら見上げる月もまた格別だ。そういえば何だかぼんやり月を見上げるのも久しぶりな気がする。全ての思考を放棄して見上げる月はどこまでも綺麗で、うっかりすると意識を吸い込まれそうな錯覚すら覚える。
ふと気付くと、置いておいたはずのチョコレートがない。
「もう無くなってしまったか。どれ……せっかくだ、少し散歩でも行こうかな」
チョコレートの補充、という名目で出掛けることにした。目当ての店までは少し遠いかもしれない、営業時間には間に合うだろうか。
と、そこまで考えて思い出した。あの店にはそもそも、決まった営業時間という概念が存在しないということを。
「ま、いいさ」
もし目当ての品が手に入らなくても、それはそれで、と彼女は呟いた。
服を着替えて、夜だというのに日傘を持つ。そんな準備を軽くして、自室を後にした。
旧市街とシーサイドタウンの間のとある一角に、その店はある。
看板は小さく、もう夜に差し掛かっているというのに照明は暗い。一見するとちょっと洒落た個人宅のようにも見えるその店は、まるで客を呼ぶということを放棄しているかのようにも思えた。
極端に色素の薄い体質である月は日光が苦手で、日中の外出をあまり好まない。それゆえ営業時間が店主の気まぐれで――この店主もまた明るいところが苦手なため――明るい日中よりは夕暮れから日没によく開いているこの店がお気に入りであった。
「こんばんは、まだいいかい?」
その店の名は、
『Magique Raison』
。
「いらっしゃいませ、まだ大丈夫ですよ~」
月が扉を開けると、そこにはどこかふわりとした印象の若い女性がいた。
聖籠 あゆか
。この店の店主である。
それでも時刻はすでに夜、あゆかが苦手とする日中の時間帯にもしここを訪れたなら、暗くした店内で眠そうな瞳をしながら暇潰しに興ずる彼女を見ることができるだろう。それくらい、あゆかは明るいところが苦手なのだ。夜になればなるほど、彼女は生き生きと活動を始める――ちょうど今くらいの時間であれば、至極まともな対応を期待できるであろう。
「やあ聖籠さん、いつものチョコレートをお願いするよ」
月は時折この店を訪れては、デザインなどの作業のお供にチョコレートを物色していく。この店には他にも芸術品とも呼べる細工物のチョコレートや、同様に彫刻と見紛うような飴細工などが並んでいるし、店の別な一角に目を向ければ骨董品の鑑定や修理を行うスペースもあるのだが、今日の目当てはあくまで食べる用のチョコレートだ。
「はい、毎度ありがとうございます~」
意外と安定した手つきで指定されたチョコレートを包むあゆか。まだ若い彼女の鑑定眼や菓子職人としてのキャリアを疑問視する客もたまにはいるが、こと仕事に関しての彼女の腕前は確かであった。それゆえ、営業時間は気まぐれでさほど宣伝する気があるようにも見えないこの店が存続していられるのである。
美しい包装紙に包まれたチョコレートを受け取って、月は微笑む。
「ありがとう、これで作業が捗るよ――とはいえ、今夜はもう作業はしないかもしれないな」
店の窓から外を眺めて、月は呟いた。
「あら、どうして~?」
首を傾げて、あゆかは訊ねる。理由はひとつさ、と月は窓の外を指差した。
「ご覧よ、こんなに月が美しい夜に、部屋に籠っているのは勿体ないからさ」
つられて窓の外を眺めたあゆかの瞳にも、大きな月が映り込む。
「あら~、本当、綺麗な月ね~」
黄金の輝きを放つその月を、ぼんやりと眺めるあゆか。目当てのチョコレートを軽く掲げた月は、店の扉に手をかけて振り向いた。
「気が向いたら、聖籠さんも散歩に出てみてはどうかな?」
その言葉は、あゆかの耳に届いたかどうか。窓のそとの丸く大きな月に魅入られたように、あゆかはそこで動かずにいた。
「ふふ……では、また来るよ」
月が店の扉を開け、出て行くまで。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月21日
参加申し込みの期限
2014年12月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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