this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
秋の日の海は、なんだかとても水色で
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
14
つぎへ >>
寝子島高校風紀委員長すなわち
北風 貴子
は、走っております。
水色のジャージ上下で。
ジャージの前はぴったりと閉じられていました。
海辺の遊歩道はよく整備されているとはいえ、海風に吹き流されたじゃりじゃりの砂で覆われています。これを貴子のスニーカーが踏むたび、赤ん坊の歯ぎしりみたいな可愛らしい音が鳴ります。
しかし貴子のほうには、そんな音色や海辺の光景を楽しむ余裕はなさそうです。太陽はだんだんと高度を増しつつあり、それとともに気温も、じわじわと高まっているのですから。
つまり、暑いのです。
かなり、暑いのです。
そんな中でも貴子はペースを乱さず、息を弾ませ、ただひたすら黙々とランニングをしているのでした。眼鏡がちょっと曇っています。
「いいんちょ……じゃなくて、北風先輩……」
貴子の後方数メートル、遅ればせながらもなんとか彼女を追って、一緒に走っている少女がおりました。
伊賀 解理
です。
「どうかしたの? 伊賀さん」
貴子は振り返りもせず言いました。もちろん走るペースを落とすこともありません。
「暑くないですか……!?」
解理の声は、これはもう瀕死と言いますかありていに言ってバテバテで、今にも倒れてしまいそうなほどです。声は掠れひび割れて、ゼエゼエという苦しい息がそこに混じっています。
ところが貴子ときたらごく平然と、
「そうね」
と返したのですから解理は舌を巻きます。
「なのに全然……お、お元気そうですが……」
「そう見えないだけ。私だってそろそろ辛いの。伊賀さんはリタイアしてもいいのよ」
「いえ……! その、僕が頼み込んで同行させてもらってるんです。も、もうちょっとがんばります……!」
「そう。なら、あの小屋のところまで走ったら休憩だから」
「はいぃ!」
北風貴子は定期的に、休みの日の午前中にランニングをしているということです。これを聞きつけた解理は本日、体力作りの目的で同行を願い出たのでした。
九月といえば、北海道ではもう涼しくなっている時期です。ところがこの寝子島ときたら! 残暑なんて生やさしいものではないほどに暑さが厳しいのです。まあ北部を除いて日本全国、こんなものなのかもしれませんけれど、道産子の解理としてはどうしても体が慣れない。長い夏バテが続いていたのです。それゆえ一念発起して、本日彼女は貴子のランニングに付き合わせてもらったのでした。
とはいえちょっとだけ、解理は後悔しつつあります。
暑さがすさまじいのはもちろん、貴子の走るペースが大変速いのです。意外に……と言っては失礼かもしれませんが、これは予想外でした。
まあなんとなく、その理由については解理にも思い当たるところがあります。
――やはり風紀のために体力が必要なのか……うちの学校、変態がやたら多いからなあ。
風紀委員といっても体力勝負、ということなのでしょう。たぶん。
必死の思いで解理は貴子に追いすがり、なんとかその背中を見失うことなく目的地に着きました。
「ぷはー!」
たまらないね、とばかりに解理は、持参のスポーツドリンクをあおりタオルで汗を拭きます。上はTシャツ、下は短パンという軽装ですが、すでに下着までびっしょりです。
同じく汗をぬぐう貴子にも、さすがに疲労の色が見えました。「私だってそろそろ辛いの」というのは嘘ではなかったようで、ダウン運動としてストレッチなどしていますが、呼吸は随分上がっています。あの暑そうなジャージ姿ではそれも仕方ないところでしょう。
――普段はこういういいんちょの姿は見ないから新鮮だ……。
ふと、そんなことを解理は考えます。
――それに。
同性なのについ目が行ってしまいます。
貴子の白いうなじに。
上着を脱いで現れたTシャツ姿に。
女性らしく柔和な曲線を描いた体つきに。
しかもそれがすべて、汗でしっとりと濡れているのです。
――それに、いつもとは違う色っぽさも感じるのは気のせい……?
解理は唾を飲み込みました。その音が貴子に聞こえてやしないかと、ちょっとヒヤリとします。
「どうかした?」
眼鏡を外して拭っていた貴子ですが、黙って自分を見ている解理に気がついたようです。
「い、いえ……あ、海岸ですね! いい景色ですね!」
飛び上がりそうになって解理は、慌てて声を上げました。
「そうね」
なんだそんなこと、とでも言うかのような口調で貴子は応じます。つづけて解理は、
「海岸といえば海! 夏が終わりを迎える時期なのに海でキャッハウフフしてる面々がいますが……」
「そう? 見えないけど」
「いえ、探せばいると思います。そういうことにして、ですな!」
思いませんか? と語気を強めて解理は言いました。
「これみよがしに胸部装甲を揺らす奴らに! 夏に十分男たちを魅了したんだから自重したまえ、と!」
この話題になると、チャリオットに乗った古代ローマ兵のごとくノンストップになる解理なのです。話すほどに解理の勢いは高まり、無意識のうちに拳を握りしめ腕を振り上げていました。
「そもそも日本人女性なら慎ましく奥ゆかしくあるべき……つまりは
ぐぞおちくしょぉ
ということですよ! ……いや、装甲強化された自分を想像したわけではないんですけれど!」
「胸部……?」
しばし怪訝な表情を浮かべていた貴子ですが、やがて理解したのか、ふっと微笑しました。
「わ、笑いごとではすまされませんぞ!」
「気分を害したのならごめんなさい。伊賀さん、『人それぞれ』と正論を言って終わりにしてもいいけれど、誰だってコンプレックスはあるものだから、その気持ちは尊重するわ」
これはまた意外な反応です。一笑に付されて終了とか、スルーされてジ・エンド、という悲しい展開が一瞬頭に浮かんだ解理だけに、尊重すると言われてしまって逆に、言葉に詰まってしまいます。
「むしろ……これも失礼な言い方だったら悪いのだけれど、伊賀さんがそういうことを気にしていたなんて、少し意外」
「意外、でしたか。先輩は気にしたことがないので?」
「ないとは言わないけど。まだ私たち十代だし、なるようになるものじゃないかしら」
「そう……ですね」
「それに、あまり大きいと肩こりの原因になるっていうし」
「それ、聞いたことがあります」
「どちらにせよ、焦ったり怒ったりしたところで、どうにもならないでしょう? 私は確かによくカッカしているけど、どうせなら、怒ってどうにかなることにだけ怒っていきたいの」
と言って眼鏡をかけ直した貴子の姿が、なぜだかぐっと大人に見えてしまって、解理は思わずひれ伏したくなるのでした。
「いいんちょ……じゃなくて、先輩」
熱っぽい瞳で呼びかけます。
「うん?」
「どうかずっと、そのままでいて下さい……!」
「それ胸の話?」
「そうそうこれ以上おっきい要員はいらぬので……じゃなくて! 人間性の話で!」
「よしてよ、そんな。私、そんな立派な人間じゃないから」
貴子はそれだけ言い残すと、ぱっと振り返ってまた駆け出しました。
「さあここから復路よ! ついてきて!」
「ついていきます! 一生……というのはさすがにアレなのでせめてスタート地点までは!」
かくして貴子は走り出し、解理はまたもそんな彼女の背中を追うのでした。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
14
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
秋の日の海は、なんだかとても水色で
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月12日
参加申し込みの期限
2014年12月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!