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秋の夜長は一回休みなのさ
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その少し前。
「……もうこんな時間か」
仁科 宝良
は呟いた。旧市街の、
仁科時計店
。気がつけば夕暮れの陽も落ちて、とっくに月が昇ってしまっている。ちょっと仕事に没頭しすぎたか、と時間を確認した。
「今日はこの辺にしておくか」
首をコキコキと鳴らせどそれに応える相手もいない。店の戸締りを確認すると、窓から差し込む月光のやたらと綺麗なのが目に映った。
「……そういや、今夜は一人か」
居候させている甥も出掛けている。雲ひとつない月と夜空を満喫するのには絶好の機会のように思えた。
「まぁな、こんないい夜に部屋でテレビでもねぇよな」
誰にともなく呟くと、宝良は仕事場から二階の部屋に移って全ての電気を消してしまった。窓を開け放って夜の空気を部屋中に満たす。一瞬、入り込む夜気に寒さを感じるものの、肌が慣れるとこの冷気を心地よく感じてくるから不思議なものだ。
「今夜の月もやけに綺麗じゃねぇか」
開け放たれた窓から見える月は随分と大きく、輝いて見えた。真っ暗な部屋のはずなのに、まるで不自由を感じない。暗がりの中で、机に置かれた煙草に手を伸ばした。苦もなくその一本を唇に挟むと先端に火を灯す。この暗い部屋の中での、唯一の明かり。
冷えた空気が煙草の火で暖められて肺に落ち込んでくる感触を愉しむと、美しい夜空に煙を解放した。
「……月見しながらのヤニってのも悪かねぇな」
何もない。何もないのだが、贅沢な時間だった。
ただ仕事を終えて一日の終わりに部屋中の明かりを消し、静かに月を眺めながら煙草をふかす。耳を澄ませば秋の空気を震わせる虫の声が心地よく響き、だというのに夜の静けさをも充分に堪能できる。浮かんだ月を眺めながら感じる夜は、そのすべてがすっと身体に入り込んでくるような心地よさがあった。
「ん?」
そんな宝良の一人の時間は唐突に終わりを告げる。猫だ。
「月見の散歩……ってか? 同じことを考える奴ってのはいるもんだな」
宝良の部屋のベランダからこちらを覗きこんでいるその白猫は、月光をふんだんに浴びながらまるで勝ち誇ったかのように軽くにゃあと鳴いた。
あたかも自分の方がこの夜を楽しんでいる、とでも言わんばかりに。
「はっ、いいじゃねぇか。俺もお前も、この夜を楽しめれば――それで」
それでも白猫が気になったのかベランダへと足を向ける。白猫は宝良から一定の距離を保つようにベランダから隣の家へと軽く跳んだ。
白猫の描いた目に見えない軌跡を眺め、視線を移す。
「……今夜は会う奴が多いな。本当に、同じ様なことを考える奴ってのはいるモンだ」
その猫が跳んだ先に隣人の姿を認め、宝良は呟いた。
☆
「……ハシバミ?」
浅葱 あやめ
は飼い猫のハシバミが鳴いたような気がして、視線を机の上から逸らした。旧市街、本日はすでに閉店した
浅葱眼鏡店
の二階、浅葱家の自室。
自分の机の足元に丸まっていたはずのハシバミを目で探す。机の上に積まれた資格試験の本や劇団公演の台本など、幾つかの本の向こう側に見えるはずのハシバミの姿を見つけることができない。
そもそも耳に届いた猫の鳴き声がハシバミのものでなかったことに気付いて、窓の方を見た。
「綺麗な月……ですね……ハシバミも月見、ですか……?」
ハシバミの姿はすぐに見つけることができた。ベランダの掃き出し窓に張り付いて外を見ている。その視線を追って窓の外を見やると、どこから入り込んできたのだろうか、一匹の白猫がいた。
首輪はしていないが、ただの野良猫にしては毛並みがいい。その白くて柔らかそうな毛が月光に照らし出されている様は、静かな秋の夜の空気と相まってどこか現実味を喪っているかのようにすら思えた。
――迷い猫、だろうか。
先日、自らの飼い猫であるハシバミも数日間行方不明になっていたこともあり、あやめは妙にその猫が気になってしまった。もし誰かの飼い猫が迷子になって来たのだとしたら、保護してやらなくては。飼い猫が迷子になった時の気持ちはよく知っている。もちろん杞憂であれば言うことはない。
警戒されないように、そっとベランダの窓を開けた。
「……?」
あやめが窓を開けると、ハシバミの毛が逆立つ。背を丸めて、睨みつけるように白猫に対峙した。
「ハシバミ……? どう……したんです?」
もとより愛想のない猫であるが、露骨に警戒心を見せることも少ないハシバミだけに、この反応は意外だった。あやめは意を決して窓からベランダに出る。ハシバミと白猫の間に入るようにして、白猫を眺めた。
首輪の跡のようなものは見受けられない。目の前のハシバミから威嚇を受けているにも関わらず、悠然とあやめに視線を送っている。
「……?」
手を出そうか、どうしようかと逡巡した一瞬。
「あ」
あやめの呟きより早く、白猫はベランダから飛び降りてしまった。どことなく行き場を失った片手が宙をさ迷う。
ベランダから跳んだ白猫を追って視線を動かしたあやめは、ここにおいてようやく気がついた。
隣の家――仁科時計店のベランダに人影がいて、その隣人に一部始終を見られていたであろうことに。
「……よぉ、眼鏡屋。あんたも月見か?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月21日
参加申し込みの期限
2014年12月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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