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所詮この世はラーメンなのさ
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「いや、女子供じゃなくても分からねぇよ」
如月 庚
はそう思った。
天利 二十(あまり にとお)
のラーメン理論が当然のようにさっぱり理解できない。
この世はラーメンのようなものであり、ラーメンが世界であると言ってはばからないこの男を、どうしてやったらいいものか。ラーメン……ラーメン……ラララララー……。
「へぇ、そうかい学生さん?」
天利は今度こそ口角を上げてニヤリと笑った。
「……見かけたら連絡すればいいんすね」
その程度の挑発に乗るほどガキじゃない。話題を変えた庚は、手渡されたレシートの裏に書かれた携帯番号を確認する。名刺くらい渡しても良さそうなものだ。
「……名刺はな、一枚10円もするんだ」
思考を読んだように天利が呟く。火のついていない煙草を咥えたその表情は、さすがにバツが悪そうだ。庚はため息混じりに立ち上がった。
昼過ぎのラーメン屋。この奇妙な男との会話を終え、続いて店を出た。
「そんじゃ、見かけたらよろしく頼むぜ……学生さん」
真昼の太陽の眩しさに眼を細めた庚の耳に、天利の声が残る。
自然とその声に促されるように、さっき見せられた猫の写真の記憶を辿って、庚は町を歩き出した。
「所詮この世はラーメンなのさ……か」
その、奇妙な呟きと共に。
<所詮この世はラーメンなのさ>
「……はぁ」
旧市街の一角。そこにひっそりとした佇まいの店がある。
『浅葱眼鏡店』と看板のかけられたその店は、目立たない立地条件に加えて薄暗い店内と薄暗い店主が特徴である。
「はぁ……」
人物に対する評価として『薄暗い』とは使わないのが普通だが、『浅葱眼鏡店』の店主、
浅葱 あやめ
はまさに薄暗い、と評されるのに適した人物であった。
先ほどから人も通らない玄関先で箒とちりとりを持って、ゴミの代わりにため息でも集めているのかという風情で掃除をしている。
元より消極的な性格で口が重く目つきも悪く、常に猫背で長い前髪がより一段と人相を悪くしているあやめだが、今日はまた格別な薄暗さであった。
「……どこ、行ったんだろう……」
あやめが今日に限ってここまで暗いのには理由がある。
「
ハシバミ
……」
猫が帰って来ないのだ。
ハシバミと名づけられたその猫は、普段は店舗の奥の住居スペースで飼われており、客がいると面倒そうに机の下に引っ込んでしまうような、看板猫とも言えないような猫だった。だが接客が苦手なあやめにとって、足の先にハシバミの存在を感じながら仕事をするのはもはや日常の一部であり、大切な時間のひとつなのである。
そのハシバミが、ここ1週間以上帰ってこない。もとより外歩きをする猫ではあったが、ここまで長期間姿を見せないことはなかった。
「……どうも、店主さん」
心配のあまり周囲の空気まで暗く染めてしまいそうなあやめのオーラをくぐって、天利は声をかけた。
「あ……天利さん。どうですか……」
あやめが旧市街の近くに事務所兼住居を構える天利に相談し、ハシバミ探しの依頼をしたのが3日前である。
「いやぁ……まだですなぁ。ひょっとしたらこちらに戻っているかと思ったのですが、その様子ですと」
天利の言葉を切って、あやめは首を横に振る。
「……どうぞ、お茶でも」
軽く頭を下げた天利は、案内された薄暗い店内を見渡した。
カウンターの横には、猫探しのチラシが山積みになっている。
「あの……作ってみたんですが……」
大事な猫のこととはいえ、あやめにも仕事がある。チラシを作ってもそれを貼り歩くような時間はない。
いやそもそも、不特定多数の人間にチラシやポスターを頼んで歩くなど、あやめにはできないのだ。
「店主さん、こういうのはこちらの仕事ですよ。それに失礼ですが……」
あやめの表情につられて深刻な面持ちになっていた天利だが、チラシを眺めて軽く笑った。対照的にあやめの表情はより一層の暗さを増していく。
「え……ダメ……ですか……」
「ああいや、すみません。飼い主の方が作ると大抵こうなるんですよ……心配のあまりね」
チラシにはハシバミの写真が何枚も細かく印刷され、特徴的と思われる箇所が羅列されている。少しでも手がかりをと思って情報を載せすぎてしまうのだが、見る方にとっては却って記憶に残らない。
そして定番の『謝礼差し上げます』の文字。これも誤情報を生む元――謝礼目当ての情報の中には信憑性の高いものは少ない。
さらに沈み込んでしまったあやめを見て、天利は少しだけ明るい声を出した。
