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満月の夜に
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あんたもどうだい、と法被を着た見知らぬ青年に声を掛けられるまま、
深倉 理紗子
は何となくお月見大宴会の会場ブルーシートの上に疲れた足を踏み入れる。
(今日も、疲れた……)
勤務する寝子島総合病院でいつもと変わらず一日を仕事に追われ、やっとの思いで職場を出たのが午後八時も過ぎた頃。
自宅への帰り道にふと空を見上げれば、綺麗な満月。清かな月の光が妙に目に眩しくて、昼休みに見たテレビのニュースで今夜は満月だと言っていた
ことを思い出した。
思い出してしまえば、いつもと同じように自宅に帰ってしまうのがなんだかとてももったいないような気になってしまった。どこか適当な場所で月を見ようと寝子ヶ浜海岸に足を向け、海岸で催されていた宴会の賑わいにうっかり惹かれて足を向けた。
そうして宴会場に踏み入ったが最後、
(わたしと話して白けないかな……)
楽しげな宴会の雰囲気を壊してしまわないかと気を揉んで立ち尽くす間もなく、お節介な商店街青年団の面々や酔っ払い老人達にあれを持って行けこれも食べていけと、両手いっぱいにコップ酒や缶ビール、惣菜屋のパック詰めお弁当やお菓子のバラエティパックまで押し付けられた。
(どうしよう、これ)
両手いっぱいのお酒とおつまみに別の意味で途方に暮れて立ち尽くす。
とはいえ、いつまでも呆然としているわけにもいかないだろうと持ち前の強がりを総動員させ、月明かりの潮風を胸に満たして辺りを見回す。ススキとお供え物の飾られた会場の真ん中に陣取る度胸は持てず、シートの端の方へと移動する。適当な端に腰を下ろしたはいいものの、月見酒を楽しむ人々の賑わいに囲まれどうにも落ち着かない。
(……疲れてるな)
重たい肩を撫で、首を回す。そのせいで感情の歯車が少しずれているのかもしれない。
人と交流するのが苦手、というわけではない。曲りなりにも内科に勤務する医師である以上、人との会話を厭うようではやっていけない。少なくとも、理紗子はそう考えている。
ただ、今は。疲れているせいか、人との交流が何となく面倒に思えてならない。だからこそ、そんな気分の中で自分から誰かに話しかけるのは場を白けさせてしまうのではないか。どうしてもそんな風に考えてしまう。
気を回しすぎて萎縮し、ひとりで缶ビールを開ける理紗子の耳に、
「なあなあ、二人? こっちも二人だしさ、一緒にどう?」
年若い青年の浮ついた声が届いた。ちらりと見れば、同じ膝掛けを使い並んで仲良く座る洋装と和装の少女二人の脇、お月見よりもガールハント目当てと覚しき軽薄そうな青年二人が馴れ馴れしい態度でしゃがみこんでいる。
「いいえ、あの、……結構です」
「困ります」
着物の少女と洋装の少女が、揃って困惑したように首を横に振る。助けるべきだろうかと腰を浮かしかけて、
(でも、逆に迷惑になったりしないかしら)
理紗子は瞳を伏せる。
「ね、ホラあっち行こう」
「やっ、……」
「あの、本当に、困ります……ッ」
強引に迫られた少女達が悲鳴に近い声を上げる。だめだわたしが何とか助けなきゃ、と理紗子が立ち上がった瞬間、
「くそぅ、リア充爆ぜろなのだ~!」
絶叫しながら砂浜を全力疾走してきた赤ジャージの少女が青年二人に腰の入ったタックルをかました。堪らずシートから押し出され砂の上に転がり、罵声上げる青年二人の前、
後木 真央
は足音も荒く仁王立つ。
月の光を浴びて黒いオーラを放つ少女に眼光鋭く睨み据えられ、ナンパな青年二人は凍り付く。
「写真撮り損なうわリア充幸せそうだわ」
九夜山から生還した真央はそれはもうものすごく不機嫌な低い声で唸る。よく会う鳥の人の時子ちゃんとその友達を困らせた青年二人を威嚇して、足をどんと踏み鳴らす。
「やってられないルナティックなのだ! あっち行けー!」
八つ当たりじみて殴りかかられそうな雰囲気を感じ取ったのか、青年二人は這う這うの態で逃げ出す。
真央は鼻息も荒くその場に胡坐で座り込む。猫じみて大きく伸びをしながらシートの上、仰向けに倒れる。
「だ、大丈夫ですか……?」
「ありがとうございます」
冬華と時子にそっと覗き込まれ、照れ臭そうに笑う。
「あっちのお姉さんが助けたそうにしてたからなのだ」
「えっ、あ、……ううん、わたしは別に何の役にも」
人懐っこそうな少女から不意に話を振られ、中途半端に立ち上がろうとした格好のまま、理紗子は首を横に振る。
「あの、ありがとうございます」
「良かったらこっちで一緒に」
ふうわりとした優しげな雰囲気の少女二人に誘われ、断る理由もなく、理紗子は両手いっぱいの飲み物食べ物を抱えて少女達の輪に混ざらせてもらう。
「たくさん貰ったから、良かったら食べてくれるかな」
「お弁当もありますから、どうぞ」
「ジュース、取ってきますね」
「ありがたいのだ! 真央ちゃん食べなきゃやってられない気分だったのだ!」
妙齢の女性と少女二人の歓待を受け、九夜山で散々な目に遭ってきた真央は早速やけ食い気味の爆食を始める。
旺盛な食欲を見せる真央を微笑んで眺めて後、時子は海岸のずっと後、町を挟んで遠く見える学校を振り返る。
(今は休憩中でしょうか? それとも実験中?)
恋する人の今を、想う。あの人がもし今、同じ月を見上げていれば。あの人と同じ月を見られていれば、嬉しい。そうして、いつか。
いつか、叶うのならば。
(一緒にお月見出来たら)
心に願って、時子は波の調べを耳に響かせ月を仰ぐ。
「それはお酒ですか?」
「ええ」
真央のために缶ジュースを貰いに行って帰ってきた冬華に遠慮がちに聞かれ、理紗子は小さく頷く。女子高生らしい女の子達の輪の中に混ざるのは気が引けたけれど、女の子達は笑顔で話しかけて来てくれる。それがとても有り難かった。女の子達の話に耳を傾け、話しかけられれば答えるだけでいい雰囲気が今は気楽だった。
「お酒って美味しいのだ?」
「……大人になれば分かる、かしら?」
巧い返し方の分からない問いかけには曖昧な笑みを浮かべてしまう。たぶん女の子達には少し頼りない感じの大人に見えるだろうけれど、理紗子からしてみれば、人と話しながらのお月見はそれなりに楽しかった。
(もっと屈託なく接することができれば)
きっともっと楽しいのだろうな、と思いながら見上げる月は、それでも眩しいほどに明るく輝いている。
箸が転げても笑う年頃の女の子達につられて、理紗子はふうわりと笑む。
(まあ、今はこれでいい、よね?)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月01日
参加申し込みの期限
2014年12月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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