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所詮この世はラーメンなのさ
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あれ、メッセージ来てる。何だろう。
佐藤 タカシ
は思った。携帯に通知を表すランプが点灯している。
放課後にアップした猫の写真に、何らかのメッセージが送られてきたようだ。
この猫可愛いですね、程度の話なら普通の閲覧者はコメントで済ませるだろう。わざわざ個人的にメッセージを飛ばしてくるような相手には心当たりがない。
携帯を覗き、メッセージを確認する。それは、浅葱眼鏡店の
浅葱 あやめ
からのメッセージだった。
「……あ、あの猫……迷い猫だったんだ……」
ひとり言を呟くタカシ。
どうも放課後撮った写真の中に、ハシバミが映り込んでいたようだ。少しでも情報を集めようと店のパソコンで猫情報を漁っていたあやめの目に、その写真が止まったのである。
特定の友人も特になく、誰とも喋らずに過ごすことも珍しくないタカシだが、別に人格に問題があるわけではない。教えてあげなくてはなるまい。
「……飼い主の人か。心配してるだろうな……できるだけのことは教えておこう……ええと初めまして、と」
携帯でメッセージを返信するタカシ。
ネット上とはいえ、他人と交流を持つのは珍しいことだった。
☆
「へー、それじゃ今日は猫探しで……で、何でラーメン屋に行くんですか、天利のおじさん」
御剣 刀
は訊ねた。至極当然の疑問である。
「まぁ、そう言うなよ兄ちゃん。美味いラーメン屋を探してるんだ」
旧市街地に住む刀は天利とは面識がある。
「まぁいいや……俺も腹減ってるし、案内しますよ」
そう言って、刀は天利を一軒のラーメン屋に案内した。
「腹いっぱい食べたいときはここ、ですね」
刀が案内したのは参道商店街の東の隅にある昔ながらのラーメン屋『はらぺこ』であった。
「ここはね、辛うまジャンボラーメンが美味いんですよ」
「チャレンジメニューか……さすがにこの歳でコレは食えねぇな」
天利は苦笑いして、普通のサイズの辛うまラーメンを注文した。まるでマグマのように赤いラーメンが運ばれてくる。
恐る恐る麺を取り、口に運んだ。
なるほど辛い。だが、その辛さがクセになる。
後を引くほどに、次のひと口を食べたくなる、そんなラーメンだった。
魚介と豚骨のバランスもいい、辛さがなくても美味いスープだ。
チャーシューの厚さもいい。そして中太の麺がまたちょうどいい。
そう、ちょうどいいのだ。これほどまでに赤く熱く辛いというのに、味玉も白髪ネギも、その全てがバランス良くちょうどいい。
「……ふぅ、ごちそうさま」
さすがに一杯を食べ終わる頃には汗だくだ。
天利と刀は店を後にした。
「それでな、このネコ……見覚えないか」
思い出したようにハシバミの写真を見せる天利に、刀は首を振る。
「いや、見てないなぁ……猫か……知り合いにも連絡してみます」
刀はメールを歩きながら打ち、次のラーメン屋に向かった。
そこは旧市街の『一番猫』。
「いらっしゃーい」
威勢のいい声の店主に、刀は学生証を見せた。
「コレ見せるとトッピングひとつ無料だったはず。チャーシューで!」
「……オトナは金払っておくか、ネギと海苔追加で」
この店には基本的に一種類のラーメンしかないという。見るとどうもこの店は店主一人で回しているようだ。それならば人手も足りないことだろう。
そう天利は思っていた、しかし。
「……うん」
うまい。
なるほど、そうじゃなかった。
他のメニューが必要ないくらい、このラーメンは看板メニューなのだ。
まだ若い店主が一人で作り上げた味ではない、例えるならば長い年月をかけて歴代の杜氏たちが受け継いできた酒のような、そんなラーメンだった。
恐らくは先代から、もしくはその前から研鑚が続けられているのだろう、充分な重みを感じる、鰹節と煮干の魚介類スープ。そこに太麺があっさりと絡んで必要な量だけのスープが口の中に飛び込んでくる。
派手さはないが存分に美味いと思える味。
そう、コレだよ、コレ。
「こういうラーメンを食うと完成されたひとつの世界を感じる……こういう人生でありたいものだ」
歩きながら天利は呟いた。
「ラーメンみたいな人生……よく分からないな」
「まぁ、まだ分かるまいよ」
天利の言葉に、刀は首をひねる。
いや、成人してもきっと分からないだろうな、と。
☆
刀と天利が次の店『猫島軒』の扉をくぐると、そこには先客がいた。
「あ、刀くーん!」
店の奥の席から元気よく呼ぶ声がする。
桜庭 円
だ。
「……どうも、御剣……さん」
同じテーブルに座っているのは、
弘明寺 能美子
である。今日も不機嫌そうで目つきが悪い。
「……や、やあ」
刀は能美子にぎこちない挨拶を交わした。テーブルは四人席、円と能美子が向かい合って座っている以上、どちらかの隣に座らなければいけない。刀は円の隣を選択した。
「今日は猫探しだってー?」
そんな微妙な雰囲気に言及することなく、円は明るい声を出す。
「ああ、天利さんの仕事でね」
カウンターに座った天利は懐から猫の写真を出した。軽く自己紹介をする。
