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満月の夜に
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陽が沈む。
黄金から茜へと色を落として行く空を、眺めている間に遠い海へ溶けて行く太陽を、
浅沼 柳司
は黒い瞳にじっと映す。
黄昏の空に悠々と舞う鷹を瞳に捉える。思わず腰掛けた木の上から飛び降り、ろっこんを発動させて背に翼を得て追いかけたくなって、思い留まる。 夕風に背中を叩かれ、金に染めた短髪を掻き回され、樹に耳を押し当てるように寄りかかる。
(こっから見る夕日はいつもきれいやけど)
今日はいつにも増して美しく見えて、瞳を細める。空に視線を広げれば、満月も昇ってきている。
(そういや今日、満月やっけか)
温泉街から展望台に掛けての道に月見の燈籠が置かれることも同時に思い出して、柳司は木の幹から頭を上げる。枝の上に立ち上がる。
(せっかくやし)
ちょっと見に行ってみよかー、と身軽に気軽に、慣れた仕種で木の上から飛び降りる。勝手知ったる庭とばかり、体力自慢な少年は軽い足取りで獣道じみた山道を駆け抜ける。
虫の声を足元に聞きながら森を抜けて、
「よ、ッと」
ひょい、と木々の間から展望台に至る登山道に飛び出した途端、ふうわりとした燈籠の光に優しく照らし出される景色に眼を奪われた。
「おおおー」
これは確かにきれいやなー、と歓声を上げる。写真を撮ろうとスマホを取り出す。宵闇落ちる灯篭の道よりも余程明るいスマホ画面を覗き、カメラアプリを立ち上げる。明るさ調整をしながら画面越しに道を見る。
幻想的に照らし出される光の道を行く、観光客や地元の人間の背中を画面に写す。月夜の道を辿る人々の背中の中、友人に似た黒髪の背中を見つけ、何気なく声を掛けようとして、いつものどこか影の薄いような、何かに怯えているような彼とはまるで反対な雰囲気に躊躇った。月影に見間違えたかとちらり首を傾げる。
人違いだろうとあっさりと割り切り、燈籠越しの森へとカメラ画面を動かす。炎の光を揺らがせる燈籠の向こう、月明かりの森に生えるススキの群生を捉える。
(んー、やっぱススキ入った方がきれいかな……)
月見の写真に季節感は欠かせへんやろと笑んだ唇が、光宿して揺れるものを写し撮る難しさに引き結ばれる。
「って、あのススキなんか光ってない……? え?」
スマホ画面から目を離す。光に眩んだ眼を擦り、宵闇に眼が慣れるのを待ってもう一度、ススキを見てみる。間違いなく、ススキの穂が蒼白い光を放っている。
神魂の影響だろうかと物珍しさに動きを止める柳司の耳に、低い唸り声が届く。振り返る眼に捉えて、森の茂みを鋭い爪と逞しい腕で掻き分け現れる金色の眼とけむくじゃらな体の、
「なんか来たー!!」
(何やあれ、狼男?)
「あれか、早めのハロウィン? ろっこん? こんばんは?」
混乱気味な頭と口で同時に言葉を放つ。逃げ出したくなる足をハタいて踏み止まって、牙剥き出して威嚇された。
「……って、あれ? ちゃう?」
冷や汗かきながらじりじり後ずさった分を跳躍一回分で帳消しにされた。狼男が牙を剥き出す。鋭利な爪の腕を振りかざす。大振りの一撃はのけぞってかわす。父親の突きよりは遅いと思いつつ、大慌てで踵を返す。とりあえず逃げ出す。
燈籠が灯っていたはずの道に光はなく、ただ、天辺には展望台らしい建物がひどく大きな月に照らし出されて見える。
「おおおお、前にもこんなことあったなー!?」
力いっぱい喚いて坂道を駆け上りながら、柳司はちょうど一ヶ月前にもこうして全力疾走したことを思い出す。あの時は骸骨だった。
(今は)
ちらり振り返れば、後を追い駆けて来るのはけむくじゃらの狼男に箒持った黒ずくめの魔女、凶暴そうな角生やした兎らしい生き物。
「うおお、増えとるー! 何か色んなもん混ざっとるー?!」
賑やかに喚いて叫んで、少し先、たった今こちらに引きずり込まれたように道の途中に立ち尽くす、黒髪の小柄な少年の後ろ姿を見た。
「おーい!」
背後から呼びかけられ、
樋野 秀吉
はぎくり、細い肩を震わせる。夢から覚めたように瞬いて、ぐるりを見回す。人の多い寝子島神社を出てから、もう少し遠くまで、と思いながら歩いて歩いて、気付いたら展望台に続く登山道まで来ていた。それでも今は頂上を目指して歩いて、――いたはずだった。
人の多いところも苦手だったけれど、人の少なすぎるところも心細かった。誰か他に人いないかなと、どこまでも続いて行きそうな燈籠の道をひたすらに歩いて登っていたはず、だった。
