this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
秋の日の海は、なんだかとても水色で
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
14
つぎへ >>
肉。
肉肉。
肉の宴。
海辺の宴。
それはまるで酒池肉林……っていうのはちょっと違いますか。
ともかく、この日このときこのビーチで、四人がバーベキューをすることになったきっかけは、なんといっても降って湧いたような大量の牛肉のおかげでした。
それもただの肉じゃないのです。最高級のA5牛肉です。それは究極にして至高の牛肉、セレブ中のセレブといいますか食肉世界のミス/ユニバースといいますか、ともかく、バーベキューなんかで消費するには、恐れ多すぎるほど異次元の存在というべき肉なのでした。赤い部分は太陽のごとく鮮やかで、白い部分は雪のよう、一口食べようものならば、たちどころに腰は砕け足は体を支えられなくなり、舌は歌い魂は天に昇るような……と書いてもさほど大げさすぎないという、極上中の極上のビーフなのであります。
それをぎっしり、余るくらい使えるという幸せ!
見よ、このクーラーボックス! この豊かな大きさと重み!
――千歳様、ありがとうございます!
御剣 刀
は心の中で
橘 千歳
に手を合わせ、お礼を言うのでありました。
きっかけは、
「この前作った肉じゃがが好評だったことを実家に伝えたら、肉をたくさん送ってきてくれたの」
と言ってごく平然と、千歳がこの牛肉世界のエンペラーを持ってきたことにあります。
ならバーベキューをしようとすぐ定まり、千歳と刀、それに
小山内 海
と
北条 冬華
の四人で、オフシーズンの浜にてバーベキューの運びとなったのでした。
「ちょっと肉じゃがにするには量が多すぎるし、ちょうど良かったかな」
などと千歳は笑っていますが、そもそもこれ、バーベキューや肉じゃが向きの肉とは言えないのです。けれどもそのあたり、名門育ち(実家は京都の旧家)ゆえの感覚のズレなのか、彼女はいまいち認識していないのでした。さてどうなりますことやら。
『バーベキューってあまり行くことがないから楽しみかも』
と一筆したためて、海は自分の荷を解きました。
キャベツがごろりと出てきました。それに、焼きそば用の麺がビニール袋に入った状態で顔を出します。
加えて焼肉のタレ、そして塩こしょうの登場です。調味料って大事ですものね。
「私はこれを持ってきました」
と言うのは冬華です。
彼女はトウモロコシとスライスした玉葱を持ってきています。それに焼肉のタレも。タレは一見、海とかぶったようですが、千歳のタレが醤油ベースの辛口なのに比べて冬華のものは味噌味甘口、味比べが楽しめそうです。
「俺は、皆が食べやすいよう小さめのおにぎりを作って来たよ」
こちらは刀、宣言通りのバスケットを開けて、小ぶりの可愛らしいおにぎりを披露するのでした。
「確かバーベキューで肉を焼くのは男性の役割よね?」
千歳の言です。
皆さんもご存じのようにハンムラビ法典から日本国憲法まで、世界中のあらゆる法規を調べようとも、そういうルールはまずありませんけれども、
「バーベキュー奉行とか聞いたことないけど……焼くのは刀君に任せていいのよね」
と彼女が言うなり刀は、
「イエス! お任せ下さい!」
電光石火、モーターでも搭載されているかのようにテキパキパキと、コンロを組み立て火をおこし、食材を敷き詰めていくのでした。
刀の行動にはまったく迷いがありません。肉の前にはすべてが無力、というやつでしょうか。
閑散としたビーチです。しかしコンロの回りは赤々、元気に炎が踊りだし、煙も立って空にのぼりはじめて、なかなかの好況となりました。
「これって、どうなったら食べ頃なの……?」
緊張しいしい千歳は言いました。こんなにコンロのそばに立つのも初めてなら、友達とバーベキューをすることも初めて、当然手ずから焼きたて肉を取ることだって初めてのお嬢様ゆえ、目にするものすべてが珍しく、ちょっとだけ怖く、そして刺激的に映っています。
「千歳さんは料理はあまりなさらないのですか?」
冬華に問われたのでなんだか、過去の恋話を語る少年のごとく気恥ずかしげに千歳は言いました。
「料理するのはそれなりに好きだしするのだけど、アウトドアではあまり経験ないから」
気恥ずかしいけれど、胸躍るような気持ちもあります。こうやってみんなで火を囲むのって、楽しい。
「心配ご無用! このバーベキュー奉行にお任せあれ」
そんな千歳の紙皿に、焼きたての熱々がこんもりと乗せられました。絶妙のミディアムレアに焼かれた牛肉です。ぴかぴかに光るトングを使って、この肉を乗せてくれたのは刀でした。
それにしても、芸術品のような肉ではありませんか!
