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●9月13日
桜 月
の誕生日●
●9月15日
旅鴉 月詠
の誕生日●
【九夜山山頂】
誕生日と言っても、
旅鴉 月詠
の生活は普段と変わらない。朝早くからキャンバスを抱えて秋の九夜山に出掛け、日の出と紅葉に両側から色づいていく、眼下の町をスケッチして過ごす。
「天高く雲は流れ、なべて世は事も無し、だな」
美しい自然の移ろいを絵筆のタッチで感じ取り、この世に生を受けた事に、ただ感謝する。
【星ヶ丘寮:桜月の部屋】
けれどその日の午後、彼女のアトリエを訪ねてきた人物に、少し驚いて月詠はドアを開けた。
「やあ、月か。どうしたんだい?」
ふわりと上げた日傘の下から覗く、真っ白な髪と紅の瞳。同じ星ヶ丘寮に住む、
桜 月
だった。
「よかった、居たね旅鴉さん。朝は留守だったから」
少しほっとした様子で月は、小瓶を懐から取り出すと、
「実は、いい紅茶の茶葉が手に入ってね。
1人で飲むのも味気ないし、折角だから誰か誘おうかな、と思って」
今日という1日も、いつも通りに過ごせればそれで良い。とくに気負うこともなく、そう考えていた月詠だったけれど、偶にはこんな、思いがけないハプニングも悪くない。
「ふむ、ありがとう。ではお誘いに甘えるとしようか」
メイドが焼いたスコーンを手土産代わりに、月詠は彼女の部屋へとお邪魔する。レースのカーテンが全面の窓に引かれた月の部屋は、午前中、山の光に慣れていた月詠の目には、すこし薄暗い。
繭のようだな、と月詠は思う。
「そこで座って待っていて……少し散らかっているけど」
月がお茶を淹れている間、興味深そうに月詠はその部屋を眺めて回る。インスピレーションのままに描き散らしたのだろう、服のデザイン画があちこちに散らばっていて、同じ芸術科に所属する生徒としても、他人の仕事場を見るのは面白い。
「おや、これは?」
机の上に置かれていた1枚の絵に目を留め、月詠はふと立ち止まった。月のデザイン画とは全く異なるタッチで描かれているから、明らかに別人の手になるものだとは分かる。
「旅鴉さん、お待たせ。……あ、座っていてって言ったのに」
少し恥ずかしそうにしながらも、月詠の前に茶器を並べ、ティカップにお茶を注げば、豊かで芳しい香りが広がった。最初のひと口をゆっくり味わった月詠に月が、
「どうかな。良かったら感想を」
「美味しいとも。紙と絵の具が欲しいな」
奇妙なリクエストに小首を傾げる月に、月詠は表情も動かさずに、
「それ以上のことは言えないから、この美味しさを絵に描いてみる」
さすが、芸術家。
月詠持参のメイプルスコーンも、瑞々しい紅茶の味に良く合った。焼きたてのふかふかなスコーンに、たっぷりの生クリームとジャムを付け、2人はお茶の時間を楽しむ。
聞けばこの茶葉は、月の祖父母から先日、送られてきたものなのだそうだ。彼らは高校に上がる前まで、月を養育してくれた人物でもある。今では遠く離れてしまった孫娘のために、2人で選んでくれたらしい。
「成る程、良い趣味をしておられる」
それから月詠は、
「お祖父さま、お祖母さまというのは……もしかして、
その絵に描かれている人達のことかな?」
さっきから気になっていた、机の上の絵を指さす。その絵には、3人の人物が描かれていた。中央には孫娘の月、そしてその後ろに寄り添うように立つ、穏やかな笑みの老夫妻だ。
「うん。その絵は、お祖父さまが描いてくれたんだ」
けれども。月詠の審美眼からすると、その絵はどうも構図のバランスが悪い作品だった。周囲の余白が多過ぎるのである。こじんまりと身を寄せ合った、中央の3人以外は空いている空間が多く、まるで完成途中の絵のようにも見えてしまう。
失礼な言い方にならないように、月詠がそのことを指摘すると、
「うん、そうなんだ」
何故か月は笑うのである。あまり見せたことのない、どこか照れ臭そうな笑みで。
◇
それは、2日前のこと。
カーテンを引いた星ヶ丘寮の自室で、いつものように月がデザイン画を描いていると、その彼女宛てに大きな荷物が届いた。
「お祖母さま達からだ……何だろう?」
差出人は、月の祖父と祖母からのものだった。部屋に戻って包みを開けると、中から出てきたのは1枚の絵と、猫のぬいぐるみ。そして何かの小瓶と、手紙が同封されていた。
「これって……もしかして」
予感に急かされるように手紙を読むと、案の定。それらは月への誕生日プレゼントだった。思わず抱きしめたくなるような可愛らしい猫のぬいぐるみは、
「これは、お祖母さまの手作り」
そして小瓶には、2人が月の好みを考えて選んでくれた、紅茶の葉が入っているとのこと。
「この絵は、お祖父さまが描いてくれたんだ」
月を囲むように立つ、祖父母の絵を手に取り眺める。生まれつき色素の薄い体質で、気味が悪いと両親から遠ざけられていた月にとって、彼らは唯一の「家族」である。素直に嬉しい。でも……
(もう少し、私達が大きくてもいいと思うんだけど……)
月から見ても、バランスの悪い絵なのだった。周囲に無駄な余白の多い、その絵に首を傾げながら、手紙を読み進めると、やがてその訳が分かった。
──その島に来てから月が出会った人達も、この絵に描き足すから連れて来なさい。
祖父の手紙には、そう書かれていたのだ。
つまり、時々友達を連れて、自分達の所へ帰っておいで、という事らしい。
「…………、」
その手紙を握りしめ、月はその場に立ちつくす。
今のこの気持ちを、何て言い表せばいいんだろう。
嬉しいとか照れ臭いとか色々な言葉が浮かぶけれども、そのどれでもあってどれでもないような温かい気持ちが、じんわり彼女の胸を充たしていく。
そう、この島に来た当初は。
優しかった祖父母のいる屋敷から離れて、なぜこんな誰も知らない場所で、自分が暮らさねばならないのか。まるで理由が分からず、ひどく戸惑ったものだった。
でも、今の月はもう分かっている。祖父達がここで自分に、何を学ばせたかったのか。
(──今度そちらに帰りますって、手紙を送ろう)
手紙には、紅茶の感想も添えて送ろう。
(そうだ、折角だから、誰かをお茶に誘おうかな)
この星ヶ丘寮にいる人に、思いきって声を掛けてみようか。もしかしたら、この絵のことも話せるかもしれない。それ以上の勇気が出せれば、祖父達の待つ屋敷へ、誘ってみることだって。
誕生日を迎えて1つ成長した自分には、きっと、それが出来る気がした。
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担当ゲームマスター
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シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月28日
参加申し込みの期限
2015年01月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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