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秋の夜長は一回休みなのさ
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「もうちょっと、健康に気を使ってもいいと思うんです」
綾辻 綾花
は告げた。場所は旧市街にある天利探偵事務所である。当然、告げられている相手は部屋の主である天利 二十だ。夕方、寮の近くで妙に気になる白猫を見かけた綾花は、その猫を追って旧市街までやって来た。
来たのはいいがその猫に再び出会うことはできず、そろそろ帰ろうかと思ったところで、天利の事務所が近くにあることを思い出し、立ち寄ってみたのである。
「……余計なお世話さ、学生さん」
天利は気にした様子もなくカップラーメンの残りを食べ終え、遠慮なく発泡酒の缶をグラスに注いで飲んだ。
「全く……これだから男のひとの一人暮らしって」
「ほっとけ。それより、それっぽい白猫ならさっき見たな。その辺を歩いて路地裏の方に消えたがな」
話に出てきた白猫が、先ほど事務所兼自室の窓から見えた白猫と同一かは分からないがと、天利はその様子を教えてやった。
「あ、やっぱりこっちまで来てたんですね……特別何ってワケじゃないんですけど、何かこう妙に気にかかる猫ちゃんで」
「まぁ、確かに野良のワリには妙に綺麗だったな、あのネコ」
月光に照らされた白い猫の毛並みは確かに美しく、幻想的な雰囲気をも醸し出しているような、そんな猫だった。
「でしたよね……もうちょっと、探していこうかな……」
綾花はポツリと呟く。懐に高級煮干しや鰹節、チーカマなどの猫グッズは持ってきている。この辺にいるのならばもう少し粘れば会えるかもしれない。
だが。
「やめとけ」
「え?」
天利の制止に、綾花は顔を上げる。
「もうこんな時間だぜ。月は出てるが暗いことに変わりはねぇよ。今日はもう帰んな、学生さん」
「……そう、ですね」
確かに外の月はとても明るいが、ちょっと人気のないところに入ればもう真っ暗だ。女子の一人歩きに適した時間ではない。
綾花の視線が窓の外の月を捉え、続いてなんとなく事務所の中を見渡す。
そこで、ふとあることに気付いた。
「あれ?」
「……どうした」
壁に掛けられている、天利のスーツを指差して呟いた。
「なんかあのスーツ、妙にキリっとしてませんか? いつもはもうちょっとヨレヨレなのに……」
綾花の言うとおり、天利はいつもヨレヨレのスーツをだらしなく着こなしている。靴や時計など細かいところは手入れをしているのに、スーツとスラックスはいつもヨレたままだった。それゆえ印象がちぐはぐで、全体像がぼやけてしまうのだが、その日のスーツはなぜかビシッとアイロンがかかっているようで、ある意味では天利らしくなかった。
「……誰かの結婚式でもあったんですか?」
「……違う。あれはなぁ……」
天利は語りながら、その日の夕方にあった出来事を思い出していた。
☆
「あいかわらずチョー猫背だなぁ、アマリのおじさんは」
夕方、まだ辛うじて空が薄紫でいてくれている時間帯。旧市街を歩いていた天利に声をかけてきた小学生の男の子がいた。
「……坊主か。何度言えば分かる、アクセントが違う。アマリじゃない、天利だ」
背後から接近してくるBMXの車輪の音に、天利は振り向きもせず応えた。
「へへっ、そんなのどっちでもおんなじだろっ?」
あっという間に天利を追い越した
結緑 一色
は、可愛いヒーローコスチュームを翻して、BMXをくるりと停車させた。サドルから足を離して天利の前に立つ。
今日も今日とてパトロールに勤しんでいる一色、ヒーローに休息はないのだ。たぶん。
「『あ』にアクセントを置くんだよ。坊主の発音だと『天利』じゃなくて『余り』だ」
そんな一色がわざわざ目の前に停まったというのに、天利は立ち止まりもせずに横を通り過ぎる。あからさまにスルーされた一色は頬を丸く膨らませて、BMXを押して天利の後を歩き始めた。
「いつも近所のオジさん達に余りものとかもらってんだろ? だから『余り』でいいんだよ、ばぁかっ」
天利は横に並んできた一色を見下ろしながら、懐から煙草の箱を取り出した。一本を口に咥え、火はつけない。
「……あれは仕事の依頼料に俺が作ってもらった――俺のために作られたものだ。だから余り物じゃねぇ」
天利も一色も旧市街に住んでいる。数年前から住み着いた、金銭で依頼料を取らない風変わりな探偵の噂は一色も聞いていた。特に悪い噂も立たなかったし、近所の住民の何人かは簡単な仕事――一般的には仕事とも言えないような手伝い程度だが――を頼み、その報酬という名目で天利が時折差し入れを貰っているのも知っていた。