湯気がゆらゆらたちのぼり、香りも同時に鼻孔を満たします。筆を使って丁寧に彩色したような焼き色、木版画のようについた網目の模様、柔らかげなのは一目瞭然、汁気もたっぷりありそうです。
そこに華を添えるのは玉ねぎやかぼちゃ、ニンジンなどの野菜でした。白いばかりで花柄すらない殺風景な紙皿が、たちまち生まれ変わったごとく、色とりどりの印象画になりました。
「さあみんな皿を出してくれ。どんどん乗せていくぞ」
刀は山賊の首領のように、豪快にされど平等に、冬華、海の皿にも肉や野菜を盛っていきます。同時に彼は炎のコンロに肉を追加し、裏返したり焼き加減を見たり、八面六臂の大活躍を演じるのでした。
「さあ熱いうちに食べてくれ」
『ありがとう』
海は礼を示して、
「いただきます」
冬華も一礼、
「じゃあ、遠慮なく」
「なら私も」
こちらは千歳、かくて少女三人、一斉に食べ始めたのでした。
熱い、熱い熱い肉です。『厚い』肉でもあります。
けれど驚愕、思わず海は目を見張りました。
こんなに大きいのにとろけるように柔らかい。しかも焼くことによってぎゅっと旨味成分が染み出したらしく、舌で踊るような深みのある味、加えて、我を忘れそうになるほどの香ばしさがあるのです。
海は慌ててまばたきしました。美味しさのあまり我を忘れ、一瞬、背に翼が生えて空に舞い上がっていきそうになったからです。もちろんそれは想像ですが、こんなにすごい肉を食べたら、意識が別世界に飛んでいったとしてもおかしくはない。
この気持ちを海は、スケッチブックを出して表現します。
『このお肉、
すごい
おいしい!』
濃い文字。強調の意味でアンダーラインまで引いてしまいました。
『このお肉、千歳ちゃんがもってきたんだよね? さすが千歳ちゃん!』
もっとグルメっぽい表現、それこそ、『まったりしてそれでいてしつこくなく……』とかそういうのも使いたかったのですが、そんなありがちな言葉では、この感激を言い表すことなどできそうにもないのでした。
冬華も太鼓判をドーンと押します。
「本当においしいですね。こんなに良い肉を食べたこと、ありませんでした」
海と冬華に挟まれるようにして、千歳は笑顔になりました。
千歳にとっては実は、食べ慣れたレベルの肉なのです。
けれど今日の味は格別でした。この青空の下開放的な気分で、親しい友人たちと一緒に食べているからに違いありません。
「こうやって皆で外で食べるのも美味しいわよね」
言いながら千歳は、冷たい飲み物を配ったりもするのです。
刀は額に汗しながらバーベキュー奉行というかバーベキューマイスターというか、ともかく忙しく奉仕活動に従事していたのですが、ここで突然、
「はっ、このまま調理に集中したら俺はいつまでたっても食べられない!?」
当たり前のことに気がつきました。だからといってサービスに手加減はしません。忙しく焼き、忙しく盛りながら、寸暇を見ては忙しく食べます。
そしてピッカーン! 目から怪光線を出すほどに興奮するのでした。
「美味い!」
怪光線(※実際は出ていません。心のレーザービームです)を発し彼は断言しました。
「これは美味い! 食材が良いのもあるけど、皆で食べるご飯はやっぱり美味しいな」
千歳にうなずいて見せ、冬華に、海に、刀は問うて回ります。
「味はどう? 結構美味くできていると思うんだけど」
「刀さん、申し分ありません。玉葱とかよく火が通っていて、甘くておいしいです。お肉は言うまでもなく、刀さんが作ってきてくれたおにぎりも素晴らしいですね。焼き肉だとどうしても、ご飯がほしくなるタイプですので……」
「そうか! わかってるなあ、北条! 古人の言にもある、『焼肉といったら白い飯だろうが』と!」
『そんな格言はじめて聞いたけど、きもちはわかるよ』
海はしきりとうなずいています。
さてこうして若さと美味しさにあふれるバーベキューは盛り上がっていったのですが、やがてそれも終わりに近づいた頃、
「北条、どうしたんだ?」
ふと刀は気がついて冬華に呼びかけました。
彼女は岩陰に隠れて、何やらもぞもぞやっている様子なのでした。
「の、覗かないで下さいね? 着替えているんです……スクール水着に」
「泳ぐの!?」
その発想はなかった、と言いたい刀でした。
「はい。今日はこの暑さですし、水温も高そうですし」
「いやまあ今日は大丈夫だと思うけど、ここで着替えるとか大胆だな……」
『食後の運動?』
海も驚いた顔をしています。
「北条さん、水着持ってきたの?」