「店主さん、心配には及びません。ネコは迷子になっても飢え死にしない動物です――玄関先にエサ皿を置くのもおよしなさい。下手するとそれだけ喰ってまた行っちまう。腹へって鳴くくらいがちょうどいいんです」
「あ……はい」
おおむね天利の言うとおりだった。店舗先に貼った自作ポスターにも『謝礼』の文字が躍っていたし、玄関先と裏口には誰も手をつけない新しい餌が毎日律儀に置かれていた。
「……見つかる……でしょうか」
あやめはカウンターを見つめながら、か細い声を出した。
「……探しますよ」
天利は出された茶を飲み干して、背を向ける。
「お願い……します……」
頭を下げたあやめに向けて、外を眺めながら声を掛けた。
「見つかりますよ……私が見つけるんじゃなくてもね……きっと」
☆
「――ここ美味いっすよ、俺のオススメ。オヤジ、サンマラーメン固めネギ大根おろしマシマシで!」
ラーメン屋で
伊予 祐
は天利と向かい合って座っていた。
星ヶ丘寮の執事の仕事をコッソリ抜け出して旧市街のラーメン屋に向かった祐は、ご多聞に漏れず天利に遭遇したのである。
「猫探しっすか、探偵さんも難儀なことっすねぇ」
「まぁな」
まるで他人事のように祐は店内を見渡し、注文したラーメンが来るのを待つ。そのテーブルの上に置かれたハシバミの写真を見て、通りすがりの
綾辻 綾花
は声を上げた。
「わぁ、可愛い猫ですね!!」
立ったまま写真を眺めた綾花は、榛色の毛の長い猫の写真を食い入るように見つめる。天利はその様子に声色を緩めた。
「――学生さん、このネコ探してるんだけど、見なかったかい?」
「うーん……」
考えながら綾花は鞄からお手製の猫メモを取り出した。無類の猫好きの綾花は出会った猫の特徴を常にメモを取って持ち歩いているのだ。
「……残念ながら、見たことない猫のようですね……えーっと?」
「……すごいメモだな……。天利 二十、探偵だ」
「綾辻です。探偵さんって、動物探しなんかもするんですねぇ」
珍しいものを見るような目で、天利を眺める。
そんな二人とは無関係に、ラーメンが祐の下に運ばれてきた。
「はい、お待ちどおさま!!」
熱々のラーメンにこれでもかとばかりにネギと大根おろしが乗せられた丼から、にょっきりサンマが顔を出したそのラーメンは、この店の人気メニューだ。
「うっひょー、コレコレ!! いっただきまー……ってあああぁぁぁっ!!?」
「!?」
祐の叫びに綾花が振り向くと、店内に入り込んだ野良猫が祐のラーメンからサンマを掠め取ったところだった。お魚くわえたドラ猫の完成である。
テーブルから降りたそのドラ猫は、じりじりと祐との距離を取る。
「く……俺のサンマ……サンマのないサンマラーメンなんて、ただのメンじゃん……!!」
額に汗を浮かべて睨みつける祐をあざ笑うかのように、その野良猫はダッシュで店から逃走してしまった。
「あ、こら待て!! 俺のサンマ返せーー!!」
野良猫を追って走り去っていった祐の背中を見送って、綾花は呟いた。
「……追わなくていいんですか?」
「探してる猫じゃねぇし」
「料金払ってない……」
「常連なんだし、次来た時でいいんだろ」
何事もなかったかのように、天利は自分のラーメンのスープに口をつけた。サンマラーメンではない、普通のラーメンだ。
うん、うまい。透明感のあるスープが爽やかな味わいを醸し出している。
成り行きで自分のラーメンの丼を持ってきて、綾花もまた天利と共にラーメンを食べた。
「私はこの猫のなると入りの醤油ラーメンが好きですね……さっぱりしてて、汁まで全部飲めるんです」
「……いいじゃないか。今度はそれにしよう」
食べ終えた天利は立ち上がる。
「さて、行くとするか……ラーメン屋」
同じく立ち上がった綾花はその言葉に異を唱える。
「猫を探すんじゃないんですか?」
「まずはラーメンだ。猫も探すがな……何しろ人生はラーメンだ、のんびりしてるヒマはねぇ」
天利の横に並んで、綾花も勘定を済ませた。
「人生はラーメン……ですか? ……深いですねぇ、まるでこのラーメンの出汁のよう」
「お、分かるかい学生さん?」
「……いまひとつ分かりません……私も大人になったら分かるでしょうか?」
先に店を後にした天利は、煙草を口に咥えたままその疑問に応えた。
「さあな」
と。
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担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月10日
参加申し込みの期限
2014年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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