(ちょっと怖いっスね)
なんか違う世界に迷い込んだみたいで、と思ったところで背後から呼びかけられて振り返って、
「……っ?!」
坂道を賑やかに駆けて来るちょっと強面の少年と、その後を追い駆けて来る怖い姿のものを見た。
「なんすかあのバケモノ……!」
一瞬、誰かの変装かとも思ったものの、逃げてくる少年の形相は必死そのもの。
「ヒッ……!」
しかも彼も化物達も、真直ぐこちらに向かってくる。反射的に逃げ出すも、元より深夜までネットに勤しむインドア派、運動神経はよくない。焦りばかりが先立って、足がもつれる。いくらも進まないうちに派手に転んでしまう。
「たすけて……!」
「大丈夫か、しっかりせえ!」
立ち上がろうとして立ち上がれず、土を掴んでもがく腕を後から追いついた少年が掴む。力強く引かれ立ち上がらせられる。
「……っ、別に、」
「立てるか、何やったらお姫様抱っこなとしたろか?!」
助けてくれた方も混乱しているのか、秀吉を半ば引き摺るかたちで走り出しながら、焦りを含んだ声で口走る。
「走れるっス!」
お姫様抱っこの憂き目には断じて遭うまいと、秀吉は恐怖に萎えそうになる足を必死に立て直す。同い年らしい少年と肩を並べて走り出すも、圧倒的な体力差の為、並んで走れたのは僅かの間。
息を切らしじりじりと速度を落とす秀吉を柳司は振り返る。化物の群から先に飛び出した角持つ兎がつぶらな眼に凶暴な光宿し、秀吉の背に角の一突きを与えようと跳躍する。
「ちょっ、あかん!」
踏み止まり秀吉を庇おうとする柳司の耳を、
「伏せろ!」
聞き慣れた声が叩く。反射的に指示に従う柳司の傍らを凄まじい速度の投石が過ぎる。正確に狙い済ました石に打たれ、角持つ兎が兎らしからぬ声をあげて地に伏せる。
「おおきに、助かった」
火の絶えた燈籠を背に立つ友人、
桐生 計都
の姿を認め、柳司は笑みを向ける。
「計都」
「行け」
計都がいつもの柔らかな口調とはどこか違う口調で言い放つ。感じた違和感を確かめるよりも先、申し訳無さそうな眼で秀吉が差し出してきた手を柳司は掴む。立ち上がる。
二人を捨て置き、計都は迫る化物の群に攻撃を加えるべく、手近に転がる丈夫そうな枝を拾い上げる。堪え切れぬ好戦的な笑みを黒い瞳に滲ませ地を蹴ろうとして、
(計都なら)
傍らにある少年ふたりの視線を気にして立ち止まる。
(計都なら、他人を放っておけないだろう)
そう考えるのは、計都の体に宿る、計都とは別のもうひとつの人格。
ろっこんの力により計都の体に宿り、満月か新月の日の夜に鏡を見ることでメイン人格である計都と入れ替わりに『表』に現れる、――『ウラガワノボク』である『ラゴ』。
計都の与り知らぬところで計都の体に目覚めた『ラゴ』は、計都の記憶を保有する。
(それに、)
その計都の記憶の中、今傍らに立つ少年二人のうちの金髪の方に見覚えがある。確か、
――浅沼くん
計都がそう呼ぶ計都の友人の名を思い出し、ラゴは柳司に見えぬ位置で不機嫌に唇を歪める。
満月の今日、計都が自宅でふと鏡を見てくれたお陰で『表』に出、せっかくの機会だからと、
――月が綺麗だから外にちょっと出てくるね
家族に計都の振りをして家を脱け出した。夜に彷徨い、九夜山の展望台を目指して歩き出して、途中で蒼白く光るススキを見た。フツウとはナニカが違う道に迷い込んで、それでも、どうせまた神魂の影響だろうと冷静に考えつつ、異常に大きな月が浮かんでいるくせに妙に暗い山道を辿っていて、
(……暴れられるかと思ったのにな)
ラゴはすぐ傍に迫る見慣れぬ生き物達を一瞥する。ああいう連中なら、どれだけ殴ろうが石で打とうが構わない気がしてならないが、計都の友人の目前でそれをするのは憚られる。
「……っ!」
化物達を殴り据えるために手にしていた枝を、威嚇のために彼らの足元に投げつける。
「逃げよう、浅沼くん」
ラゴは計都を装い、怯えた風で柳司を見る。
「お、おお、……せやな、ここは逃げんとな」
一瞬戸惑ったような顔を見せるも、柳司が頷く。
少年達は追いかけて来る化物達から逃れるべく、月夜の山道を懸命に駆け上る。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月01日
参加申し込みの期限
2014年12月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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