職業体験学習でお仕事しよう！｜リアクション

職業体験学習でお仕事しよう！

●オークレイ牧場

　星ヶ丘にあるオークレイ牧場は牛や馬だけでなく、うさぎ等の小動物もいる。
　搾乳体験、乗馬体験、カウボーイ体験等、各種体験コーナーや季節ごとのイベントが行われたり、オリジナルアイスクリームや乳製品の販売所、イートインもある。

　バニー・オークレイはここの娘だが、中学生なので職業体験学習の生徒と一緒にいる。
「オークレイ牧場にようこそ。本来なら朝早いですが、今日は体験学習ですので遅めです」
　バニーの父が言うように、牧場の朝は早い。
（ほんと、牧場は朝早いのよね……）
　こっそりあくびをするバニー。
　説明が終わると、職業体験学習の生徒達はバニーの両親、従業員の指示で仕事を。
　小学校低学年の子は、ふれあいコーナーの小動物の餌やりと清掃作業を。
　高学年と中学生の子は、牛の餌やりと牛舎の清掃作業をすることに。
　触れ合う小動物の餌やりをしていた小学生達は、黙々と餌を齧るうさぎを見てかわいいと思った。
　その後は、小動物が入っている小屋や木箱の清掃作業。
　小動物のフンを取り除いてから、ブラシを使って小屋と木箱を綺麗に。臭いと言いつつ、小動物が入る場所を綺麗にする小学生達。
「ご苦労様でした。うさぎを抱っこしていいですよ」
　バニーの父は、頑張ったご褒美として小学生達を小動物達と触れあわせた。
　清掃作業は大変だったが、うさぎを抱っこしているとそれが吹っ飛んだようだ。

　小学校高学年、中学生には牛の餌やりと牛舎の清掃作業をしてもらうことに。
「この仕事は難しくないけど体力がいるから、皆が思ってるほど、のほほんとしてないの」
　牛舎を案内するバニーがそう言うので、小中学生達は不安な表情に。
「牛舎の掃除もあるし、仔牛の世話やフンの処理もしなきゃだし大変なのよ」
　中に入ると、フンの臭いが漂ってきた。耐え切れず、早くも牛舎の外に出る生徒も。
「無理しなくていいですよ。牛舎の掃除が終わったら餌やりをするので、それを手伝ってもらいます」
　バニーの父の言葉がすごくありがたい、そう思う外に出た生徒だった。
「他の皆さんは、牛舎の掃除をしましょう」
　バニーの父、バニーの指導でさっそく清掃作業を。
　始めたのはいいが、我慢していたが臭いに耐え切れず途中で外に出ていく生徒も。
　やり始めたからには、最後まで仕事をしなければという責任感もあり、すぐ戻ってきた。
「ジャスドゥイット　やるだけやりましょ♪」
　職業体験学習の生徒は途中退出することはあっても、誰も逃げ出すことなく、最後まで仕事をやり遂げた。
「この仕事、どうだった？　けっこう大変だったでしょう？　でも、とても大事な仕事なのよ」
「そうだね……想像以上に大変だったよ……。牧場の仕事ってしんどいんだね……」
　そう言った生徒は、別のところで職業体験学習をしに行くと言い別の受け入れ先に行った。
　掃除の後、餌やりを済ませた生徒の何人かも、別の受け入れ先へ。
　生徒達が帰る前、記念品としてテンガロンハットと蹄鉄を従業員が生徒達に手渡した。
　本来は職業体験学習がすべて終わった後に手渡すのだが、別の場所に行くのだから先渡しにしたのだ。

　販売所で働いている生徒は、商品の説明をしたり、値段を覚えたり、ソフトクリームを作ったり。
　楽そうな仕事と思い選んだようだが、販売の仕事もけっこう大変なのだ。
「職業体験の内容、小中学生がやりやすい内容にしようか？」
　バニーの父がそう言うが「牧場の仕事を知ってもらうには、ちゃんとしてもらわないとダメ！」と反対するバニー。
　馬との触れ合いと餌やり、牛の父搾りといった作業がまだ残っている。
「私達がしっかり指導すれば、興味を持った職業体験学習の生徒がしてくれるわ。何事もチャレンジよ！」
　娘にそう言われ、その通りだなと頭が上がらない父だった。