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想いが籠ったお弁当
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銀色の髪を赤いリボンで後ろに束ねて
夕鈴 翼
が元気に山道を登っていた。身長は低く、小学生らしく見える。しかし、成熟した豊満な胸はTシャツでは抑えられず、大人の色香をそこはかとなく振り撒いていた。あまりによく弾むので下着の類いを着用していないのかもしれない。
「青空の日の山登りは気持ちが良いのです」
道の悪いところは手を使って登った。黒いスパッツに包まれた程良い筋肉が躍動する。
「もう少しで頂上です」
微塵の疲れも見せないで翼は背中の小ぶりなナップサックを揺らして突き進む。その先で祐と渚砂を目にした。
祐はシートに並べられた弁当の中身に向かって手を叩いて喜んだ。
「渚砂さん、さすがだ! 匂いだけで美味さがわかるぜ! 彩まで考えられたこの弁当、いい奥さんになれるよ、俺が保証する!」
「いい奥さんは女性でないとなれない気がするんだ! いいお兄さんを目指すよ、微妙な絶賛をありがとう!」
「面白いお兄さん達です」
興味を持った翼は少し様子を見ることにした。
「いただきまーす」
「お兄さんの料理を味わって欲しい! TASの和風弁当もいただくぞ!」
二人は互いの弁当に手を伸ばし、食べ始めた。急に祐は無口となった。口から湯気を吐きながら巾着餃子を頬張る。冬籠り前のリスのような状態でエビチリにまで手を出した。言葉にならない声を上げて口に料理を詰め込んでいった。
「いくらお兄さんでも今のTASの言葉は解読できないぞ!」
渚砂は祐の唐揚げを口に入れた。よく噛んで味わうようにして食べる。
「噛むほどに味が出る。揚げ具合が最高だな。胡麻和えはどうだ?」
細かな胡麻を身に纏った各種の野菜を箸で摘まむ。渚砂は目で味わって最後に口に入れた。
「胡麻の風味が良い感じだ。野菜の味を活かした薄味が胃に優しい。TASの和風は王道で美味いなー。今度は出汁巻き卵を焼いて貰いたいな」
称賛される本人は膨らんだ頬で顔を振るわせていた。顔色が悪くなっている。
「TAS、喉に詰めたのか!」
渚砂は水筒に手を伸ばし、蓋に中身を注いだ。
「春雨のスープじゃない!? この色と匂いは味噌汁か! 少し熱いが飲めるよな!」
宙を掻くような手に蓋を持たせると、祐は唇を尖らせて飲んだ。顔色が解消された直後に表情が歪み始める。
「……渚砂さん、このみそ汁、不味くね?」
「ま、まあー、インスタントだから、あまり美味くはないかな」
「腐った水を沸騰させた? 大豆の発酵は腐敗の意味なんじゃ、ウッ!」
祐は掌で口を覆った。助けを求めるような目で自身のナップサックに縋り付く。
「消費期限はまだ先だし、お湯も大丈夫なはずなんだけど……あ、あれー?」
取り繕うような笑みを見せる渚砂の前で祐は隠し持ってきた酒瓶をラッパ飲みした。半分近くを胃に流し込んで、ようやく口を離した。荒い呼吸が両肩を激しく上下させる。
「ハァハァ……これがおふくろの味、恐怖の味噌汁なのかッ!」
「またお酒なんか持ってきたのかー。飲み過ぎて酔っ払うなよ」
「恐怖の味噌汁のせいれ、飲まらいといられませんよ!」
祐は涙目になって渚砂に抗議した。その口調はすでに酔っ払いのもので、遠目に見ていた翼は声を上げて笑った。
「本当に面白いお兄さん達ですね」
目尻の涙を指で拭って翼は他の場所にも目を向けた。
「あそこにいるのは刀お兄さん」
二人の女性の姿を見て、楽しそうですね、と忍び足で近づいていった。
刀は千歳の用意した肉じゃがを食べた。目を見張ったまま、今度は肉だけを摘まんで口の中に押し込んだ。
落ち着かない様子で千歳が刀を見やる。
「その、刀君、肉じゃがは美味しい?」
「千歳の作る弁当の美味しさは知っていたつもりだ。毎朝、一緒に剣術の練習をした後に食べさせて貰っていたから。でも、この弁当は別格の美味しさだ。特に肉の味が良かった。言葉を忘れて夢中になったよ」
「そう、やっぱりわかるものなのね。その肉は実家から送って貰った、最高ランクのA5の肉なのよ」
「そうなのか」
「それと夢中になり過ぎよ」
千歳は持ってきたペーパータオルから一枚を引き抜いた。四つん這いの姿勢で刀の口の周りを拭う。
「ありがとう」
刀の真っ直ぐな視線に、構わないわ、と赤らんだ顔を横に向けて言った。
「小山内はハンバーグか。唐揚げとハムサンドもいいな」
『かたなくん、おにくがすきだもんね。わたしのおべんとうもたべてみて』
海はスケッチブックを開いて微笑んだ。刀は迷うような手でハムサンドを選んだ。半分を口にして新鮮な音を立てた。続けて卵サンドにも手を伸ばす。
海はそわそわしながら言葉を待った。千歳は真っ先に気付いて、味はどうなのよ、と刀に少し強い口調で聞いた。
「……ごめん、こっちも美味しくて。小山内、とても美味しいよ。上達したね」
『そうなのかな、ありがとう』
「小山内さん、私達も食べようか」
海は青いリボンを揺らして頷いた。千歳は別の容器に入れた出汁巻き卵を二人の前に、そっと指で押し出した。海苔で細工された猫の顔が斜めに重なってずらりと並ぶ。
海は目を丸くして急いでスケッチブックに文字を書いた。
『ちとせちゃんのだしまきたまご、とってもかわいい!』