「天利 二十だ。このネコ、見なかったかな」
「
桜庭 円
だよ、よろしくねっ」
「……
弘明寺 能美子
です」
二人はハシバミの写真を眺めて、首を振った。
「うーん、見たことないなぁ……あ、コレ写メっていい?」
円は自身の携帯でその写真の写真を撮る。
そうこうしているうちに、この店の代表的なラーメン『猫島ラーメン』がやってくる。円と能美子は割り箸を持ち、声を揃えるのだった。
「いただきまーす」
「……いただきます」
能美子は天利の顔をチラリと横目で見て、ラーメンに口を付けた。
縮れた細麺に、魚介出汁のスープがよく絡む。20年以上続く昔ながらのラーメン屋の、自信の一作だった。
「……叔父さんの猫?」
ラーメンを食べながら、円は天利に尋ねた。
「いや、迷いネコさ。もし見つけたら連絡くれないか」
割り箸の袋の裏側に、天利は携帯電話の番号を書いて、円に渡す。円も自分の番号を書いて天利に渡した。
「じゃあコレ、ボクの。見つけたら連絡するね。見つかったらボクにも教えてね」
「いいのかい女子高生、不審なオジさんに電話番号なんて教えても?」
別に悪用する気はないが、と天利はニヤリと笑う。円は少しだけ考えるようにして、答えた。
「んー……ボクもにゃーくん居なくなったら不安になるしねー……やっぱ悲しいし、寂しいから」
少しでもお手伝いしたいかな、と円は笑う。
にゃーくんとは円の飼い猫のことだ。天利もまた、その笑顔に口の端を上げて応えた。
「んじゃ、よろしく頼むぜ」
天利と円がテーブルとカウンターでやり取りをしている間、刀と能美子は手持ち無沙汰でラーメンをすすっていた。
「……えっと。弘明寺は、なんでココに?」
「……私だってラーメンくらい食べるわよ。貴方が桜庭さんにメールしたんでしょ?」
「ああ、うん。桜庭に誘われたのか」
すると、店の入口から一人の男が刀に声を掛けてきた。
如月 庚
だった。
「よぉ、御剣」
「やぁ、如月も来たのか」
挨拶を交わす二人を尻目に、天利もまた庚に軽く手を上げた。
「よお、学生さん。なんか見つかったかい?」
「……いや、そっちは?」
庚の質問に、天利は肩をすくめて見せた。答えはノー。
「で、またラーメン食ってるわけすか」
天利は庚の視線も気にしないままに、運ばれてきた海鮮ラーメンに箸を付けた。
「ああ、何しろこの世はラーメンさ……学生さん、兄ちゃんらと知り合いかい?」
「また、それすか……まぁ、悪友ってとこかな?」
庚の言葉に、刀は苦笑いで返した。
ふとそこに、一人の少女が通りがかる。
「あれ、如月君ですー?」
屋敷野 梢
であった。庚とはミステリ研究会の仲間同士である。
「ああ、屋敷野もいたのか」
手狭になってきた、そもそも夕暮れ時の店は混んできている。庚は円と能美子に軽く頭を下げて、刀の向かい、能美子の隣に座った。
梢は庚の背中を見るようにカウンターの椅子、天利の隣に座る。
「で、何がラーメンなのです?」
梢が訊ねると、庚は天利が私立探偵で、仕事で猫探しをしていることをかいつまんで説明する。ラーメン理論は割愛した。
「ま、そういうことだ。もし何か見たら知らせてくれ」
「……そうですね、何か分かったら連絡しまーす」
天利はハシバミの写真を梢に見せて、ラーメンのスープをひと口すすった。
「それにしても、こうして偶然に学生さん達が集まってくるのは面白ぇな。これだから世の中はラーメンさ」
その言葉に、梢は首を傾げた。
「んー、世の中ラーメン、ですー?」
天利に合わせて自分も注文した猫島ラーメンをずずーと啜った。
「ああ、その通りさ」
「……どういう意味ですー?」
そこに刀が口を挟む。梢と刀はクラスメイトだ。
「ああ、天利さんはいつもよく分からないことばっかり言うんだ」
「……何とでも言いな、女子供にゃ分からんさ」
刀の酷評にもどこ吹く風の天利に、梢は更に首をひねった。
時を逃すと伸びてしまう、スープを仕込んでも一人が食べるのはその一部だけ……。
それっぽい文句や言葉が脳裏に浮かんでは消えていく。梢なりに天利の理屈を理解しようとしているのだが、どうにもまとまらない。
「……ま、無理すんなよ学生さん。別に理解する必要はねぇんだから」
梢の苦悩が顔に出ていたのだろう、天利は隣で涼しい顔をして見せた。
「んー……世界ラーメン……世情ラーメン……」
悩みながらも食は進む。梢はラーメンのスープを飲みながら唸り続けた。
その様子を見た天利は、丼をカウンターに置いて呟いた。
「ま、考えてぇんならそれも止めやしねぇさ。何しろ人生はラーメンだ、伸びて冷めちまったらクソだ……もう喰えたモンじゃねぇからな」
と。
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ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月10日
参加申し込みの期限
2014年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月17日 11時00分
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