千歳も同様。そして海と千歳はタイミングを合わせたように、
『水着もってきてないなぁ』
「泳ぐなんて聞いてなかったから、私、水着持ってこなかったわ」
とそれぞれ発言したのでした。(正確には海は発言ではなくスケッチブックを用いてのコメントですが)
「え~っ」
空気が抜けた風船のように、刀は落胆の意を表します。しおしおにしぼんでしまいそう。肉で盛り上がりまくっただけに、落ち込み方もひとしおです。
「コホン」
まったくもう、と言いたげに千歳は咳払いしました。
「う……そんな非難がましい目で見るなよ、千歳」
「心にやましいことがあるからそう見えるだけじゃないの? 顔に出てるよ」
「顔に!?」
ごまかそうか迷ったようですが、刀は素直に言うことにしました。
「……いや、仕方ないじゃん! もう九月だし水着姿を拝めるなんて思っていなかったからさ、それだけに北条のサプライズは大きくて……期待しちゃったんだよ」
「なにを期待したんだか」
「いやだから……まあ、なんというか……」
刀はゴニョゴニョと、毛糸玉がくしゃくしゃになったような語調で口ごもりました。
彼は想像していたのです。
水着姿の千歳を。
それもビキニで、ちょっと恥ずかしがっている姿を。
――うん、残念だ。
ところが刀の残念気分は、あっという間に晴れてしまいます。
「水着に胸が引っ掛かって着替えづらくて……また育ったのかな……」
などと言いながら、冬華が水着姿で再登場したのです。
まだ落ち着かないようで冬華は、胸をむにゅっと押し込んだりして調整しております。
「刀さん? どこを見てるんですかっ」
ところがすぐに、彼の視線に気がついたようです。
「おっと! やましい気持ちで見てたんじゃないんだ。北条はスタイルいいよな、って思って」
しかし刀が見ていたのは、冬華のスタイル全体ではなさそうです。主に一点だったと思われます。その証拠に彼は今、懸命に冬華の胸から目を逸らそうとしているのでした。それが逆に正直ですね。まあ、やましい気持ちは丸出しですけども。
「では食後の一泳ぎへ」
と断って冬華は、その見事な肢体を海へと投じました。ひたひたと肌に吸い付くは、もう冷たい透明な海水、けれどそれが、食後で火照った体にはとても気持ちがいいのです。
『千歳ちゃん、こっちで一緒にぱちゃぱちゃしよ』
海は千歳を誘って、靴を脱いで浜辺に駆け出します。
「そうね。せっかく来たのだし」
千歳は続きました。
コンロの火を消し、腕組みしてそれを刀は見守るのです。
「女子三人は水遊びか……今それを鑑賞しているのはこの地球上で俺一人……」
感慨深い気持ちです。得した気持ちです。
もうちょっと俗っぽい表現で言えば、『眼福』というやつです。
人魚のような冬華、砂浜にさらされた千歳の白く長い脚、いずれも甲乙つけがたいものがありますがそれとともに、あどけなさの残る海の姿にも目を奪われます。
ふと彼は、夏に海が着ていたチューブトップの水着を思い出したりしていました。あの、抱きしめたくなるくらいキュートな姿を。
「可愛かったな……」
などと独り言してみたり。
女の子というのは視線に敏感です。離れているのにそんな刀の視線に気がついたのでしょう。海は、
――刀くん、そんなにじっと見られたら照れちゃうよ。
とばかりに頬をうっすらと染め、もじもじとするのでした。
刀はそんな彼女に向けて、軽く拝むようなポーズをしました。
――いかん、じっと見るもんじゃないな。ごめん。
という言葉を念じて、遠い海の彼方に眼を転じるのです。
でも実際は、千歳、海、冬華の三人をしっかり視界に入れていたりするのですが。
後で誘ってみようかな――と彼は思いました。
今度一緒に寝子島スポーツセンターのプールへ行かないか、と。
夏はもう終わりましたが、彼女たちの水着姿は、オールシーズンでウェルカムな刀なのです。
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
14
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
秋の日の海は、なんだかとても水色で
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月12日
参加申し込みの期限
2014年12月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!