海は箸で摘まむと、スケッチブックを膝に乗せて鉛筆を走らせた。
『みみまであるよ。よくこんなふうにつくれたね、むずかしくなかった?』
「耳はあれよ。瞬間的に閃いた感じよね」
感心する海に千歳は多少の照れ隠しで笑って見せた。
「……味もいいよ」
加速する手で刀の頬は膨らんでいた。
『ほんとうにおいしいね』
海はスケッチブックに文字を書きながら危なっかしい手付きで食べた。刀は箸を反対に持ち替えて自作の俵型のおにぎりを挟んだ。
「小山内、スケッチブックがあって食べにくいだろう」
刀はおにぎりを海の口元に持っていった。予想もしない行動に海は瞬時に顔を赤らめた。その動揺は千歳にも広がって唇が小刻みに震える。
「小山内、どうしたんだ? 口を開けて、あーん」
沸点を超えた顔色で海はおにぎりの先端を齧った。ふらふらする頭で口を動かし、最後まで食べさせられた。
「味はどうだ?」
『あたまがふわふわして、おいしい』
「ただのおにぎりだけど、美味しいなら良かった。千歳も遠慮しないで食べて欲しい」
「……あのね、刀君」
千歳の静かな怒りが爆発することはなかった。笑顔の翼が横から顔を出した。
後ろ手に組んだ手のせいなのか。翼の胸は圧倒的な大きさを誇り、千歳と海の目を引き寄せた。
「美味しそうなお弁当が並んでいますね」
「夕鈴ちゃんも来ていたんだね」
「はい、一人なのでボクも参加していいですか?」
『いいよ。みんなでおべんとうをたべよう』
赤みの残る顔で海はスケッチブックを掲げた。千歳に目を向けると、私もいいわよ、とすんなり同意した。
「お邪魔します」
「私とは初対面よね。橘千歳よ、よろしくね」
「ボクは夕鈴翼と言います。お姉さん、よろしくお願いします」
「私のお弁当なら、どれを食べてもいいわよ」
『わたしのおべんとうもどうぞ』
二人の言葉を受けて翼は猫の顔の出汁巻き卵とハンバーグを交互に食べた。溢れる笑顔で、とても美味しいです、と口にした。
「本当に美味しいわ。小山内さん、料理の腕を上げたわね」
『ありがとう。ちとせちゃんのもおいしいよ』
その間に翼はナップサックからお弁当を取り出した。
「貰ってばかりだと悪いので、ボクのお弁当も食べてください」
弁当箱の蓋を取ると中には海苔巻きが敷き詰められていた。一口サイズに切り揃えられていて具材が一目でわかるようになっていた。薄茶色はかんぴょうで色濃いのはおかか。薄緑のキュウリに小粒の納豆が見て取れる。
「お兄さんはどれが好きですか」
無邪気な笑顔を浮かべて翼が刀に擦り寄る。肘の部分が胸の中に飲まれそうになって慌てて引いた。
「お兄さん、好きなのを選んでくださいね」
翼は両手をシートに付いた。上目遣いで刀を見つめる。胸の重みでTシャツが前に引っ張られ、肉感的な深い谷間を覗かせた。
「立派な胸だね。それとも最近の小学生の発育が凄いのかな」
「ボクの胸、そんなに凄いですか」
不思議そうな顔で翼は膝立ちとなった。ゆっくりと上体を倒して刀の顔に近づけていく。途端に千歳の表情が険しくなる。海は少しむくれた顔でスケッチブックに文字を書いた。
『かたなくん、デレデレしてる』
刀はやんわりと苦しい立場に追い込まれた。
「凄いというか、俺にはよくわからないな」
「そうですか。前から気になっていたのですが、
あの時
の感触はどうでしたか」
「えっと、何の話かな」
「ボクの上にお兄さんが覆い被さって、胸に顔を押し付けてきた時の話ですよ」
気軽な世間話をするように翼は笑顔で言った。他の二人の心情は穏やかではない。怒気を孕んだ視線が刀の全身を突き刺した。
「柔らかかった、じゃなくてあれは違うんだ。猫を助けた時に滑って、その、たまたまなんだ」
「そうです。たまたまが二回も続いただけです」
補足の説明で更なる窮地に立たされた。刀は力みを伴った笑みで翼の弁当に目をやる。摘まんで口に入れては感心したように頷いた。
「こ、このかんぴょう巻きは美味しいね。おかかも良い味付けだ。小山内と千歳も遠慮しないで食べてごらんよ」
額に薄っすらと汗を浮かべた刀が二人に勧める。気を取り直した海がおかかを選ぶ。千歳は納豆巻きを摘まんで食べた。
「良い巻き具合で味も悪くないわね」
「ありがとうございます」
礼儀正しい翼に千歳は微笑んだ。刀には深い笑みを向けた。
「さっきの興味深い話は、あとでゆっくりと説明して貰うわよ。いいわよね、刀君」
『わたしもききたい』
食い入るような二人の視線に刀は力なく笑った。
「うさぎ饅頭、欲しいのなら、もっていれー」
「TAS、完全に酔っ払いだな!」
うさぎという部分に興味を引かれたのか。翼は立ち上がると、貰ってきます、と笑顔で駆け出した。
遠ざかる翼の背中に刀は縋るような目を向けるのだった。
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日常
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定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月26日
参加申し込みの期限
2014年11月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月02日 11時00分
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