「あいかわらず口が減らないなぁ、アマリのおじさんは」
「相変わらず口が悪いなぁ、坊主は」
そういう事情もあって、一色は天利のことを『余りもののおじさん』ともじって『アマリのおじさん』と呼ぶ。何度言っても治らないが、天利も特に気を悪くしているわけではなく、すでに挨拶のようなものだった。
「それにしても、おじさんは相変わらず暇してんのか? 仕事しろよ、仕事っ」
一色はちょっと背伸びして天利の猫背をバンバンと叩いた。
「仕事ね……してるさ、今もな」
天利は背中を叩かれても猫背を治さず、ぶらぶらと歩いた。
「お、チョー珍しいな、何の仕事だ? お金になるのかっ?」
天利は即座に首を横に振る。
「ガキが金のことなんか気にするもんじゃねぇ」
「なんだ、いつものでたらめか」
何となく一色はがっかりしたような口調で視線を地面に落とした。
「……俺に仕事がないのを坊主が気にすることはねぇだろ」
その様子が何となく寂しそうだったので、天利は声を掛ける。
「べ、別に気にしてなんかないよ、ばぁかっ。ただ、あんまりぶらぶらしてるとお巡りさんに捕まるぞって……」
「余計なお世話だ……ほれ、着いたぞ」
「え?」
気付くと、一色の家の前だった。
小学生はもう帰らなければいけない時間だ。まだ明るいとはいえ、遅い時間の小学生の一人歩きは褒められたものではない。
「……」
もうちょっとパトロールして行こうと思っていたのにと一色は思ったが、すぐに天利が自分を送りながら家まで誘導していたことに気付いた。時間が遅くなっては危ないと判断したのだろう。ぶらぶら歩いていたのも歩幅を合わせるためだったのだろうか。
「……アマリのおじさんのくせにっ!」
「あ、おい何をする!!」
勝手に気遣われたことが何となく悔しくて、一色は天利から上着をはぎ取ってしまった。子供相手に本気で抵抗するワケにもいかず、天利は大人しくヨレヨレの上着を渡す。
一色は玄関の扉を開けて、上着と共に天利を押し込んだ。
「そこで待ってろ!」
上着を人質に取られては無視して帰るワケにもいかない。天利は言われた通りに結緑家の玄関先で待った。
待つこと数十分。
「……ほらっ!!」
一色が天利の上着を持って家の中から走ってきた。
「……」
手渡されたジャケットはビシっとアイロンがかけられている。背中から袖口までまんべんなくよれっとしたいつものスーツとは思えないほどだ。
「……これは?」
「……あんまりヨレヨレした格好だから仕事もないんだよ、見た目だけでもビシっとしろ、ばぁかっ」
憎まれ口を叩く一色だが、天利にもこれが好意によるものであることはすぐに理解できた。9歳児にスーツのアイロンがけは難しい。母親に頼んだのだろうか、それとも教わりながら一色が自分でかけてくれたのだろうか。いずれにせよ微笑ましいその光景を想像して、天利は軽く笑った。
「そっか。サンキューな、坊主」
「う、うん。まぁ礼にはおよばないよ、うん。あんまり子供に心配かけさせんなよなっ」
一色もまた、自然に笑顔で返すのだった。
☆
「……というわけでな」
天利は綾花に説明を終え、発泡酒の入ったグラスを空にした。
「……いつも小学生と遊んでるんですか? お巡りさんに職務質問されないように気をつけて下さいね?」
綾花は壁にビシっとアイロンをかけられた天利のスーツを眺めながら呟いた。天利は飲んだ酒を噴き出しそうになりながら返す。
「大きなお世話だ、どいつもこいつも……」
小さな冷蔵庫から次の缶を取り出そうと立ち上がった天利。しかし、不意にその動きが止まる。
「……!」
「え、まだ飲むんですか? 飲みすぎは身体に毒ですよって……どうしました?」
天利の動きが止まったことに綾花も気付き、その様子を窺った。
「……」
黙って人差し指を口の前に当てた天利。綾花もすぐにその意図に気付き、その場に立ち上がった。何があるのかは分からないが、天利が何事かに警戒している。ならば、何かあったら動けるようにしておくのが妥当だろう。
天利は綾花の前を横切って、事務所の入口に向かう。その扉が勢いよく開き、何かが飛び込んでくる。
「悪い人に追われていますの! 助けて下さいまし!!」
という、
エリーゼ・ハルトマン
の叫び声と共に。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月21日
参加申し込みの期限
2014年12月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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